今月の栄養学の専門ジャーナルに、低カロリーダイエットによる減量効果にビタミンDが関係するという研究が、スペインのグループから報告されていました。
(Br J Nutr. 2008 Aug;100(2):269-72.)
今回の研究では、20〜35歳の肥満女性60名を対象に、低カロリー食を2週間摂取させ、試験開始時のビタミンD値が体重減少効果に関係するかどうか、検討されています。
用いられた低カロリー食は、野菜の量を増やしたパターンと、朝食シリアルの量を増やしたパターンの2種類です。
ビタミンD値については、血中25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)値が50nmol/L未満の群と、50nmol/L以上の群とで比較されました。
低カロリー食摂取の結果、すべての群において摂取エネルギーの低下、体重およびBMIの低下が認められています。
このとき、ビタミンDが高値(50nmol/L以上)の女性では、低値の女性に比べて、体脂肪量の減少幅が大きいことが示されました。(1.7±1.8 kg vs. 0.5±0.8kg)
十分なビタミンD値が試験期間中の体脂肪減少に有意に寄与するという関係が認められています(p<0.001)
なお、サブグループ間の解析によると、この傾向はシリアル群において顕著になっています。
以上のデータから、低カロリー食(低エネルギー食)による減量効果を得るためには、十分なビタミンDも重要であることが示唆されます。
ビタミンDは腸管でのカルシウム吸収を促進する作用があります。
カルシウムが体脂肪・体重減少効果を示すという臨床研究が知られています。
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