栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、野菜・果物スープの摂取による血中カロテノイド値および抗酸化能への影響を調べた臨床研究が、スペインのグループ(University of Murcia)から報告されていました。
(
Eur J Nutr. 2011 Jun 7.)
野菜や果物には、抗酸化作用を有するファイトケミカルが含まれており、生活習慣病予防効果が示されています。
(ファイトケミカルは、植物の色素や香りの成分です。)
今回の研究では、野菜・果物の豊富なスープを毎日摂取することで、血中のβカロテンやリコピン値への影響が調べられています。
具体的には、健康な男性14名(平均年齢24歳)を対象に、
1日あたり300mlのニンジン・トマト・ブロッコリー含有スープ
(βカロテン3.9mg、リコピン4mg含有)を
4週間投与し、
その後、4週間のwash-out期間が設定されました。
スープ摂取後3週間と4週間、および4週間のwash-out後に、
血中カロテノイド値と酸化関連マーカーが測定されています。
in vitroアッセイ系によると、スープ中の可溶給率(bioaccessibility)は、βカロテンとリコピンはそれぞれ55%、43%でした。
血中ベータカロチン値は、投与前(0.33 ± 0.05 μmol/L)に比べて、
3週間(0.69 ± 0.06 μmol/L)および4週間 (0.78 ± 0.10 μmol/L)のスープ摂取によって有意な増加(P < 0.001)が見出されています。
また、血中リコピン値もスープ摂取による有意な増加(P < 0.001)が示されました。
(投与前0.26 ± 0.08、3週間後0.56 ± 0.04 μmol/L、4週間後0.60 ± 0.04 μmol/L)
これらの血中カロテノイドは、4週間後が最も高値でしたが、3週間後との間に有意差は認められていません。
一方、4週間のwash-out後には血中カロテノイド値は有意に低下し、βカロテンは投与前のレベルに戻っています。
抗酸化指標であるGPxは、スープ摂取によって、投与前に比べて有意に増加しました。
また、SOD値は3週間の時点で低下、グルタチオン還元酵素、脂質、タンパク質、DNA酸化関連マーカーには変化は認められませんでした。
以上のデータから、野菜・果物の豊富なスープの摂取によって、血中カロテイノドの増加、抗酸化能の亢進が示唆されます。
なお、リコピンの半減期は、βカロテンの半減期よりも長いことから、摂取中止後の変化に差が生じていると考えられます。
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