サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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ビタミンDによる疲労骨折リスクの低下 [2011年06月30日(木)]
今月の骨代謝学の専門ジャーナル(電子版)に、血中ビタミンD値と疲労骨折との関連を調べた研究が、米国のグループ(Naval Health Research Center)から報告されていました。
(J Bone Miner Res. 2011 Jun 22)



ビタミンDは、骨の健康維持に重要なビタミンです。

最近の研究では、抗がん作用やインフルエンザ予防作用など多彩な機能性が知られるようになり、サプリメントとして広く利用されています。



これまでの研究では、血中25-(OH)ビタミンDが低値であると、大腿骨頸部骨折のリスクが高まることが知られています。



今回の研究では、若年女性における疲労骨折のリスクと血中ビタミンDとの関連が調べられました。



具体的には、海軍でのコホート研究として、2002年から2009年までに脛骨あるいは腓骨の疲労骨折を生じた被験者の血清サンプル600名分と、対照群600名との比較が行われています。


解析の結果、
血中25OHビタミンDの五分位において、最高群は、最低群に比べて、疲労骨折リスクが49%低いことが見いだされました。

(OR&#8201;=&#8201;0.51, 95% CI 0.34-0.76, p&#8201;<&#8201;0.01)

(このときの最高群は39.9-112 (Mean 49.7) ng/ml、最低群は 1.5-19.7 (Mean 13.9) ng/ml。)



疲労骨折リスクと25OHビタミンD値との間には用量依存的な負の相関関係が示されています。



40&#8201;ng/ml以上の群に比べて、20&#8201;ng/ml未満の群の女性では、脛骨あるいは腓骨の疲労骨折リスクが2倍になっていました。



論文著者らは、25OHビタミンD値の目標値を40&#8201;ng/ml以上とし、1日あたり4,000 IuのビタミンD3サプリメント投与を推奨しています。




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糖尿病には正しい食養を [2011年06月29日(水)]
2型糖尿病に関する大規模臨床試験(ACCORD試験)では、血糖コントロールを厳密に行った群のほうが、対照群よりも死亡率が高くなり、試験自体が中止になりました。



ただし、このことは、糖尿病では血糖コントロールがあまり厳密でなくても大丈夫、というメッセージではなく、従来の糖尿病治療方法で厳密な血糖コントロールを行うと、重症低血糖発作が生じることがリスクになり、予後を悪化させる、ということを示唆しています。



つまり、現時点では、糖尿病の専門医は、医薬品を用いて、血糖をコントロールし合併症を防ぐだけの技量を有しておらず、治療技術が未熟であることを示しています。


(もちろん、血糖値については、医師側の原因だけではなく、患者側の食生活に関連する部分も少なくありません。

一方で、糖尿病治療薬のセールスマンのような糖尿病認定医・専門医もいるので要注意です。)



したがって、2型糖尿病と診断されて、食事療法をおろそかにし、必要以上に糖尿病治療薬に頼るのは非常に危険です。


現時点では、きちんと食事療法と運動療法を行うことで、できるだけ血糖をコントロールし、医薬品は極力使わないこと、がベストです。


とはいっても、味気ない食事やおいしくない食事で我慢するのは苦痛ですので、継続できません。



おいしい食事で、かつ、2型糖尿病の予防や改善にも有用という点では、卵乳菜食やマクロビオティックの玄米正食が選択肢になると思います。


(DHC製品の低GI/GL食では、発芽玄米米こんにゃくがあります。)




生活習慣病の中でも、高血圧や脂質異常症の治療では、優れた医薬品もあり、食事療法がそれほど厳密でなくても、検査データは何とかなってしまうこともあります。


同じ生活習慣病に分類される、これらの疾患と比較しても、2型糖尿病は、食事や運動の影響が大きく、かつ、現時点の糖尿病治療薬に過度の期待はできないため、食生活を含めたライフスタイルの見直しが重要です。



ADAのStop Diabetesのロゴです。





個人的には、ADAなど糖尿病関連学会のビジネスが隆盛していることは間違っていると思います。

0次予防や1次予防での介入によって糖尿病の予防を進め、糖尿病関連学会ビジネスの衰退こそが、人類の健康増進のゴールでしょう。



(糖尿病と診断された際に、医薬品を拒否し、食事と運動で血糖値を良好にコントロールし、20年間で、2千万円から3千万円の医療費を節減したという医師もいます。
個人のレベルおよび国レベルで、費用対効果を考えるとき、食生活と運動、予防のためのサプリメント・機能性食品の利用のほうが効率的です。)





近年、日本でも新薬のインクレチン関連薬が多くの患者に処方されつつあります。

(この薬については、NH○の娯楽番組--情報番組を装った娯楽番組--でも紹介され、患者側からの問い合わせも増えているようです。)


新薬は効果がありますし、何よりも高価なので関連ビジネスは潤います。

(したがって、新薬は、自分に使うよりも他人に処方する側に経済的なメリットがあります。)
(特に中国やインドなどの新興国では、顕著です。)

ただし、市販後の安全性評価はこれからです。

先日(2011年6月13日)、米国FDAからインクレチン関連薬についての警告が発表されています。


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糖尿病の予防と改善のゴールは [2011年06月28日(火)]
糖尿病の患者や予備軍が増えるにつれて、糖尿病治療薬を持つ製薬会社など関連ビジネスが隆盛しています。


しかし、糖尿病の予防と改善には、食生活と運動習慣が基本でありすべてです。



糖尿病の診断基準が変更になるたびに、糖尿病患者が増えています。


診断基準は改定のたびに、厳しくなってきました(つまり、糖尿病と診断される血糖値が、改訂のたびに低くなっています)。

これは、早期に診断し治療を開始すれば、合併症を防ぐなど予後がよくなるから、という考えに基づいています。



10年以上の糖尿病歴を有し、HbA1cが8%以上の患者1万人以上を対象にした大規模な臨床試験(ACCORD)によると、厳密な血糖コントロールを行った患者群のほうが、むしろ死亡率が高くなった、という結果も得られています。
(この臨床試験は、途中で中止になりました。)


したがって、長期間、高血糖の状態から、無理に血糖を下げることにはリスクがあると考えられます。
(低血糖の頻度も関係します。)




日本糖尿病学会は、医師向けに「糖尿病診療ガイドライン」を発刊しています。

残念ながら、多くのページが薬物治療の説明になっており、診療ガイドラインというよりは、「薬の使い方」という印象です。


そのため、個別化医療としての栄養指導が十分ではなく、薬が安易に処方されがちです。



糖尿病の予防や改善には、食事と運動が基本です。

患者の多くは、食生活の改善で血糖値が改善します(ただし、糖尿病になりやすい体質は変わりませんので、その体質とうまく付き合っていくという考えが大切です。
また、ごく少数の患者では、専門医による厳密な管理が必要な場合もあります)。


大多数の2型糖尿病患者は、単純炭水化物の摂取を控えて、低GI・GLの玄米食の利用で改善できるでしょう。

(発芽玄米や米こんにゃくなども利用できます。)




早期に診断し治療を開始するほうが、予後がよい、という意見に基づき、糖尿病の診断基準が変更されるたびに患者数が急増しています。


しかし、早期診断として基準を厳しくするのは、単なる「リードタイム・バイアス」(早期に発見・診断された病気の患者群の余命が、発症時点方向へ向かって余命計算の開始点がシフトされることにより延長し、過剰推定されるエラー)であるとの指摘もあります。




ADAのStop Diabetesのロゴです。




個人的には、生活習慣への介入によって糖尿病の予防を進め、その結果として、ADAなど糖尿病関連学会ビジネスが衰退することが、人類の健康増進のゴールになると思っています。



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オリーブオイルによる脳卒中予防効果 [2011年06月27日(月)]
今月の神経病学の専門ジャーナル(電子版)に、オリーブオイルによる脳卒中リスク低減効果を示した研究が、フランスのグループから報告されていました。
(Neurology. 2011 Jun 15.)



オリーブオイルは、オレイン酸を主成分とし、LDL(悪玉)コレステロールを低下させ、脂質代謝改善作用を介して、動脈硬化性疾患を予防します。


他の調理オイルに比べて、酸化にしくいという特長があります。



さて、今回の研究では、高齢者において、オリーブオイルの摂取と血中オレイン酸、脳卒中との関連が調べられました。

(血中オレイン酸値は、オリーブオイル摂取量の指標となります。)



具体的には、脳卒中の既往のない被験者[オリーブオイル摂取測定群(主な被験者群、n = 7,625)、血中オレイン酸値の測定群(n = 1,245)]を対象に、平均5.25年間のフォローアップ中の脳卒中の発症率が検証されています。



まず、主被験者群では148例の脳卒中が見出されました。


食事因子や運動習慣、BMI、SESなどで補正後、
オリーブオイルの摂取量が多いと、脳卒中の発症率が低いという相関が認められています(p for trend = 0.02)。


オリーブオイルを利用したことがない群に比べて、オリーブオイルをよく利用する群では、脳卒中のリスクが41%低かったということです(95%CI;6%-63%, p = 0.03)。




次に、オレイン酸値測定群では、27例の脳卒中が見出されました。


交絡因子の補正後、オレイン酸値が高いと、脳卒中の発症率が低いという相関が認められています(p for trend = 0.03)。


三分位の最高群では、最低群に比べて、脳卒中のリスクが73%低いというデータ(95% CI;10%-92%, p = 0.03)です。



以上のデータから、オリーブオイルの摂取が多いと脳卒中のリスクが低くなる効果が期待されます。






地中海食は、地中海地方の伝統食で、野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。


オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。


オリーブオイルを多用する地中海食は、心臓病などの生活習慣病の予防効果を示し、抗炎症作用を有する抗炎症ダイエットであることがわかっています。



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5km走 [2011年06月26日(日)]
早朝、学会参加者有志が5km走をしていました。





外は曇りで、暑くはない気候でした。
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スピルリナの抗酸化作用 [2011年06月25日(土)]
栄養学の専門ジャーナルに、スピルリナによる抗酸化作用や記憶障害予防作用を示した基礎研究が報告されていました。
(J Nutr Sci Vitaminol 2011;57:186-91.)



スピルリナSpirulina は、藻類の1種で、ビタミンやミネラル、ファイトケミカル類が豊富に含まれることから機能性食品素材として利用されています。



今回の研究では、スピルリナによる記憶障害、酸化ストレス障害、抗酸化酵素活性に対する作用が調べられました。


具体的には、老化促進モデルマウス(SAMP8)を用いて、

・対照群

・スピルリナ 50mg/kg体重/日 投与群

・スピルリナ 200mg/kg体重/日 投与群

の3群に分けて介入試験が行われています。

(スピルリナSpirulina platensis 抽出物を利用。)


対照群として、Senescence-accelerated-resistant (SAMR1)マウスも用いられました。


解析の結果、スピルリナ投与群では、対照群に比べて、受動的回避的スコアが改善しており、アミロイドβタンパク質の蓄積の有意な低下も脳全体および海馬で認められました。


過酸化脂質は、海馬、線条体、皮質において、スピルリナ投与の2群において有意な低下が認められました。


また、対照群に比べて、スピルリナ高用量投与群では、カタラーゼ活性の有意な亢進も見出されています。



グルタチオンペルオキシダーゼ活性は、SAMP8対照群に比べて、スピルリナ高用量投与群の皮質において有意な亢進が示されています。


一方、SOD活性については有意差は示されていません。


以上のデータから、スピルリナによる抗酸化作用や認知症予防作用、脳保護作用が示唆されます。



今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。



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小児科領域でのCAM利用状況 [2011年06月24日(金)]
今月の補完代替医療の専門ジャーナルに、小児におけるCAM(補完代替医療)の利用状況を調べた研究が、米国のグループ(Madigan Army Medical Center)から報告されていました。
(J Altern Complement Med. 2011 Jun;17(6):531-7.)



今回の研究では、軍関係者の小児を対象に、CAM利用の実態調査が行われています。


具体的には、2か所の軍病院の小児科クリニックにおいて、2009年6月から9月にかけて、小児の両親に、小児のCAM利用について調査されました。


278の回答が集められ、CAM利用率は23%でした。


もっともよく利用されていたCAMは、ハーブ療法(34%)です。


CAM療法のうち、非常に有用であったとされたのは、

特別食・食事療法(67%)、メラトニン(57%)、高用量のビタミン・ミネラル(50%)、マッサージ療法(50%)

でした。


大多数(96%)の利用者は、副作用はなかったとしています。


CAM利用者のうち53%は、CAM利用について医師に相談しており、
47%は、CAM施術者・提供者を受診していました。


多変量解析によると、
CAM利用と関連する因子は、慢性疾患(p&#8201;=&#8201;0.001)、両親や兄弟のCAM利用(p&#8201;<&#8201;0.001)、両親の年齢が30歳以上(p&#8201;=&#8201;0.02)となっています。



CAM利用の情報源は、
68%が家族や友人、44%が医師でした。


CAM利用の理由として、

一般的な健康保持(70%)、

症状改善・緩和(56%)、

QOLの改善(48%)

があげられています。


回答者の80%は、医師が推奨すれば、CAMを利用するとしています。



以上のデータから、米国で軍隊に関連する家族の場合、健康保険(ユニバーサルヘルスケア)にアクセスでき、CAM利用率は2007年の米国全国調査で示された平均の2倍近いことが示されました。





小児に対してCAM療法を用いる際には適切な情報の提供が求められます。

今後、統合医療の分野で、小児を対象にした診療ガイドラインの整備が期待されます。



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トンカットアリによる男性更年期障害改善作用 [2011年06月23日(木)]
今月の内分泌学の専門ジャーナルに、トンカットアリによる男性更年期障害改善作用を示した臨床研究が、マレーシアのグループ(Universiti Sains Malaysia)から報告されていました。
(Andrologia. 2011 Jun 15. doi: 10.1111)



更年期障害というと、女性でのホルモンバランスによる体調不良がよく知られていますが、同年代の男性でも、ホルモンの低下による男性更年期障害・加齢男性性腺機能低下症候群(LOH 症候群:late-onset hypogonadism)が認められます。



性ホルモンを調節する作用のあるサプリメントとして、マカやトンカットアリといったハーブがあります。



トンカットアリ(学名Eurycoma longifolia)は、東南アジア原産のハーブで、マレーシアの民間療法では強壮・催淫薬として用いられてきました。


近年、マレーシアを中心に、トンカットアリに関する研究が進められています。


トンカットアリ標準抽出物には、主な成分のクワシノイド(quassinoid,変形テルペノイド)として、eurycomanone(ユーリコマノン)やeurycomanolなどが含まれています。



さて、今回の研究では、加齢男性性腺機能低下症候群(LOH 症候群)におけるトンカットアリの作用が検証されました。


具体的には、LOH症候群患者320名のうち76名に、トンカットアリ抽出物200mgを1ヶ月間投与し関連指標の測定が行われています。


解析の結果、トンカットアリ投与によって、AMS(Ageing Males' Symptoms)スコアおよび血中テストステロン値が有意に改善しました。


投与前では、AMSによる評価で更年期関連症状が認められなかった患者は10.5%であり、テストステロン値が正常範囲内であったのは35.5%でした。


トンカットアリ投与後では、症状のない患者は71.7%へ増加、テストステロン値が正常であった患者は90.8%となりました。



以上のデータから、トンカットアリ投与によって男性更年期障害であるLOH症候群の改善およびテストステロン値の上昇効果が示唆されます。




DHCでは、マカトンカットアリを製品化しています。







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マイタケによる乳がん細胞抑制作用 [2011年06月22日(水)]
今月の医用食物学の専門ジャーナルに、マイタケ抽出物による乳がん細胞のアポトーシス誘導作用を示した基礎研究が報告されていました。
(J Med Food. 2011 Jun;14(6):563-72.)



乳がんの治療では標準治療が確立していますが、予防、再発予防、あるいは標準治療の適応外の病態では、サプリメント・機能性食品素材が補完的に用いられることがあります。

(標準治療は、あくまで治療であり、それぞれのステージに対するプロトコールが決まっています。一方、発症予防や再発予防に対しては十分ではありません。)


これまでの研究では、薬用/食用キノコ類の成分、大豆イソフラボン類による乳がん抑制作用が示唆されてきました。


例えば、マイタケ(学名Grifola frondosa)抽出物D-フラクションでは、免疫調節作用や抗腫瘍作用が知られています。



今回の研究では、ヒト乳がん細胞(MCF7)を用いて、マイタケDフラクションによるアポトーシス誘導作用が検証されました。



具体的には、8μg/mL, 36μg/mL, 91μg/mL, 183μg/mL, 367μg/mLの各濃度あるいは対照(0)群にて、24時間の処理が行われました。


解析の結果、乳がん細胞の生存率はマイタケ抽出物の濃度依存的に減少が認められています。


また、乳がん細胞のアポトーシスは、マイタケの濃度依存的に有意に増加しました。


マイクロアレイ解析では、アポトーシス経路に関与するBAK-1発現の亢進が認められました。


その他、アポトーシスの過程でミトコンドリアから放出されるcytochrome cの増加も見出されています。



以上のデータから、マイタケ抽出物(Dフラクション)は、BAK-1やcytochrome cを介したアポトーシス誘導作用によって乳がん細胞を抑制することが示唆されます。



今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。





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コエンザイムQ10による運動時の酸化障害抑制作用 [2011年06月21日(火)]
今月のスポーツ医学の専門ジャーナルに、コエンザイムQ10による運動時の抗酸化作用を示した臨床研究が報告されていました。
(J Sports Med Phys Fitness. 2011 Jun;51(2):305-12.)



コエンザイムQ 10は、抗酸化作用およびATP産生作用を介して生活習慣病予防やアンチエイジング・抗加齢領域で広く利用されているサプリメント成分です。


今回の研究では、単回の高度な運動負荷時に生じる酸化ストレス障害に対して、コエンザイムQ10の効果が検証されました。


(適度な運動習慣は、健康維持や疾病予防に有用とされる一方、過度な運動負荷は酸化ストレス障害を生じることが知られています。)


具体的には、健康な男性15名を対象に、1日あたり100mgのコエンザイムQ10あるいは偽薬が8週間投与され、Wingate testによる運動負荷を実施、介入前後で酸化障害関連指標が測定されました。

(ランダム化二重盲検クロスオーバー法)

(Wingate test:ウインゲート無酸素性テストは、2分間の休息をいれて、5回実施。直後、15分後、60分後にMDAやNO、SOD、GP、UAなど関連指標を測定。)



解析の結果、脂質酸化マーカーのMDAは、安静時や運動直後と比べて、15分後および60分後に有意な増加を示しました。


一方、コエンザイムQ10投与群では、投与前と比べて、安静時、運動負荷直後、60分後の時点で低下が認められました。



また、尿酸は、安静時と比較して、運動負荷15分後と60分後で増加しています。



以上のデータから、短期間の高度な運動負荷の反復によって、脂質酸化障害が生じ、抗酸化系が活性化されること、また、コエンザイムQ10サプリメントは、脂質酸化障害の少なくとも一部を抑制することが示唆されます。





コエンザイムQ10には,酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが,酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は,体内に吸収された後,いったん還元されてから,利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは,酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって,一般的には,生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して,酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方,特定の疾患に対して用いる場合,あるいは,体内の生理機能が低下している高齢者の場合には,還元型CoQ10の利用が推奨されます。



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オリーブオイルとナッツによる心血管リスク低下作用 [2011年06月20日(月)]
今月の栄養・代謝・循環器病学の専門ジャーナルに、オリーブオイルやナッツ類の摂取による心血管疾患リスクの低下作用を示した臨床研究が、スペインのグループから報告されていました。
(Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2011 Jun;21 Suppl 1:S14-20.)




地中海食は、地中海地方の伝統食で、野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。



今回の研究では、高コレステロール血症を有する患者において、バージンオリーブオイル、クルミ、アーモンドの摂取による脂質代謝への影響が検証されています。


具体的には、クロスオーバー法にて、

バージンオリーブオイル投与群、

クルミ投与群、

アーモンド投与群の

3群についてそれぞれ4週間の介入が行われました。

(食事中の脂質をこれらの脂質で置換)


被験者18名(女性9名、平均年齢56歳、BMI 25.7)が試験を完了しました。


解析の結果、LDLコレステロール値は、
介入前に比べて、

バージンオリーブオイル投与群では7.3%、

クルミ投与群では10.8%、

アーモンド投与群では13.4%

低下が認められたということです。



総コレステロール値およびLDL/HDL比の低下も見出されています。


LDLコレステロール値の低下幅は、置換された食事由来の脂質量から推定されるよりも大きい幅であったとされています。


なお、その他の脂質画分、酸化障害や炎症関連指標には有意な変化は見出されませんでした。



以上のデータから、ポリフェノールの豊富なバージンオリーブオイル、ナッツ類の豊富な食生活は、脂質代謝を改善することが示唆されます。




地中海食は、地中海地方の伝統食で、野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。



オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。



オリーブオイルを多用する地中海食は、心臓病などの生活習慣病の予防効果を示し、抗炎症作用を有する抗炎症ダイエットであることがわかっています。





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L-カルニチンによる運動能向上作用 [2011年06月19日(日)]
生理学の専門ジャーナルに、L-カルニチンによる運動能向上作用を示した臨床研究が、オランダのグループ(Maastricht University)から報告されていました。
(J Physiol. 2011;589(Pt 4):963-73.)



カルニチン(L-カルニチン)は、運動による減量/体脂肪減少を目的として用いられる機能性成分です。




今回の研究では、L-カルニチンサプリメントの長期投与による筋肉での代謝および運動能への影響が検証されました。


具体的には、健康な男性被験者14名(平均年齢25.9歳、平均BMI 23.0)を対象に、3回(12週間隔)にわたって、運動負荷が行われ、安静時と負荷後の筋生検など関連指標が測定されています。




(これまでの研究によって、L-カルニチンの急性i.v.投与時において、インスリンが筋肉中の総カルニチン量を増加することが示されています。

今回のプロトコールで炭水化物を併用投与するのは、インスリン分泌促進のためです。)



初回の訪問後、
80グラムの炭水化物投与群(対照群)
あるいは、
2グラムのL-カルニチン+80グラムの炭水化物投与×2回実施群
の2群に分けて、二重盲検法にて24週間の介入が実施されています。


介入の結果、L-カルニチンサプリメント投与群では、筋肉中のL-カルニチン量が、投与前から21%増加(P < 0.05)しました。
(対照群は変化なし)


また、カルニチン群では、対照群に比べて筋グリコーゲンの利用が55%少なく(P < 0.05)、
ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体(PDC)活性化は、サプリメント投与前に比べて31%低くなっています(P < 0.05)。



一方、運動負荷時では、対照群に比べて、カルニチン投与群では、

筋肉中のPDC活性化は38%亢進(P < 0.05)し、

アセチルカルニチン量は16%増加傾向を示し(P < 0.10)、

筋肉中の乳酸量は44%低下(P < 0.05)、

筋肉中のPCr/ATP比の維持・改善

が認められました。




さらに、カルニチン投与群では、投与前に比べて運動負荷時のワークアウトプットが11%増加したのに対して、対照群では変化は見出されていません。




以上のデータから、L-カルニチンサプリメントの長期投与によって、筋肉中の総カルニチン量が増加し、運動時の代謝に影響を与えて運動能が向上することが示唆されます。





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フォーミュラ食での減量効果 [2011年06月18日(土)]
今月の肥満研究の専門ジャーナル(電子版)に、フォーミュラ食(代替食)による減量効果を検証した臨床研究が、米国のグループ(University of Pennsylvania School of Medicine)から報告されていました。
Obesity. 2011 Jun;19(6):1193-9.)




一般に、肥満に対する標準的な食事療法は、通常食の場合、低エネルギー低脂肪食が推奨されています。


一方、一日3食のうちの1食あるいは2食を置き換えるフォーミュラ食/置き換え食/代替食についても、減量や減量体重維持の効果が示されてきました。


フォーミュラ食/代替食は、低エネルギー低脂肪+高タンパクを基本として、必須栄養素であるビタミン/ミネラルを加えています。)




これまでの多くの研究によって、成人の肥満者に対しては、代替食を用いた生活習慣改善(行動変容)プログラムによって、等カロリーの食事療法と比べて、有意な体重減少効果が示されています。


今回の研究では、青少年の肥満者113名(平均年齢15.0歳、平均BMI 37.1)を対象に、

生活習慣改善プラン+1300〜1500kcal/日の食事療法(食品は自己選択式)実施群、

あるいは、

代替食利用群(スリムファーストシェイク)

に分けて、12ヶ月間のランダム化比較試験が実施されています。



被験者は3群に分けられ、まず2群は、
第1相として最初の4カ月間の代替食実施後、第2相の8ヶ月間に、代替食を継続する群と、代替食から自己選択式の食事療法に移行する群の2群とで比較が行われました。

また、残りの1群は、自己選択式食事療法を12ヶ月間継続しています。



データ解析は、実施開始時と4ヶ月後(第1相)、5−12ヶ月後(第2相)、開始時と12ヶ月後で比較されています。


4ヶ月後、代替食投与群(n=65)は、BMIが平均6.3%減少したのに対して、
食事選択群(n=37)では、BMIは平均3.8の減少であり、両群間に有意差が認められました(P = 0.01)。


次に、第2相では、3群ともに体重の再増加(リバウンド)が認められ、BMIの変化について群間での有意差は認められていません(P = 0.39)。




以上のデータから、論文著者らは、通常のエネルギー制限食に比べて、代替食のほうが、短期間での体重減少に有用であるが、リバウンド予防という点が課題であると考察しています。




これまでの研究によって、
代替食・フォーミュラ食の有用性については、コンセンサスが得られています。

リバウンド予防については、各自の体質とうまく付き合いながら、代替食を上手に利用する、ということになると思います。




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日光と乳がんリスクの関係 [2011年06月17日(金)]
今月の疫学研究の専門ジャーナル(電子版)に、日光と乳がんリスクとの関係を示した調査が報告されていました。
(Am J Epidemiol. 2011 Jun 9.)



これまでの研究では、ビタミンDによる抗がん作用が示されており、乳がんについても食事からのビタミンD摂取によるリスク低下作用が知られています。


しかし、日光・紫外線による皮膚でのビタミンD産生と、乳がんリスクとの関連は明らかではありません。


そこで、今回は、症例対照研究として、カナダオンタリオ州において、2003年と2004年に、患者3101名と対照者3471名について検証が行われました。



解析の結果、屋外での滞在時間と、乳がんリスク低下との間に相関が認められています。


具体的には、

10歳代の時に、6時間以下/週の群にくらべて、21時間/週を超えた群では、29%のリスク低下、

20-30歳代では36%のリスク低下

40-50歳代では26%のリスク低下、

60歳代から74歳まででは50%のリスク低下、

でした。



一方、日光暴露からさけること、紫外線暴露といった点と、乳がんリスクとの間には関連は認められていません。


ビタミンD産生に関与するすべての因子の指標である日光-ビタミンDスコアは、乳がんリスク低下と有意に相関していました。


これらの相関は、更年期や食事からのビタミンD、運動習慣といった交絡因子による影響は見出されていません。



以上のデータから、論文著者らは、皮膚におけるビタミンD産生増加と、乳がんリスク低下との相関を推定しています。





なお、日光は、紫外線を含むため、活性酸素を発生させ、酸化障害を生じることで、皮膚の光老化や目の白内障などの加齢に関連した病気を発生させます。


そのため、抗加齢医学や予防医学の分野では、日光暴露・紫外線暴露は有害であり、可能な限り避けるべきと考えられます。


一方、日光暴露の唯一の効能は、ビタミンDを活性化することです。


特に乳がんリスクが高く、かつ、高緯度地方に在住する白人女性では、ビタミンD不足にもなりやすいというリスクがあります。


しかし、このビタミンD産生という効能についても、日光暴露のデメリットのほうが大きいため、ビタミンDサプリメントの利用が好ましいと考えます。

(あるいは、シイタケを摂取前に日光に当てることで、ビタミンDの含有量を増やす、という方法などもあります。)

(前駆体がビタミンD3に変換され、摂取後、血中で25OH-Dとなり、さらに体内で1-25OH-Dになります。)


サプリメントでは、ビタミンDを1日あたり1000-2000IU摂取する方法が推奨されています。




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ルテインによる網膜変性抑制作用 [2011年06月16日(木)]
今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、ルテインによる網膜変性抑制作用を示した基礎研究が、慶応大学のグループから報告されていました。
(J Nutr Biochem. 2011 Jun 8.)



加齢性黄斑変性症(AMD)は、高齢者における失明・視力障害の主な原因です。


機能性食品成分では、ルテイン/ゼアキサンチンといったカロテノイドの摂取による予防効果が知られています。

(AMDの予防・リスク低減に対して、ルテインサプリメントの推奨は広く受け入れられています。)



さて、今回の研究では、網膜におけるルテインの光障害抑制の作用機序について検証が行われています。


具体的には、光暴露マウス(Balb/c)網膜を用いて、ルテイン含有食投与あるいは対照食投与群の2群について解析されました。


まず、網膜電位図では、ルテイン投与群における光障害抑制効果が見出されました。
(光暴露後において、受容器電位のa波と、Muller細胞由来のb波の電位減少。)


次に、DNA損傷の指標であるDNA二本鎖切断のマーカーであるγ-H2AXは、光暴露後の光受容器では亢進していましたが、ルテイン投与群では亢進が抑制されたということです。


さらに、DNA修復を促進するEYA(eyes absent)は、光暴露のルテイン投与群において有意に亢進していました。



以上のデータから、光暴露による網膜変性障害に対して、ルテインは、EYAを亢進し、光受容器細胞のアポトーシスを抑制、酸化障害を抑制といった機序を介して、網膜を保護することが示唆されます。






サプリメント成分では,カロテノイド系ファイトケミカル(キサントフィル)の1種のルテインとゼアキサンチン,およびオメガ3系必須脂肪酸(DHAEPA)によるAMDのリスク低減効果が知られています。




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ザクロ果汁と筋肉保護 [2011年06月15日(水)]
今月のスポーツ医学の専門ジャーナル(電子版)に、ザクロ果汁による運動負荷後の筋保護作用を調べた臨床研究が、米国のグループ(University of Texas at Austin)から報告されていました。
(J Strength Cond Res. 2011 Jun 8.)


今回の研究では、伸張性(遠心性)運動時の筋疲労に対するザクロ果汁の作用が調べられています。



具体的には、普段、レジスタンス運動を行っている被験者(n=17)を対象に、

ザクロ果汁あるいは偽薬がクロスオーバー法にて投与され、

肘関節および膝関節の遠心性屈曲運動負荷が行われた後の筋肉疲労の状況が検証されました。



肘関節屈曲運動負荷では、偽薬群に比べて、ザクロ果汁投与群において、運動後48時間と72時間後における筋肉痛が有意に低下していました(それぞれp = 0.003、p = 0.038)。

(なお、2〜168時間の筋力は有意に亢進していたということです。)


一方、膝関節に対する負荷では、両群間に有意差は認められていません。



以上のデータから、論文著者らは、ザクロ果汁による軽度な急性のエルゴジェニック効果を推察しています。


今後、作用メカニズムなどの検証が期待されます。


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ベジタリアンのほうが栄養価の高い食生活を送っている [2011年06月14日(火)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、ベジタリアン食の栄養価に関する検証を行った研究が、米国のグループから報告されていました。
(J Am Diet Assoc. 2011 Jun;111(6):819-27)



一般に、摂取する食品や食材に制限を加えると、栄養素の過不足を生じる可能性が生じると考えられます。


一方、ベジタリアン食と非ベジタリアン食の比較では、適切に準備されたベジタリアン食は、健康増進や生活習慣病予防に有用であることが示されており、米国の食事摂取ガイドラインでも是認されています。


そこで、今回の研究では、ベジタリアン食において不足しがちな栄養素について、ベジタリアンと非ベジタリアン、ダイエット(食事による減量)中の人の3群を対象に、実際の摂取状況による解析が行われました。


具体的には、米国全国健康栄養調査(1999-2004)から、19歳以上のデータが検証されています。
(なお、妊娠中と授乳中の女性13,292は除外されています。)



ラクトオボベジタリアンは851名、
ダイエット中の人はエネルギー必要量から500キロカロリー以上制限していると定義して、4,635名が対象となりました。


エネルギー摂取量、性別、人種などで補正され、
ベジタリアンと非ベジタリアンの比較、
ダイエット中のベジタリアンと非ベジタリアンの比較、
非ダイエット中のベジタリアンと非ベジタリアンの比較が行われた結果、


ベジタリアン群は、非ベジタリアン群に比べて、
食物繊維、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、チアミン、リボフラビン、葉酸、カルシウム、マグネシウム、鉄の摂取量が多いことが見出されました。



なお、Healthy Eating Index scoreに関して、ベジタリアン群と非ベジタリアン群との間に有意差は見出されていません。
(50.5±0.88 vs 50.1±0.33, P=0.6)



以上のデータから、ベジタリアン食は、栄養価が豊富であり、食事摂取ガイドラインに沿った食事内容であること、また、食事の栄養価を損なうことなく減量のための食事療法にも用いられることが示唆されます。



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ノコギリヤシによる細胞増殖抑制作用 [2011年06月13日(月)]
今月の植物療法の専門ジャーナル(電子版)に、ノコギリヤシによる前立腺上皮細胞に対する作用を調べた基礎研究が、スウェーデンのグループ(Karolinska Institutet)から報告されていました。
(Phytother Res. 2011 Jun 8.)



男性では、加齢に伴って前立腺肥大症による排尿障害などの症状が生じます。

良性疾患である前立腺肥大症に対して、サプリメントでは、ノコギリヤシ(学名serenoa repens)が用いられています。


(ノコギリヤシは,多くの臨床試験によって有効性が示されており,安全性の高いハーブです。医薬品と比べても副作用が少なく,広く推奨できるサプリメント成分です。)


また、民間療法では、前立腺炎に対しても用いられています。



さて、今回の研究では、ノコギリヤシ抽出物による前立腺細胞に対する作用に関して、こうアンドロゲン作用以外についての検証が行われました。


解析の結果、ノコギリヤシは、アンドロゲン非依存性前立腺がん細胞培養系(PC3)において、EGFやLPS誘導性前立腺上皮細胞増殖作用を抑制することが見出されました。


有効濃度である50μグラム/mLでは、ノコギリヤシはEGFRにおいてEGFを阻害し、EGF誘導性の細胞増殖抑制作用を示しています。


また、LPS誘導性のモデルでは、ノコギリヤシは、NFκBの抑制作用を介した細胞増殖抑制を示しました。


さらに、MCP-1分泌の抑制、LPS誘導性IL-12の抑制といった作用も見出されました。



以上のデータから、ノコギリヤシ抽出物は、EGFシグナルの抑制を介して前立腺細胞の増殖抑制作用を示すことが示唆されます。



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頭痛とCAM利用 [2011年06月12日(日)]
今月の頭痛研究の専門ジャーナル(電子版)に、頭痛・片頭痛・重症の頭痛を有する成人におけるCAM(補完代替医療)の利用状況を調べた研究が、米国のグループ(Harvard Medical School, Boston)から報告されていました。
(Headache. 2011 Jun 7.)



今回の研究では、頭痛・片頭痛・重症の頭痛を有する成人と、有していない成人との間におけるCAM利用が比較されています。


具体的には、2007年の全国健康面接調査(n=23,393)のデータを解析した結果、
片頭痛・重症頭痛を有する成人では、有していない成人に比べて、CAM利用率が有意に高値であることが示されました(49.5% vs. 33.9%, P&#8195;<&#8195;.0001)。


この有意差は、各種の交絡因子で補正しても同様に見出されています。


もっともよく利用されていたCAM療法は、心身療法(深呼吸エクササイズ、瞑想、ヨーガ療法)です。



片頭痛・重症頭痛の成人でのCAM利用と相関していた因子は、

不安、関節痛、腰痛、飲酒、高学歴、米国西部在住

といった点でした。



また、CAMを利用している片頭痛・重症頭痛の成人のうち、50%以上は、CAM利用について、担当の医療従事者に申告していませんでした。



以上のデータから、
片頭痛・重症頭痛の成人は、心身医療分野のCAM療法をセルフケアとして広く利用している一方、医療従事者への自己申告率は低いという課題が示唆されます。






サプリメントの分野では、
コエンザイムQ10を1日300mg投与することで、片頭痛の発作回数を減少(改善)できたという臨床研究が知られています。

その他、フィーバーフューというハーブも用いられることがあります。

これらのサプリメントやハーブは、片頭痛が生じているときの改善ではなく、予防による発作回数の軽減目的で利用されます。


特にコエンザイムQ10は、アンチエイジングや抗酸化など多くの機能性がありますので広く利用が推奨されます。




コエンザイムQ10には,酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが,酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は,体内に吸収された後,いったん還元されてから,利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは,酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって,一般的には,生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して,酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方,特定の疾患に対して用いる場合,あるいは,体内の生理機能が低下している高齢者の場合には,還元型CoQ10の利用が推奨されます。




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グルコサミン・コンドロイチンと変形性関節症 [2011年06月11日(土)]
変形性関節症に対するアプローチに関しての調査研究が、オーストラリアのグループ(University of Queensland)から報告されていました。
(Int J Behav Med. 2011 May 26.)



変形性膝関節症(膝OA)や変形性腰椎症(腰OA)は、慢性的な病態であり、薬物および非薬物的なアプローチ、サプリメントなどが用いられています。


今回の研究では、膝OAおよび腰OAに対する対処法に関して、調査研究が行われました。


具体的には、オーストラリア・ブリズベーンに在住の成人2,200名を対象に質問票が郵送され、
485名(男性192名、女性293名)から回答が得られています。

(軽症から中等度の症状を有する膝OAあるいは腰OAの患者です。)


96%の回答者(27−95歳)が、非薬理学的な治療法を用いており、

78%が1種類以上の薬理学的な介入方法を利用していたということです。



非薬理学治療法としては、関節可動域運動訓練が最も多く、男性52%、女性61%が利用していました。


また、薬理学的介入法では、グルコサミン・コンドロイチンが最多であり、男性51%、女性60%の利用率でした。






膝OAなどの変形性関節症に対して、
サプリメント
では、グルコサミンやコンドロイチンが最もエビデンスが豊富であり、欧州の学術団体ではグレードAの推奨になっています。


(米国では、GAIT1のネガティブデータが引用されることが多く、混乱していますが。)



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