葉酸+ビタミンB6+B12のビタミンB群サプリメント投与により、脳卒中リスクが14%低下するというメタ解析が、中国のグループ(Xi'an Jiaotong University)から報告されていました。
(Zhonghua Liu Xing Bing Xue Za Zhi. 2016 Jul;37(7):1028-34.)
葉酸はビタミンB群の一つです。
妊娠初期に不足すると、小児の発達障害を生じ神経管欠損症のリスクを高めることから、日本でも、妊娠中の葉酸サプリメントの利用が推奨されています。
(葉酸は、妊娠初期において重要ですので、妊娠がわかってから摂取するのではなく、妊娠を計画している時点で摂り始めるのがポイントです。)
成人の場合、生活習慣病、特に動脈硬化性疾患に対する
葉酸サプリメントの効果が知られています。
葉酸サプリメントの投与によって、血中ホモシステイン値が低下し、
ホモシステインによる血管内皮障害が抑制されることで、
動脈硬化性疾患のリスクが低下すると考えられます。
また、大腸がん抑制など抗がん作用も示されています。
今回の研究では、
葉酸、ビタミンB6、B12を組み合わせたサプリメント投与による動脈硬化性疾患(心臓病と脳卒中)リスクへの影響が検証されました。
具体的には、
1980年から2014年までの研究から、
葉酸+B6+B12サプリメントと心臓病あるいは脳卒中に関するランダム化比較試験11報から26,395名分のデータが抽出され、メタ解析の対象となりました。
解析の結果、
まず、8報のデータでは、心血管疾患イベントとB群サプリメントとの間に有意な相関は認められませんでした。
(RR=1.00, 95% CI: 0.94-1.07)
また、9報のデータでは、心筋梗塞とB群サプリメントとの間に有意な相関は認められませんでした。
(RR= 1.03, 95% CI: 0.94-1.13)
次に、
脳血管疾患に関して、
9報のデータにおいて、
ビタミンB群サプリメントの投与により、脳卒中の発症率が14%有意に低下するという相関が認められました。
(RR=0.86, 95%CI: 0.78-0.95)
また、
対照群に比べて、
葉酸+B6+B12サプリメント摂取群では、
血中ホモシステイン値の有意な減少が認められました。
(2.53 μmol/L; 95%CI:-3.93―1.12)
また、サブグループ解析では、
脳卒中リスクに関して、
フォローアップ期間の延長と、ビタミンB群サプリメントによる脳卒中リスク低下との相関が見出されました。
その他、
心血管/脳血管疾患の既往のある患者において、
ビタミンB群サプリメントによる予防効果がより顕著に見出されたということです。
以上のデータから、
ビタミンB群(葉酸+B6+B12)サプリメントの投与による血中ホモシステイン値の低下、および脳卒中リスク(罹患率)の低下作用が示唆されます。
妊娠初期に葉酸サプリメントの摂取は、新生児の神経管閉鎖障害予防のために必須です。
厚労省も葉酸サプリメントの利用を推奨しています。
葉酸サプリメントは、
妊娠の4週間前から妊娠12週までの摂取が薦められていますので、
妊娠がわかってからではなく、妊娠を考えている女性はすべて摂取、となります。
(葉酸サプリメントを1日400マイクログラム)
葉酸は、食品にも含まれますが、プテロイルポリグルタミン酸という形であり、利用効率は50%です。
一方、サプリメントに利用されている合成された葉酸は、プテロイルモノグルタミン酸であり、生体での利用効率が85%と高いことが特徴です。
なお、
葉酸サプリメントに関して、10年ほど前に発表された論文で、
大腸ポリープ切除後の患者で、葉酸サプリメントを1日あたり1000マイクログラム、3年間摂取した場合に、ごく少数にポリープの悪性化が認められたという報告があります。
しかし、その後の疫学研究では、葉酸は大腸がんリスクを低下させることが示されており、その他の研究でも、葉酸サプリメントの摂取と発がんとの関係は否定されています。
そのため、葉酸サプリメントの利用は、中高年の動脈硬化予防の点からも推奨されます。
日本での食事摂取基準では、葉酸は、240㎍の摂取が推奨されています。
一方、葉酸代謝にかかわる遺伝子変異により、約16%の日本人では、多めの葉酸摂取が必要です。
そこで、天然型よりも安定して吸収率が高い合成型の葉酸サプリメントを400マイクログラムの摂取が推奨されます。
葉酸 30日分
葉酸1日1粒あたり、葉酸400μg、ビタミンB2 1.3mg、ビタミンB6 1.7mg、ビタミンB12 2.5μg
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