食品機能研究の専門ジャーナル(電子版)に、ブドウ製品の摂取と、脂質代謝指標との関連を検証したメタ解析が、イランとイギリスのグループから報告されていました。
(Food Funct. 2019 Sep 13)
ブドウ(ぶどう)の皮や種子には、ポリフェノールが含まれており、抗酸化作用を介した動脈硬化予防、生活習慣病の予防効果が示唆されています。
(赤ワインのフレンチパラドックスがよく知られています。)
さて、今回の系統的レビュー/メタ解析では、
成人において、
ブドウ製品の摂取による脂質代謝への作用が検証されました。
具体的には、
主要医学データベースを用いて、
ブドウ製品の摂取と、脂質代謝指標を調べたランダム化比較試験が検索され、
48報のRCTから、
59群が解析の対象となりました。
メタ解析の結果、
ブドウ製品の摂取により、
総コレステロール値の有意な低下、
(MD: -6.196 mg dl-1, 95% CI: -9.203, -3.189)
LDLコレステロール値の有意な低下、
(MD: -4.964 mg dl-1, 95% CI: -7.594, -2.334)
中性脂肪値の有意な低下、
(MD: -7.641 mg dl-1, 95% CI: -12.120, -3.162)
が見出されました。
なお、HDL値では有意な変化は検出されませんでした。
(MD: 0.385 mg dl-1, 95% CI: -0.364, 1.133)
ブドウ製品の摂取によるHDLおよびLDLコレステロール値への作用は、
ポリフェノール含量に依存的でした。
以上、今回のメタ解析から、
ブドウ製品の摂取による脂質代謝改善作用が示唆されます。
植物性食品に含まれるポリフェノールは、抗炎症作用や抗酸化作用を有しており、
健康増進作用や生活習慣病のリスク低減効果が示唆されています。
(ポリフェノールはフェノールを有する構造の物質なので、ファイトケミカル類という表現が、より広くカバーします。具体的には、カロテノイド類、フラボノイド類など数千種類以上になります。)
関連した研究として、次の報告があります。
クランベリーポリフェノールによる血管機能の改善効果
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ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果
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