サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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フラボノイドの摂取と乳がんリスクとの関連:中国での症例対照研究 [2019年11月30日(土)]
今月のがん予防研究の専門ジャーナル(電子版)に、フラボノイドおよびフラボノイドサブクラスの摂取量、と乳がんリスクとの関連を調べた疫学研究が中国のグループから報告されていました。
(Eur J Cancer Prev. 2019 Nov 14.)


植物に含まれるファイトケミカルであるフラボノイド類は、抗酸化作用や抗炎症作用を介した生活習慣病予防効果が示されています。


先行研究では,大豆製品の摂取による乳がんや前立腺がん、消化器がんのリスク低下作用が示されています。


大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下:高山スタディ


納豆の摂取が心臓病を予防する:高山スタディ




今回の研究では、

中国人において、

フラボノイドの総摂取量およびサブクラスと、

乳がんリスクとの関連が検証されました。

具体的には、

症例対照研究として、

中国広東省において、

2007年6月から2018年7月までに

1522人の乳がん症例と、1547人の対照群について、

面接による食事調査が行われました。


潜在的な交絡因子の調整後、

総フラボノイド、アントシアニジン、プロアントシアニジン、フラバノン、フラボン、フラボノール、およびイソフラボンの摂取と、

乳がんリスクとの間に有意な負の相関が見出されました。


最高と最低の四分位を比較すると、

総フラボノイドでは、34%のリスク低下、
(OR;0.66,0.54-0.82)、

アントシアニジンでは39%のリスク低下、
(0.61、0.49-0.75)

プロアントシアニジンでは33%のリスク低下、
(OR; 0.67,0.54-0.83)、

フラバノンでは29%のリスク低下、
(0.71、0.57-0.88)

フラボンでは52%のリスク低下、
(0.48,0.39-0.60)

フラボノールでは49%のリスク低下、
(0.51,0.41-0.63)、

イソフラボンでは33%のリスク低下、
(0.67,0.54-0.83)。

という相関が見出されました。

なお、
フラバノール、フラバン-3-オールモノマー、テアフラビンの摂取と、

乳がんリスクの間には、有意な関連性は検出されませんでした。


閉経状態およびエストロゲン受容体/プロゲステロン受容体状態に関する層別解析では、

総フラボノイド、ほとんどのフラボノイドサブクラスの摂取と、

乳がんリスクとは、

閉経期またはエストロゲン受容体/プロゲステロン受容体の状態によっては影響されないことが示唆されました。


以上のデータから、

フラボノイドによる乳がんリスク低下作用が示唆されます。



大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。


先行研究では,大豆製品の摂取による乳がんや前立腺がん、消化器がんのリスク低下作用が示されています。


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エクオールとは、腸内細菌により、大豆イソフラボンの一種であるダイゼインから産生されます。

エクオールは、イソフラボンよりも高い生物活性を有しており、

更年期障害の改善、閉経後の骨粗鬆症予防、心血管疾患の予防作用が示唆されています。




ただし、
エクオールの体内産生には、腸内細菌叢が関与するため、エクオールを産生できる人とそうではない人がいることがわかっています。

日本人でエクオールが産生できるのは、50-60%程度です。

また、食習慣の変化により、若年者では、エクオール産生者の割合が減少しており、

日本人の若年女性では、20-30%の人しか、エクオールを産生できていないと報告されています。

エクオール産生者は、非産生者に比べて、大豆イソフラボンの機能性/健康増進効果や未病対策効果を得られると考えられます。




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地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。



ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果

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posted at 23:56 | この記事のURL
大豆の摂取による乳がんリスク低下作用:30万人の前向き研究とメタ解析 [2019年11月29日(金)]
今月の疫学研究の専門ジャーナル(電子版)に、大豆の摂取と、乳がんリスク低下との関連を示した30万人の前向きコホート研究とメタ解析が、中国(Peking University)・英国(University of Oxford)・米国(University of Chicago)のグループから報告されていました。
(Eur J Epidemiol. 2019 Nov 21.)


大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。


先行研究では,大豆製品の摂取による乳がんや前立腺がん、消化器がんのリスク低下作用が示されています。


大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下:高山スタディ


納豆の摂取が心臓病を予防する:高山スタディ


さて、今回の研究では、

大豆摂取量と乳がんリスクとの関連について、大豆の用量依存性に関する検証が行われました。


具体的には、

China Kadoorie Biobank(CKB)研究からのデータを用いて、

2004年から2008年の間に登録された中国の10の地域の30〜79歳の30万人以上の女性を対象に、

2016年12月31日まで乳がんイベントの追跡調査が行われました。



大豆摂取に関する情報は、登録時に収拾されています。

また、用量依存性のメタ解析のために、

関連する前向きコホート研究も検索されました。




CKB研究での女性の平均大豆摂取量は、

9.4±5.4mg /日の大豆イソフラボン相当量でした。

10年間の追跡調査で、2,289人の女性が乳がんを発症しました。


多変数調整相対リスクは、

大豆イソフラボン摂取四分位の最高群(19.1 mg /日)は、

最低群(4.5 mg /日)に比べて、

1.00(95%CI 0.81-1.22)でした。

次に、

前向きコホート研究のメタ解析では、

大豆イソフラボン摂取量が10 mg /日増加するごとに、

乳がんのリスクが3%(95%CI 1-5%)減少するという相関が見出されました。


CKBの研究から、中程度の大豆摂取は、中国人女性の乳がんリスクと関連していないことが示唆されることから、

大豆の摂取量が多いほど、乳がんの予防に合理的なメリットがもたらされる可能性が考えられます。




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エクオールは、イソフラボンよりも高い生物活性を有しており、

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ただし、
エクオールの体内産生には、腸内細菌叢が関与するため、エクオールを産生できる人とそうではない人がいることがわかっています。

日本人でエクオールが産生できるのは、50-60%程度です。

また、食習慣の変化により、若年者では、エクオール産生者の割合が減少しており、

日本人の若年女性では、20-30%の人しか、エクオールを産生できていないと報告されています。

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ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果

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posted at 23:55 | この記事のURL
葉酸研修会@平塚市 [2019年11月28日(木)]
今日、平塚市保健センターで、葉酸研修会が開催されました。

平塚市は、市の施策として、

2018年10月より、

「ひらつかはぐくみ葉酸プロジェクト」を立ち上げ、


健やかな妊娠・出産・産後・成長の支援の取り組みを行っています。

DHCは、平塚市と連携協定を締結しており、

ひらつかはぐくみ葉酸プロジェクトでは、葉酸サプリメントの適正使用の啓発についての協力を行っています。



本日の葉酸研修会の開催に際して、ご尽力いただきました市職員の皆様、

また、お忙しい中、ご参加いただいた皆様に御礼申し上げます。


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ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果

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posted at 23:56 | この記事のURL
クレアチン+HMBサプリメントによる運動能・体組成・筋損傷マーカー及びホルモンに対する影響:系統的レビュー [2019年11月27日(水)]
栄養学の専門ジャーナルに、クレアチン+HMBサプリメントによる運動能・体組成・筋損傷マーカー及びホルモンに対する影響を検証した系統的レビューが、スペインのグループから報告されていました。
(Nutrients. 2019 Oct 20;11(10).)



運動パフォーマンス向上作用において、

クレアチン(creatine monohydrate)およびβ-ヒドロキシβ-メチル酪酸(HMB)に関する多くの研究が知られています。



今回の系統的レビューでは、

クレアチンとHMBを組み合わせて投与することにより、

運動能への作用、

体組成、運動による筋肉損傷のマーカー、たんぱく同化ホルモンに対する作用が検証されました。


具体的には、

主要医学データベースを用いて、
(PubMed/MEDLINE, Web of Science (WOS), and Scopusデータベース)

2019年7月3日までに収載された論文から検索され、

クレアチン+HMBによる運動能への作用を調べた6報が解析の対象となりました。


解析の結果、

まず、
筋力パフォーマンスについての2報では、

1報が改善を示しました。

また、

無酸素運動についての3報中、2報で改善が示され、


有酸素運動についての1報では有意な影響は検出されませんでした。


体組成については、

3報が体重を調べており、1報で改善、

2報が除脂肪体重を調べており、1報で増加し、もう1報で減少

という結果でした。

その他、

筋肉損傷マーカーについての4報、

タンパク質同化ホルモンについての1報では、

いずれも有意な効果は検出されませんでした。



以上、今回の系統的レビューから、

1日あたり3-10グラムのクレアチンと、

1日あたり3グラムのHMBを組み合わせて、

1〜6週間投与することにより、

運動能への好影響(筋力向上、無酸素運動能の向上)、

および
4週間投与により、体組成改善(除脂肪体重の増加、体脂肪の減少)

といった作用が示唆されます。




要支援・要介護となる主な原因に、フレイル(高齢による虚弱)があります。

フレイルに関連した病態として、サルコペニア(筋肉減弱症)があげられます。

フレイル/サルコペニアは、高齢者での転倒/骨折の原因となることから、

健康寿命の延伸(要支援、要介護予防)のためには、サルコペニアの予防が重要です


HMB(エイチエムビー、β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸、β-Hydroxy-β-Methylbutyric acid)とは、分岐鎖アミノ酸(BCAA)の1つのロイシンの代謝産物です。

HMBは、体内でロイシンから産生され、筋肉の合成促進と分解抑制因子の作用を有し、筋力の亢進や筋肉量の増大の働きを有しています。

体内でのHMBの生成は、摂取したロイシンの数%ほどと少ないので、サプリメントとしてHMBを利用する方法があります。

HMBが高齢者のサルコペニアを予防する:系統的レビュー



HMB(エイチエムビー)+たんぱく質により退院後の死亡率が半減@低栄養の高齢者

HMB+たんぱく質の栄養補助は費用対効果が高い



HMBの除脂肪体重/筋肉量増加作用



DHCでは、ロイシン由来HMBサプリメントや、ロイシン含有アミノ酸サプリメントを製品化しています。



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高齢者のフレイル(虚弱)予防のためには、たんぱく質、BCAA(分岐鎖アミノ酸)、HMB、ビタミンDといった栄養素の摂取が推奨されます。




フレイル予防にはビタミンDサプリメントが有用:系統的レビュー


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母親が葉酸+微量栄養素サプリメントを摂ると子どもの自閉症リスクが低下 [2019年11月26日(火)]
今月の生殖医療の専門ジャーナル(電子版)に、母親の葉酸+微量栄養素のサプリメント摂取による子どもの自閉症リスクへの作用を検証した疫学研究が、中国のグループ(Children's Hospital of Chongqing Medical University)から報告されていました。
(Reprod Toxicol. 2019 Nov 21.)



葉酸は、妊娠前からの摂取による神経管閉鎖障害の予防だけではなく、妊娠期間中の摂取により、早産リスク低下作用、低出生体重児のリスク低下、妊娠中毒症のリスク低下、自閉症リスク低下といった働きが示されています。


妊娠中の葉酸+マルチビタミンサプリメントが子供の自閉症リスクを減らす:メタ解析


葉酸+マルチビタミンサプリメントが自閉症リスクを半減


さて、今回の研究では、

母親の微量栄養素サプリメントの摂取と、

自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どものビタミンレベルおよび症状との関連が検証されました。

具体的には、

ASDの子ども416名と、対照群201名の子どもが試験に登録されました。


解析の結果、


妊娠中に葉酸および微量栄養素のサプリメントを摂取しなかった母親から生まれた子どもは、

葉酸および微量栄養素のサプリメントを摂った母親からの子どもに比べて、

より深刻な社会的認知障害、社会的コミュニケーション障害、自閉症行動、適応および運動行動の発達遅延、および胃腸の問題が見出されました(P <0.05)。

興味深いことに、

母体の微量栄養素のサプリメント摂取と、

ASD小児のビタミンA、ビタミンD、葉酸のレベルには有意な相関が見出され、
(P<0.05)

これらのビタミン類のレベルは、ASDの症状とも相関していました。

以上のデータから、

母親の葉酸および微量栄養素のサプリメントの摂取は、

子どもの自閉症スペクトラム障害の症状軽減に有用であることが示唆されます。



『天然葉酸』サプリメントは虚偽の表示


葉酸は、妊娠前からの摂取による神経管閉鎖障害の予防だけではなく、妊娠期間中の摂取により、早産リスク低下作用、低出生体重児のリスク低下、妊娠中毒症のリスク低下、自閉症リスク低下といった働きが示されています。

この作用機序として、葉酸によるDNAのメチル化によるメカニズムが考えられています。

葉酸は、DNAへのメチル化供与体となるビタミンであり、母体の低栄養や葉酸不足では、胎児への供給が不足し,これにより胎児のDNAのメチル化修飾が低下します。

その結果、例えば、脂質代謝関連遺伝子PPARのメチル化修飾が低下してその発現が異常に上昇し,これにより少量の栄養でも生き延びられるエネルギー倹約体質が獲得されるといった、葉酸が関与するエピジェネティックな変化に基づく体質変化のメカニズムが分かってきました。




DHCは、
健やか親子21(第2次)の応援メンバーとして参画し、

葉酸サプリメントの啓発と頒布を行っています。

【株式会社ディーエイチシー】
健やかな妊娠と出産のために、 葉酸サプリメントの啓発に取り組んでいます




DHC葉酸サプリメントは、マーケットシェア第1位であり、
一ヶ月30日分は、258円です。


葉酸 30日分

葉酸1日1粒あたり、葉酸400μg、ビタミンB2 1.3mg、ビタミンB6 1.7mg、ビタミンB12 2.5μg
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妊娠を考える女性では、胎児の神経管閉鎖障害リスクを減らすために、合成の葉酸サプリメントの摂取が推奨されています。

また、食事由来の葉酸は不安定であり、吸収率が50%と低いので、合成の葉酸サプリメントの摂取が、厚生労働省により推奨されています。


葉酸サプリメントは、
妊娠の4週間前から妊娠12週までの摂取が薦められていますので、
妊娠がわかってからではなく、妊娠を考えている女性はすべて摂取、となります。
(葉酸サプリメントを1日400マイクログラム)

(日本では母子手帳に葉酸サプリメントの必要性が記載されていますが、そのタイミングでは本来の意図からは遅すぎます。)


エコチル調査に関しては、次の報告があります。

日本での神経管閉鎖障害(二分脊椎症など)の発症率:エコチル調査

葉酸サプリメントを適切に摂取している妊婦はわずか8%!@エコチル調査アップデート



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ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果

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posted at 23:54 | この記事のURL
移動日 [2019年11月25日(月)]
今日は移動日でした。

学会では最前列でしたが、端のほうだったので、写真を撮るとずいぶん斜めになってしまいました。




最終日にはホテルのロビーにクリスマスツリーが飾っていました。


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米国では認知症患者が減少:フラミンガム研究 [2019年11月24日(日)]
認知症の資料を作成していて、米国での認知症減少を示したフラミンガム研究の論文を読んでみました。
(N Engl J Med. 2016 Feb 11;374(6):523-32.)

日本では認知症が増えているとして問題になっていますが、
すでに欧米では認知症が減少していることが報告されています。


米国では認知症が24%も減少:2000年と2012年の比較 



日本では、平均寿命が延び、超高齢社会となったので、認知症の有病率は急上昇する、というような話になっていますが、

欧米の高所得国では年齢別の認知症の発生率が低下していることが示唆されています。


一時的な傾向は、

一貫した診断基準を用いて、
長期にわたり集団を継続的にモニターすることで、
最もよく導きだされます。

そこで、
今回の研究では、

フラミンガム研究(Framingham Heart Study)の参加者において、

30年にわたる認知症の発生率の傾向が調べられました。

Framingham Heart Studyの参加者は、1975年以来、認知症のサーベイランスを受けています。

今回の解析では、
60歳以上の5,205人が対象となり、

年齢と性別を調整したCox比例ハザードモデルを使用して、5年間の発生率が検証されました。

また、4つの時代と年齢、性別、ApoEε4ステータス、および教育レベルとの相互作用が調べられ、

これらの相互作用の影響、血管危険因子と心血管疾患の影響も検討されました。


解析の結果、

年齢および性別を調整後の、

認知症の5年の累積ハザード率は、

最初の時代(1970年代後半から1980年代前半)に100人あたり3.6、

2番目の時代(1980年代後半および1990年代初頭)に100人あたり2.8、

3番目の時代(1990年代後半から2000年代初期)に100人あたり2.2、

4番目の時代(2000年代後半から2010年代初期)に100人あたり2.0でした。


最初の時代での認知症の発生率と比較して、

発生率は2番目、3番目、および4番目の時代に、それぞれ22%、38%、および44%減少しました。

なお、
この認知症リスク低下は、

少なくとも高校卒業以上の教育歴の人の間でのみ見出されました。
(HR, 0.77、95%CI;0.67&#12316;0.88)


なお、
ほとんどの血管危険因子(肥満と糖尿病を除く)の有病率と、脳卒中、心房細動、または心不全に関連する認知症のリスクは時間とともに減少しましたが、

これらの傾向からでは、いずれも認知症の発生率の減少を完全に説明できませんでした。


以上のデータから、

Framingham Heart Studyの参加者の間で、認知症の発生率は30年の間に減少しています。ただし、この減少の要因は完全には特定されていません。




厚生労働省の調査によると、介護が必要になった原因は、第1位が認知症、第2位が脳血管疾患(脳卒中)、第3位が高齢による衰弱です。 (厚生労働省「H28年国民生活基礎調査」) 

したがって、日本人の健康寿命の延伸のためには、認知症、脳卒中、高齢による衰弱(フレイル)への対策が必要となります。

具体的な対策として、ライフステージに応じた適切な食事、適度な運動習慣、適正体重の維持、禁煙といったことは当然といえます。

これらに加えて、現時点でのエビデンス(科学的根拠)を俯瞰するとき、サプリメント・健康食品の適正な利用が、健康寿命の延伸に貢献できる、と著者は考えています。

日本では、超高齢社会となったので、認知症患者が増えるのも仕方がない、と思われるかもしれません。確かに、日本や中国では、認知症患者が増えています。
一方、アメリカやイギリス、スウェーデンなどの先進国では、すでに減少していると報告されています。

葉酸は、悪玉のアミノ酸であるホモシステイン値を抑制することで、動脈硬化や脳萎縮の進行を抑える働きがあります。

葉酸の強化食品やサプリメントの摂取が、認知症や脳卒中を予防することもわかっています。

例えば、アメリカでは、20年以上も前の1998年に、葉酸の食品への添加を法律で義務付けました。

その結果、翌年から脳卒中の死亡率が減少しています。

また、2000年に比べて、2012年の時点で、認知症の有病率が24%も減少しています。

これらの効果を得るための葉酸摂取の基準は、1日当たり400&#13197;です。

なお、日本人の食事摂取基準では、貧血の予防のための推奨量になっており、
240&#13197;という低い値に設定されています。
(推奨値が低い値なので、葉酸は不足していないことになっています。)

しかし、アメリカやWHOでは、400&#13197;が推奨量として設定されており、食事からだけでは、日本人は摂取不足です。

認知症も増えています。

そこで、簡便で確実に葉酸を400&#13197;摂る方法として、葉酸サプリメントの利用をお勧めします。

もちろん、私自身もDHC葉酸サプリメントを毎日とっています


茨城県 境町

お茶特有のカテキンと葉酸のパワーが、これからの生き生きとした毎日を応援します!

D1185 【境町限定】さしま茶+葉酸サプリメント 180日分(30日分×6個)

寄附金額 10,000 円






これまでのたくさんの研究において、
血中ホモシステイン値が低いと、脳卒中や心血管疾患の発症率が低いことが示されています。



葉酸サプリメントで脳卒中が10%低下、心臓病が4%低下:メタ解析


葉酸サプリメントはACE阻害剤との併用で脳卒中を31%低減する

葉酸は、食品にも含まれますが、プテロイルポリグルタミン酸という形であり、利用効率は50%です。

一方、サプリメントに利用されている合成された葉酸は、プテロイルモノグルタミン酸であり、生体での利用効率が85%と高いことが特徴です。


葉酸サプリメントの利用は、中高年の動脈硬化予防の点からも推奨されます。


日本での食事摂取基準では、葉酸は、240&#13197;の摂取が推奨されています。
一方、葉酸代謝にかかわる遺伝子変異により、約16%の日本人では、多めの葉酸摂取が必要です。

そこで、天然型よりも安定して吸収率が高い合成型の葉酸サプリメントを400マイクログラムの摂取が推奨されます。


葉酸 30日分

葉酸1日1粒あたり、葉酸400μg、ビタミンB2 1.3mg、ビタミンB6 1.7mg、ビタミンB12 2.5μg
通常価格

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ラベンダー+ダマスクローズ精油による帝王切開術後の抗不安効果 [2019年11月23日(土)]
今月の補完療法の専門ジャーナル(電子版)に、帝王切開術後の不安に対するアロマセラピー精油の有用性を示した臨床研究が、イランのグループ(Jahrom University of Medical Sciences,)から報告されていました。
(J Complement Integr Med. 2019 Nov 15.)



不安は、分娩中の女性に認められる、最も一般的な心理的反応です。

他の多くの手術と同様に、術後の疼痛も、帝王切開(Cセクション)後に報告されています。


疼痛抑制に関する理論であるゲートコントール説などによると、
痛みと不安との間の関連が示唆されています。

さて、

今回の研究では、

帝王切開後の不安および疼痛の程度に対する、

ラベンダーとダマスクローズのエッセンシャルオイル(精油)を用いたアロマセラピーの有用性が検証されました。

具体的には、
3群でのランダム化試験として、

2017年にイランのジャロムにあるモタハリ病院にて帝王切開を施行された90名を対象に、

介入グループでは、ラベンダーとダマスクローズの精油を使用したアロマセラピーを受けています。

患者は、各エッセンシャルオイルを3滴ずつ別々に含んだ綿球を、10センチの距離で30分間、吸入し、

5分後に、疼痛や不安のVASとSpielberger State-Trait Anxiety Inventory(STAI, 状態‐特性不安尺度)が調べられました。

対照群は、
生理食塩水で同様の方法でアロマセラピーを受けています。



解析の結果、

まず、
介入前では、

痛みと不安の平均重症度に3つのグループ間に有意差はありませんでした(p> 0.05)。


次に、

介入後には、

偽薬群に比べて、

ラベンダーおよびダマスクローズアロマセラピー群では、

疼痛及び不安の平均重症度の有意な変化が見出されました。
(p <0.001)。


なお、
2種類の介入群の間では、

介入後での不安レベルの間に有意差は検出されませんでした。
(p> 0.05)


以上のデータから、

帝王切開術後の不安や疼痛に対して、

ラベンダー精油あるいはダマスクローズ精油の吸入アロマセラピーが有用であることが示唆されます。

(データでは、ダマスクローズエッセンシャルオイルがラベンダーよりも大きな効果を示すことが示唆されています。)




アロマテラピーは、安全性が高く、補完療法として様々な分野に用いられています。



最近の研究では、

アロマセラピーによる認知症改善作用



アロマセラピーによる術後の鎮痛効果



アロマセラピーによるストレス軽減効果@看護師



アロマセラピーによる掻痒改善効果@慢性維持透析患者


も示されています。



なお、

日本では、アロマセラピーの精油(エッセンシャルオイル)は雑貨扱いになっており、
品質が玉石混淆です。


したがって、一定以上の品質を有する、質の高いアロマセラピー製品を選ぶ必要があります。


DHCでは、アロマセラピーの関連製品を扱っています。







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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。



ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果

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posted at 23:54 | この記事のURL
葉酸サプリメントが先天性心疾患と低体重児のリスクを減らす:レビューアップデート [2019年11月22日(金)]
心血管疾患研究の専門ジャーナルに、葉酸サプリメントによる先天性心疾患と低出生体重児のリスクを低減するというレビューのアップデートが、ドイツのグループ(Saarland University Hospital)から報告されていました。
(Cardiovasc Diagn Ther. 2019 Oct;9(Suppl 2):S424-S433.)



妊娠を計画している女性、および妊娠初期の女性は、胎児の先天奇形である神経管閉鎖障害(二分脊椎症や無脳症など)の予防のために、合成葉酸サプリメントの摂取が推奨されています。

葉酸による神経管閉鎖障害の多くの症例の予防効果は、

メタ解析、ランダム化比較試験(RCT)、ヒトでの観察研究および動物での基礎研究から明白です。

また、

妊婦の葉酸サプリメントあるいは母体の葉酸の高い状態は、

先天性心疾患、低出生体重児、早産などの出産リスクを低減することも示されています。


さらに、

先天性心疾患の乳児と小児では、

低葉酸値、高ホモシステイン血症、低ビタミンB12といった葉酸代謝障害の所見を示します。


いくつかの葉酸代謝遺伝子の母体の遺伝子多型は、

先天性心奇形の子供を持つリスクと相関しています。。


葉酸サプリメントが、先天性心疾患のサブタイプに異なる影響を与える可能性も示唆されています。

糖尿病や肥満などのためにリスクが高い女性では、

先天性心疾患の予防のために、

高用量の葉酸(mg/日)を提案した研究も知られています。

ただし、

現在、mgレベルでの葉酸の投与用量が、

妊娠第1期の終わりまで受胎の少なくとも2&#12316;3ヶ月前に推奨されている400&#12316;800 &#181;g / 日よりも有用であることを支持する臨床研究は十分ではありません。



先天奇形である神経管閉鎖障害(二分脊椎症や無脳症など)に対しては、妊娠前からの葉酸サプリメント(1日あたり400&#13197;)による予防/リスク低減効果が知られています。


すでに、神経管閉鎖障害の患児を出産したことがあるハイリスクの妊婦に対しては、400&#13197;の10倍にあたる4,000&#13197;などの高用量が使われます。



妊娠初期の葉酸不足は、胎児の先天奇形を生じることから、

妊娠を考える女性では、葉酸サプリメントの摂取が必須です。

また、葉酸不足や高ホモシステイン血症は、先天奇形だけではなく、不育症、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)、常位胎盤早期剥離、早産のリスクを高めることもわかっています。


DHCは、
健やか親子21(第2次)の応援メンバーとして参画し、

葉酸サプリメントの啓発と頒布を行っています。

【株式会社ディーエイチシー】
健やかな妊娠と出産のために、 葉酸サプリメントの啓発に取り組んでいます




DHC葉酸サプリメントは、マーケットシェア第1位であり、
一ヶ月30日分は、258円です。


葉酸 30日分

葉酸1日1粒あたり、葉酸400μg、ビタミンB2 1.3mg、ビタミンB6 1.7mg、ビタミンB12 2.5μg
通常価格

\239(税込\258)




パーフェクトサプリ ビタミン&ミネラル 妊娠期用 30日分【栄養機能食品】
妊婦さんが摂りたい栄養素・成分がこれ1つ! すこやかな妊娠期のために




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ママと赤ちゃんが摂りたい栄養素・成分がこれ1つ! 授乳期の健康のために






妊娠を考える女性では、胎児の神経管閉鎖障害リスクを減らすために、合成の葉酸サプリメントの摂取が推奨されています。

また、食事由来の葉酸は不安定であり、吸収率が50%と低いので、合成の葉酸サプリメントの摂取が、厚生労働省により推奨されています。


葉酸サプリメントは、
妊娠の4週間前から妊娠12週までの摂取が薦められていますので、
妊娠がわかってからではなく、妊娠を考えている女性はすべて摂取、となります。
(葉酸サプリメントを1日400マイクログラム)

(日本では母子手帳に葉酸サプリメントの必要性が記載されていますが、そのタイミングでは本来の意図からは遅すぎます。)


エコチル調査に関しては、次の報告があります。

日本での神経管閉鎖障害(二分脊椎症など)の発症率:エコチル調査

葉酸サプリメントを適切に摂取している妊婦はわずか8%!@エコチル調査アップデート




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posted at 23:56 | この記事のURL
亜麻仁・フラックスシードによる抗炎症作用:メタ解析 [2019年11月21日(木)]
今月のサイトカイン研究の専門ジャーナルに、亜麻仁・フラックスシードによる抗炎症作用を示した系統的レビュー/メタ解析が報告されていました。
(Cytokine. 2019 Nov 15;126:154922.)



オメガ3系必須脂肪酸には、

えごま油や亜麻仁油に含まれる植物性の脂質であるα-リノレン酸、

魚油に含まれるEPAやDHAがあります。


α-リノレン酸は、体内でEPA、DHAに変換されますが、その効率は非常に低く、臨床的には、オメガ3系脂肪酸として魚油であるEPAやDHAを摂るほうが有用性が高いと考えられます。


今回の系統的レビュー/メタ解析では、

成人において、亜麻仁・フラックスシード投与による血管の接着分子と炎症性サイトカインへの作用が検証されました。

具体的には、主要医学データベースを用いて、
(PubMed、Scopus、Web of Science、Google Scholar)

2019年5月までに収載された論文から、

亜麻仁フラックスシードを投与して、

CRP、IL-6、TNF-α、血管細胞接着タンパク質1(VCAM-1)、E-セレクチン、および細胞間接着分子1(ICAM-1)を調べたランダム化比較試験が検索されました。

2,520人の被験者を含む40報のRCTが解析の対象となりました。


メタ解析の結果、

まず、

亜麻仁の投与により、

CRP値の有意な低下
(WMD = -0.387 mg / L; 95%CI:-0.653、-0.121、p = 0.004)、

IL-6値の有意な低下、
(WMD = -0.154 pg / Ml ; 95%CI:-0.299、-0.010、p = 0.036)、

および
VCAM-1の有意な低下
(WMD = -22.809 ng / ml; 95%CI:-41.498、-4.120、p = 0.017)

が見出されました。

なお、
TNF-α
(WMD = -0.077 pg / mL; 95%CI:-0.317、0.163、p = 0.530)、

ICAM-1
(WMD = -8.610 ng / ml; 95%CI:-21.936、4.716、p = 0.205) 、

および
E-セレクチン(WMD = -1.427 ng / ml; 95%CI:-4.074、1.22、p = 0.291)。

では有意な変化は検出されませんでした。

以上、今回の系統的レビュー/メタ解析では、

亜麻仁・フラックスシードの摂取による接着因子関連指標の改善、炎症性サイトカイン類の抑制作用が示唆されます。




外来診療の際には、
ココナッツオイル、エゴマオイル、亜麻仁油など、いろいろな脂質について質問を受けます。

現時点のエビデンスを俯瞰するとき、

地中海食で利用されるオリーブオイルが最も有用です。


ココナッツオイルは、そこまでの有用性のデータはありませんし、

エゴマオイルや亜麻仁油は、植物性オメガ3であるαリノレン酸として特長的ですが、

臨床研究にしても疫学研究にしても、オリーブオイルほどのエビデンスはありません。



えごまや亜麻仁油ではなく魚油が脂質代謝を改善し炎症を抑制する



最近、日本でも、えごま油が、植物性オメガ3系脂肪酸を含む食用油として販売されています。

しかし、無駄に高価であり、かつ、エビデンスレベルは、抗炎症作用や抗アレルギー作用が予備的な研究で示されている程度です。

EPAやDHAについては、はるかに多くのエビデンスが構築されており、青魚の摂取やサプリメントの利用によって摂ることができます。

また、調理オイルとしては、
えごま油や亜麻仁油よりも、
エクストラバージンオリーブオイルの有用性が確立しています。



近年の研究では、
単なるオリーブオイルではなく、
オリーブ由来のポリフェノールが豊富なエクストラバージンオリーブオイルのほうが、優れた機能性を有することが分かってきました。


ただし、日本では、JAS基準のオリーブオイルが出回っており、エクストラバージンオリーブオイルの品質が国際基準と比べて、高くありません。


エクストラバージンオリーブオイルの基準は、
IOC(国際オリーブ協会)では酸度0.8%以下、
JASの基準では酸度が2%未満です。


DHCのエクストラバージンオリーブオイルは、
酸度はわずか0.2%以下となっています。





地中海食やオリーブオイルの効能については、多くのエビデンスが報告されています。


地中海食で死亡率が半減する



低炭水化物(糖質制限)食と地中海食は低脂肪食よりも有効



オリーブオイルの摂取10gで全死亡率が7%低下



地中海食がメタボを抑制



バージンオリーブオイルとナッツ類を含む地中海食の抗炎症作用



バージンオリーブオイルの心臓病予防作用



オリーブオイルによる皮膚の老化抑制作用



地中海食による認知症予防効果



地中海食+CoQ10サプリによる抗酸化作用



超低炭水化物・地中海食による減量効果




地中海食による高尿酸血症リスクの低下



オリーブオイルによる動脈硬化抑制作用



バージンオリーブオイルによる骨代謝改善作用




オリーブオイルとナッツによる心血管リスク低下作用



伝統的地中海食による脂質代謝改善作用



オリーブオイルによる膀胱がんリスク低下





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posted at 23:53 | この記事のURL
ビタミンD+オメガ3系脂肪酸が、がん死亡率を低下:VITAL研究+メタ解析 [2019年11月20日(水)]
今月の分子生物学の専門ジャーナルに、ビタミンD+オメガ3系脂肪酸投与研究のVITAL研究のアップデートと、ビタミンDの有用性に対するメタ解析が、米国のグループ(Harvard Medical School)から報告されていました。
(J Steroid Biochem Mol Biol. 2019 Nov 13:105522.)

ビタミンDは、抗炎症作用を有しており、生活習慣病の予防効果が示唆されています。

オメガ3系必須脂肪酸(EPAやDHA)による動脈硬化性疾患の予防効果は確立しています。


VITAL研究(VITamin DおよびOmegA-3 TriaLとは、

ビタミンD3(2000 IU/日)とオメガ3系必須脂肪酸(1g/日)を用いた2×2のランダム化偽薬対照試験であり、

がんと心血管疾患の一次予防を目的として、

米国の50歳以上の男性と、55歳以上の女性の合わせて、

25,871 名(アフリカ系米国人を5,106名含む)を対象として、

5.3年間(中央値)の介入が行われています。

解析の結果、

まず、

ビタミンDは、

主エンドポイントである浸潤がんの総発生率には有意な低下を生じませんでした。
(HR = 0.96, 95%CI 0.88-1.06)

しかし、
総がん死亡率において、17%の低下傾向が見出されました。
(HR = 0.83 [0.67- 1.02])

この相関は、

特にフォローアップの最初の年を除外すると、

21%の有意な低下となり、
(HR = 0.79 [0.63-0.99])

また、最初の2年を除外すると
25%の有意な低下という相関でした。
(HR = 0.75 [0.59-0.96])

(先行の交絡因子を除外し、かつ、介入による効果の潜時を考慮するために、最初の1年、あるいは2年分を解析から外すことでより顕著な相関が見出されたことになります。)


一方、

ビタミンDは、

主要心血管イベントや
(HR&#8201;=&#8201;0.97 [0.85-1.12]),

その他の心血管系エンドポイント、

あるいは全死亡率では
(HR&#8201;=&#8201;0.99 [0.87-1.12])

有意な低下作用は示しませんでした。


VITAL研究を含む他の最近のビタミンD臨床試験についての最新のメタ解析では、

がん死亡率の減少が見出されました。

一方、がんの発生率及び心血管疾患のエンドポイントでは有意な低下は検出されませんでした。

今後、どのような状態の個人がビタミンDサプリメントによる疾病予防効果を最も享受できるか、さらに研修が期待される分野です。



近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。


一般に、
健康保持や疾病予防の目的で利用されるビタミンD3サプリメントの摂取量は、
1日あたり
25マイクログラム(1,000IU)から50マイクログラム(2,000IU)です。


ビタミンDは、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な作用を有する脂溶性ビタミンの1種です。

多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。



日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果


が知られています。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。


日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。


たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足


血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い

というデータがあります。




DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、

臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、

という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。




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posted at 23:54 | この記事のURL
青少年期のベジタリアン食:ドイツ小児科学会ポジションペーパー [2019年11月19日(火)]
今月の小児科学の専門ジャーナルに、青少年期のベジタリアン食に関するポジションペーパーが、ドイツ小児/青年医学会(German Society for Paediatric and Adolescent Medicine, DGKJ)から報告されていました。
(Mol Cell Pediatr. 2019 Nov 12;6(1):4.)


欧米諸国では、

ベジタリアン食は、

非ベジタリアン食と比べて、

エネルギー、飽和脂肪酸、動物性タンパク質の摂取量が少なく、

食物繊維やファイトケミカルの摂取量が多いとされています。

ベジタリアン食については、日本ではまだ多くの

一般に、
植物性食品を中心とするベジタリアン食では、
抗酸化作用や抗炎症作用を含む機能性食品素材により、がんをはじめとする生活習慣病の予防効果が考えらます。



これまでの多くの研究によって、ベジタリアン食摂取群では、非ベジタリアン食摂取群よりも、生活習慣病リスクが低いことが知られています。


ベジタリアン食が糖尿病を改善する:メタ解析



肉食による環境問題に対する消費者の行動:系統的レビュー




ベジタリアン食による心血管疾患リスク低下作用



ベジタリアン食による血圧低下作用@メタ解析




欧米の研究では、

ベジタリアンは、

非ベジタリアンよりも、

社会経済的地位が高いことが多く、身体活動が高い健康志向のライフスタイルを有し、禁煙週間も少ないことが知られています。


一般に、
成長期の青少年での栄養需要は、

バランスの取れた植物性食品の食事で充足できます。

ただし、

体重1キログラムあたりの栄養所要量が高いため、

ベジタリアンの子供は、ベジタリアンの成人よりも

栄養不足を発症するリスクは高いと考えられます。




例えば、
ベジタリアン食では、

オメガ3脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)などの一部の栄養素の平均摂取量が、非ベジタリアン食やペスコベジタリアン食よりも低くなります。

また、

鉄や亜鉛などの他の栄養素では、フィチン酸塩や食物繊維が多いと、

植物性食品からのバイオアベイラビリティが低下します。

したがって、

ベジタリアン食では、
ビタミンCの摂取量が多いにもかかわらず、

鉄欠乏症のリスクを高めることもあり得ます。



さらに、

ビタミンB12は、動物性食品にのみ含まれています。


ビタミンB12は、動物食品をとらず、厳格なビーガンダイエットを行うすべての年齢層の人々ではサプリメントとして摂取する必要があります。



小児期および青年期でのベジタリアン食には、

必要に応じて、適切にトレーニングをうけた食事の専門家と連携して、

小児科医による適切な情報とアドバイスが必要です。




アメリカ栄養士会(栄養と食事のアカデミー)の機関ジャーナルに、ベジタリアン食に関するポジションステートメントが掲載されています。

--- 米国・栄養と食事のアカデミー(Academy of Nutrition and Dietetics、前米国栄養士会から改名)は、
「適切に準備されたベジタリアン食及びビーガン食は、健康的であり、栄養学的に十分であり、いくつかの病気の予防や治療のために、健康上の好影響をもたらす、」
と考えます。

-- ベジタリアン食は、ライスサイクルのすべてのステージ、妊娠中、授乳中、乳幼児、小児、青少年、高齢者、アスリートのいずれにも適切です。

-- 植物性食品を中心とする食事は、動物性食品を多く摂る食事に比べて、より環境的に持続可能なものです。
(more environmentally sustainable)
 その理由は、より少ない天然資源を利用するため、環境負荷がより少ないことです。

-- ベジタリアン食およびビーガン食は、虚血性心疾患、2型糖尿病、高血圧、あるタイプのがん、肥満といった、いくつかの疾患のリスクを低下させます。

-- 飽和脂肪酸の摂取が少なく、野菜・果物・全粒穀類、豆類、大豆製品、種実類(これらはいずれも食物繊維とファイトケミカルが豊富)の摂取が多いことが、ベジタリアン食やビーガン食の特長であり、このため、総コレステロール値やLDL(悪玉)コレステロールが低く、血糖コントロールにも好影響を与えます。
これらの要因が、慢性疾患リスク低減に寄与します。

-- ただし、ビーガン食は、信頼性の高い、ビタミンB12の供給源(強化食品やサプリメント)の利用が必要です。


拙著でもベジタリアン食について、まとめています。

ときどきベジタリアン食のすすめ ビーガン、マクロビオテックから総合栄養学まで






なお、ベジタリアン食であれば何でも健康的になる、というわけではありません。


(例えば、野菜はナシで、パスタにチーズ、パンの組み合わせでも、ラクトオボにはなりますが。)


もちろん、栄養学的にバランスの取れた、適切なベジタリアン食を摂取することが重要です。



一般に、植物性食品の摂取が多いベジタリアン食では、ファイトケミカル・ポリフェノールの摂取が多く、抗酸化作用を介した生活習慣病の予防効果が想定されます。


北米の栄養士会が共同で発表した見解によると、「適切に準備されたベジタリアン食は、健康に有益であり、必要な栄養素を満たしており、いくつかの疾患の予防や治療にも利点がある」とされています。


実際、これまでの疫学研究によって、肉食をする人々に比べて、ベジタリアンでは生活習慣病が少ないことが示されています。

ベジタリアン食による具体的な効果として、肥満、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、高血圧、脂質異常症、糖尿病、前立腺がん、大腸がんの発症リスクが低下します。

また、日本人ベジタリアンを対象にした調査でも、ベジタリアンは、非ベジタリアンと比べて、体格指数(BMI)、血圧、血中総コレステロール値、中性脂肪値が有意に低いことが見出されています。




DHCでは、良質の植物性食品として、
次のような関連製品を取り扱っています。



DHC発芽玄米



DHC発芽玄米麺



エクストラバージンオリーブオイル





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還元型コエンザイムQ10が血管内皮機能を改善@慢性心不全患者 [2019年11月18日(月)]
今月の循環器学の専門ジャーナル(電子版)に、慢性心不全患者において、還元型コエンザイムQ10サプリメントによる血管内皮機能の改善作用を示した臨床研究が、横浜市立大学のグループから報告されていました。
(Am J Cardiovasc Drugs. 2019 Nov 12.)


血管内皮機能不全は、慢性心不全患者の予後不良と関連しています。

還元型コエンザイムQ10(ユビキノール)は、慢性心不全患者などの有病者における有用性が報告されています。

(その昔、日本で心不全治療薬としても認可されたコエンザイムQ10は、酸化型です。サプリメントでは、酸化型も還元型もあります。)

心疾患患者では、コエンザイムQ10は必須のサプリメントです。




さて、
今回の研究では、

駆出率の低下(HFrEF)を伴う心不全患者において、

ユビキノールサプリメントの投与による末梢血管内皮機能への作用が検証されました。


具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照クロスオーバー法にて、

安定した状態のHFrEF患者14人を対象に、

ユビキノール400 mg /日
あるいは
偽薬のいずれかが3ヶ月間投与されています。

1ヶ月のwashoutでクロスオーバーが行われました。

各介入の前後で、

RHI(Reactive Hyperemia Inde, 反応性充血指数)にて、末梢血管内皮機能が評価され、

RHIの自然対数(LnRHI)で解析が行われています。



解析の結果、


LnRHIを指標とした末梢血管内皮機能は、

3ヶ月間のユビキノール(400 mg /日)により改善傾向が見出されました。
(p = 0.076)



また、

RHI値は、介入前に比べて、ユビキノール投与後で有意な改善を示しました。
(RHI 1.57前[四分位範囲(IQR)1.39-1.80]、RHI 1.74後[IQR 1.63-2.02]、p = 0.026)

一方、偽薬群では有意な変化は認められませんでした。
(RHI 1.67より前[IQR 1.53-1.85]、RHI 1.51より後[IQR 1.39-2.11]、p = 0.198)。


以上のデータから、

駆出率の低下した慢性心不全患者において、

ユビキノール(還元型コエンザイムQ10)400mgの投与による末梢血管内皮機能の改善作用が示唆されます。

今後、補完療法としての臨床的意義の検証が期待されます。





生活習慣病や慢性消耗性疾患の患者では、同年代の健常者に比べて、内在性コエンザイムQ10が減少していることも示唆されています。


サプリメントのコエンザイムQ10には、酸化型コエンザイムQ10であるユビキノンと、

還元型コエンザイムQ10のユビキノールの2種類があります。

酸化型CoQ10は、摂取後に体内で還元型に変換されて、作用します。




コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。




還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。



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グリーンコーヒー豆抽出物による糖代謝への作用:介入研究のメタ解析 [2019年11月17日(日)]
今月の糖尿病研究の専門ジャーナルに、グリーンコーヒー豆抽出物による糖代謝への作用を調べたメタ解析が報告されていました。
(Diabetol Metab Syndr. 2019 Nov 5;11:91.)


グリーンコーヒー豆は、未焙煎のコーヒー豆であり、予備的な先行研究によって、グリーンコーヒー豆由来ポリフェノールによる減量効果が示唆されています。

(数年前に、アメリカでブームになり、予備的な臨床試験で、一定の有用性が示唆されてきました。)

コーヒー豆に含まれるポリフェノールのクロロゲン酸は、焙煎の過程で減少するため、
未焙煎のグリーンコーヒー豆由来抽出物のほうが、高い機能性を示す、という考えです。

なお、コーヒーの摂取による生活習慣病のリスク低下作用もよく知られています。


さて、今回のメタ解析では、介入研究を対象に、グリーンコーヒー豆抽出物による糖代謝への作用が検証されました。


具体的には、
主要医学データベースを用いて、2018年12月までに収載された論文から、
(PubMed、Scopus、Google Scholar)

グリーンコーヒー抽出物(GCE)の投与と

空腹時血糖値(FBG)、インスリン値、インスリン抵抗性(HOMA-IR)を調べた臨床研究が検索され、

6報がメタ解析の対象となりました。


メタ解析の結果、

GCE投与により、

FBGの有意な低下が認められました。
(SMD:-0.32、95%CI-0.59から-0.05、P = 0.02)




なお、
インスリン値では有意な影響は検出されませんでした。
(SMD:-0.22、95%CI -0.53から0.09、P = 0.159)



また、
GCE投与では、HOMA-IRでの有意な変化は検出されませんでしたが、
(SMD: -0.30, 95% CI -0.73 to 0.13, P&#8201;=&#8201;0.172)

GCEの投与量別の層別解析では、

400mg以上のGCG投与群において、

HOMA-IRの有意な低下(改善)が見出されたということです。


以上、今回の系統的レビュー/メタ解析から

グリーンコーヒー豆抽出物による糖代謝改善作用が示唆されます。


今後、費用対効果も含めて、
糖尿病に対する補完療法としての臨床的意義の検証が期待されます。





DHCでは、下記のサプリメントを製品化しています。


ガルシニア、



ダイエットパワー、



フォースコリー、



バナバ



主食ブロッカー



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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。



ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果

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母子へのプロバイオティクス投与が小児のアトピー性皮膚炎リスク低減:メタ解析 [2019年11月16日(土)]
今月の皮膚科学の専門ジャーナル(電子版)に、母子へのプロバイオティクス投与による小児のアレルギー性疾患への有用性を検証した系統的レビュー/メタ解析が、オーストラリアのグループ(Royal Children's Hospital, Melbourne)から報告されていました。
(Australas J Dermatol. 2019 Nov 12.)

プロバイオティクスは、アレルギー性疾患のリスク低減や改善に有用です。
(ヨーグルトが花粉症に効く、などが知られています。)

ただし、どのような菌種(の組み合わせ)がどのような疾患に有用であり、かつ、効果発現のための投与期間はどのくらい必要か、などについては、まだ議論があります。

今後、各自の腸内フローラを調べて、各自の体質や病態にあったシンバイオティクスによるアプローチが広がってくると考えられます。


さて、今回の系統的レビュー/メタ解析では、

母親の妊娠中から授乳中に至るまで、母子のプロバイオティクス摂取による小児のアトピー性皮膚炎リスクへの作用が検証されました。

具体的には、

主要医学データベースを用いて関連論文が検索され、
(MEDLINE, Embase, PubMed, Cochrane)


21報が系統的レビュー/メタ解析の対象となりました。


解析の結果、

まず、
菌種別のサブ解析によると、

特定の単一の菌種の投与では、

プロバイオティクスの混合した投与に比べて、

アトピー性皮膚炎リスクへの有用性は検出されませんでした。


今回の系統的レビュー/メタ解析では、

母親に対して、妊娠中から授乳中にかけて、

プロバイオティクスの混合(複数の菌種のプロバイオティクス)投与、
および乳児へのプロバイオティクス投与は、

アトピー性皮膚炎の高リスクの小児及び、
高リスクではない小児のいずれにおいても、

アトピー性皮膚炎の発症率を有意に低下させました。





DHCでは、次のような関連製品があります。

善玉菌ダイエット

プロバイオティクス、シンバイオティクスには免疫調節作用などもあります。

プロバイオティクス・シンバイオティクスが手術部位感染を予防:メタ解析



乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスは、腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスを改善し、免疫調節作用や生活習慣病予防効果を示します。



乳酸菌は、ベーシックなサプリメントとして利用が推奨されます。

様々な乳酸菌が製品化されていますので、自分にあった菌種を選ぶことが大切です。

具体的には、1ヶ月ほど試してみて、整腸作用も含めて体調をみるようにします。
(整腸作用は、乳酸菌の摂取後数日間の間に変化を感じると思います。もし、軟便あるいは下痢傾向になってしまうのであれば、他の菌種に変更します。

また、1-3ヶ月から数ヶ月間のサイクルで菌種をローテーションしてもいいでしょうし、複数の種類を同時にとることも大丈夫です。

ヨーグルトなどの発酵食品でもいいのですが、数百グラムを毎日食べるのは大変ですし、
確実に乳酸菌を摂るには、サプリメントの利用が手軽で続けやすいと思います。




プロバイオティクスは、様々な有用性が示されています。
最近の研究では、次の報告があります。




プロバイオティクスによる脂質異常症改善効果:メタ解析



プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の予防効果:メタ解析




プロバイオティクス摂取による脂質代謝改善作用:メタ解析




腸内環境を整える減量方法:メタ解析


DHCでは、プロバイオティクスとして、


乳酸菌
(届くビフィズスEX 30日分【機能性表示食品】)



ビフィズス菌+オリゴ糖


生菌ケフィア



複合サプリメント(グッドスルー)


乳酸菌EC-12 30日分

5,000億個以上の乳酸菌で好調環境キープと元気な毎日を!


などを製品化しています。



また、プレバイオティクスとしては、


血糖ファイバー 30日分【機能性表示食品】

≪臨床試験済≫食後の血糖値が気になる方に。食後血糖のピーク値を抑える!



があります。



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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
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ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果

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緑茶の摂取による脳卒中リスク低下効果@50万人のコホート研究 [2019年11月15日(金)]
今月の臨床栄養学の専門ジャーナルに、中国の成人における茶の摂取量と脳卒中のリスクの関連を調べた、男女50万人の前向きコホート研究が、中国と英国のグループから報告されていました。
(Am J Clin Nutr. 2019 Nov 11.)


これまでの研究では、

茶飲料の摂取と、脳卒中の予防効果が示唆されています。


日本のコホート研究では、

緑茶による認知症予防効果が示されています。

緑茶が認知症の予防に有用:NILS-LSA


緑茶には、ポリフェノールであるカテキンが含まれており、抗酸化作用を介した生活習慣病の予防効果が知られています。

また、
緑茶には、葉酸が含まれることから、

葉酸によるホモシステイン値の低下による動脈硬化抑制や認知症予防効果も示されています。


さて、
今回の中国での大規模コホート研究では、

茶摂取と脳卒中のリスクとの関連が検証されました。

(China Kadoorieバイオバンクからのデータです)

具体的には、

487,377名のデータを用いて、

試験登録時に、
お茶の消費についての情報(頻度、期間、量、お茶の種類など)が調べられ、

フォローアップが行われました。

430万人年のフォローアップ期間、

38,727例の脳卒中が見出されました。


解析の結果、

まず、

128,280人(26.3%)がほぼ毎日お茶を飲んでいました(男性41.4%、女性15.9%)。

これは、主に緑茶(86.7%)でした。


次に、

茶の摂取量は、脳卒中のリスクと負の用量反応関係が見出されました。
(p<0.001)


また、
お茶の非摂取者と比べて、

時折摂取した群、毎週摂取群、毎日摂取群では、

それぞれ4%リスク低下(0.96、0.94、0.99)、6%リスク低下(0.94,0.90、0.98)、8%リスク低下(0.92,0.89、0.95)

でした。
(脳卒中のタイプでの差はありませんでした。


さらに、

毎日お茶を飲んだ群では、

脳卒中の罹患率は、お茶の消費期間およびお茶の摂取量の増加とともに有意に減少しました(すべてP <0.001)。


これらの負の相関は、緑茶では有意でしたが、他の種類の茶では有意ではありませんでした。

その他、

女性ではなく男性の間で、負の相関が検出され、

同様の負の相関が男性の非アルコール消費者と非喫煙者にも見出されました。


以上のデータから、

お茶、特に緑茶の摂取による脳卒中予防効果が示唆されます。




日本人高齢者(65歳以上)の4人に1人が認知症あるいは認知症予備軍(軽度認知障害)です。

高ホモシステイン血症は、アルツハイマー病や脳血管性認知症のリスクの一つです。

葉酸は、ホモシステインをメチオニンに代謝し、ホモシステイン血症を改善することから、

葉酸の十分な摂取が、認知症のリスク低減低減/予防に有用です。


多目的コホート研究では、日本人の葉酸の摂取源の一つとして緑茶が示されています。
(ただし、ペットボトル飲料は例外です。光により、葉酸が分解されるため、ペットボトルの茶飲料は、葉酸の安定した供給源とはいえません。)

葉酸は、悪玉のアミノ酸であるホモシステイン値を抑制することで、動脈硬化や脳萎縮の進行を抑える働きがあります。

葉酸の強化食品やサプリメントの摂取が、認知症や脳卒中を予防することもわかっています。

例えば、アメリカでは、20年以上も前の1998年に、葉酸の食品への添加を法律で義務付けました。

その結果、翌年から脳卒中の死亡率が減少しています。

また、2000年に比べて、2012年の時点で、認知症の有病率が24%も減少しています。

これらの効果を得るための葉酸摂取の基準は、1日当たり400&#13197;です。

なお、日本人の食事摂取基準では、貧血の予防のための推奨量になっており、
240&#13197;という低い値に設定されています。
(推奨値が低い値なので、葉酸は不足していないことになっています。)

しかし、アメリカやWHOでは、400&#13197;が推奨量として設定されており、食事からだけでは、日本人は摂取不足です。

認知症も増えています。

そこで、簡便で確実に葉酸を400&#13197;摂る方法として、葉酸サプリメントの利用をお勧めします。

もちろん、私自身もDHC葉酸サプリメントを毎日とっています


茨城県 境町

お茶特有のカテキンと葉酸のパワーが、これからの生き生きとした毎日を応援します!

D1185 【境町限定】さしま茶+葉酸サプリメント 180日分(30日分×6個)

寄附金額 10,000 円




これまでのたくさんの研究において、
血中ホモシステイン値が低いと、脳卒中や心血管疾患の発症率が低いことが示されています。



葉酸サプリメントで脳卒中が10%低下、心臓病が4%低下:メタ解析


葉酸サプリメントはACE阻害剤との併用で脳卒中を31%低減する


葉酸は、食品にも含まれますが、プテロイルポリグルタミン酸という形であり、利用効率は50%です。

一方、サプリメントに利用されている合成された葉酸は、プテロイルモノグルタミン酸であり、生体での利用効率が85%と高いことが特徴です。


葉酸サプリメントの利用は、中高年の動脈硬化予防の点からも推奨されます。


日本での食事摂取基準では、葉酸は、240&#13197;の摂取が推奨されています。
一方、葉酸代謝にかかわる遺伝子変異により、約16%の日本人では、多めの葉酸摂取が必要です。

そこで、天然型よりも安定して吸収率が高い合成型の葉酸サプリメントを400マイクログラムの摂取が推奨されます。


葉酸 30日分

葉酸1日1粒あたり、葉酸400μg、ビタミンB2 1.3mg、ビタミンB6 1.7mg、ビタミンB12 2.5μg
通常価格

\239(税込\258)




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止血システムと認知症リスク:系統的レビュー/メタ解析 [2019年11月14日(木)]
血液凝固/血栓線溶研究の専門ジャーナルに、止血システムと認知症リスクとの関連を検証した系統的レビュー/メタ解析が報告されていました。
(Semin Thromb Hemost. 2019 Jul;45(5):514-522)


認知症では、アルツハイマー病が最多であり、日本人では6割から7割に達します。
続いて、脳血管型認知症です。

これらの認知症の発症や進展には、

血管壁の動脈硬化や血栓・線溶系など血管系の因子も関与すると考えられます。

今回の系統的レビュー/メタ解析では、

止血システムの指標と、認知症リスクとの関連が検証されました。


具体的には、

主要医学データベースを用いて、
(Medline (PubMed), Scopus, Web of Science, ScienceDirect, Lilacs, Cinahl, PsycINFO, Cochrane Central Register of Controlled Trials, and Cochrane Database of Systematic Reviews)


2018年4月までに収載された論文から、止血システムと高齢者の認知機能を調べた研究が検索され、


検索された5,278報から、

32報が解析の対象となりました。


被験者の内訳は、

MCI(軽度認知障害)患者485名、

血管性認知症(VD)の568名、

ADアルツハイマー病の1,781名、

認知症ではない2,855名

でした。


解析の結果、

まず、
AD患者では、

血漿フォンウィルブランド因子(VWF)
(SMD:2.53; 95%CI:0.10-4.95)、

D-ダイマー、
(SMD:0.50; 95%CI:0.35-0.66)

プラスミノーゲン活性化因子阻害剤-1
(SMD:3.34; 95%CI:1.01-5.67)、

トロンボモジュリン
(SMD:1.08; 95%CI:0.53-1.62)

およびホモシステイン値
(SMD:0.65; 95%CI:0.15-1.15 )

が増加していました。



また、

血管型認知症患者では、


フィブリノーゲン値
(SMD:0.77; 95%CI:0.13-1.41)、

活性化第VII因子
(SMD:0.36; 95%CI:0.05-0.67)、

第VIII因子
(SMD:0.57; 95% CI:0.22-0.91)、

VWF(SMD:2.34; 95%CI:0.38-4.29)、

D-ダイマー
(SMD:1.14; 95%CI:0.51-1.78)

および

ホモシステイン値
(SMD:2.17; 95%CI: 1.67-2.68)

が増加していました。


その他、

ADでは、

血管内皮機能障害でのマーカーの上昇が認められ、

VDでは凝固系カスケードの関与が示唆されました。




日本人高齢者(65歳以上)の4人に1人が認知症あるいは認知症予備軍(軽度認知障害)です。

高ホモシステイン血症は、アルツハイマー病や脳血管性認知症のリスクの一つです。

葉酸は、ホモシステインをメチオニンに代謝し、ホモシステイン血症を改善することから、

葉酸の十分な摂取が、認知症のリスク低減低減/予防に有用です。

これまでのたくさんの研究において、
血中ホモシステイン値が低いと、脳卒中や心血管疾患の発症率が低いことが示されています。



葉酸サプリメントで脳卒中が10%低下、心臓病が4%低下:メタ解析


葉酸サプリメントはACE阻害剤との併用で脳卒中を31%低減する


葉酸は、食品にも含まれますが、プテロイルポリグルタミン酸という形であり、利用効率は50%です。

一方、サプリメントに利用されている合成された葉酸は、プテロイルモノグルタミン酸であり、生体での利用効率が85%と高いことが特徴です。


葉酸サプリメントの利用は、中高年の動脈硬化予防の点からも推奨されます。


日本での食事摂取基準では、葉酸は、240&#13197;の摂取が推奨されています。
一方、葉酸代謝にかかわる遺伝子変異により、約16%の日本人では、多めの葉酸摂取が必要です。

そこで、天然型よりも安定して吸収率が高い合成型の葉酸サプリメントを400マイクログラムの摂取が推奨されます。


葉酸 30日分

葉酸1日1粒あたり、葉酸400μg、ビタミンB2 1.3mg、ビタミンB6 1.7mg、ビタミンB12 2.5μg
通常価格

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posted at 23:54 | この記事のURL
更年期症状に対するイソフラボンサプリメントの有用性:系統的レビュー [2019年11月13日(水)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、更年期症状に対するイソフラボンサプリメントの有用性を検証した系統的レビューが、台湾のグループ(Mackay Memorial Hospital)から報告されていました。
(Nutrients. 2019 Nov 4;11(11).)



大豆には、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。



今回の系統的レビューでは、

ダイゼイン、ゲニステイン、S-エクオールなどのイソフラボンサプリメントによる更年期症状への有用性が検証されました。


具体的には、主要医学データベースを用いて、関連論文が検索され、

95報の抄録、

68報の論文が解析の対象となりました。


系統的レビューの結果、

イソフラボンサプリメントにより、

ほてりの減少、

腰椎の骨密度(BMD)減少の抑制、

閉経早期の時点での収縮期血圧への好影響、

In vitroでの血糖コントロール改善

といった有用性が見出されたということです。


なお、
イソフラボンサプリメントによる尿路系症状への作用及び認知機能への作用については明確ではありませんでした。


以上の系統的レビューから、

イソフラボンサプリメントによる更年期症状に対する有用性が示唆されます。




大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。


最近の研究として、次の報告が知られています。


大豆の摂取が死亡率を低下:33万人分のメタ解析データ



大豆イソフラボンによる大腸がんリスク低下:メタ解析


大豆イソフラボンによる認知機能改善効果@メタ解析


イソフラボンによる前立腺がんリスク低下作用@日本人男性


大豆の摂取が多いと乳がんリスクが低下@日本人女性


大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下:高山スタディ


納豆の摂取が心臓病を予防する:高山スタディ



DHCでは、大豆イソフラボンプエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの複合サプリメントなどを製品化しています。





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posted at 23:57 | この記事のURL
認知症予防のための社会的ネットワークは量よりも質が大切 [2019年11月12日(火)]
心身医学の専門ジャーナルに、認知症予防のための社会的ネットワークの重要性について、量と質を検証した疫学研究が、フランスのグループから報告されていました。
(Psychosom Med. 2010 Nov;72(9):905-11.)



認知症の予防のためには、食事、運動、社会参加が重要です。


社会参加については、

社会的孤立は認知症リスク

というメタ解析があります。

なお、

サプリメントでは、葉酸のエビデンスが確立しています。


米国では認知症が24%も減少:2000年と2012年の比較 



葉酸サプリメントが軽度認知障害(MCI)を改善する 


葉酸サプリメントによる認知機能改善効果
といった報告があります。

さて、
今回の研究では、

社会ネットワークと、

認知症・アルツハイマー病のリスクが検証されました。


具体的には、

フランスでのコホート研究として、

高齢者3,777名を対象に、

5年ごとに、最大15年間のフォローアップが行われ、

ソーシャルネットワークに関する質問票を記入し、試験開始時に認知症がなく、

2回以上のフォローアップを受けた2,089名が調べられました。

(Paquidコホート研究の一環です。)

試験開始時にて実施されたアンケートでは、

婚姻状況、絆の数、ソーシャルネットワークの性質、満足度、理解されている/誤解されているという認識、および関係の相互関係が調べられました。


解析の結果、

フォローアップ期間中、

認知症461例、

アルツハイマー病373例

が見出されました。


交絡因子で補正後の解析の結果、

まず、

満足度および理解されているという認識と、有意な相関が見出されました。

具体的には、

社会ネットワーク関係に満足していると感じている被験者では、

認知症リスクが23%低い、という有意な相関が認められました。

また、

生涯を通じて、

自らが与えたよりも、

より多くのサポートを受けてきたという被験者では、

認知症リスクが55%低下、

アルツハイマー病リスクが53%低下、

という有意な相関が見出されました。


以上のデータから、

認知症・アルツハイマー病の予防/リスク低減には、

充実した社会的関係性が大切であることが示唆されます。





健康寿命延伸のためには、認知症の予防が最も重要です。

また、フレイル対策では、身体的フレイルの他に、精神的フレイル(認知症やうつ)、社会的フレイル(孤立)が問題になります。

このうち、精神的フレイルである認知症は、社会的フレイルである孤立が一因となる、という研究です。


DHCでは、地方自治体との連携協定に基づく健康づくり施策の一環として、

社会参加を促す取り組みも行っています。




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コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用軽減効果 [2019年11月11日(月)]
薬物療法の専門ジャーナルに、スタチン不耐症の既往のある患者において、コエンザイムQ10投与によるスタチン剤の副作用軽減効果を示した臨床研究が、イタリアのグループから報告されていました。
(Drug Des Devel Ther. 2019 Oct 21;13:3647-3655.)

スタチン剤は、
HMG-CoA還元酵素の働きを阻害し、肝臓におけるコレステロール合成を抑制して、血中LDLコレステロールを低下させる作用を持っています。

一方で、

スタチン剤は、「ミトコンドリア毒」としても知られています。

つまり、

スタチン剤は、CoQ10やヘムAを減少し、ATP産生を抑制することから、

肝障害や筋肉障害を生じると考えられ、

ミトコンドリア毒として知られています。

スタチン服用に伴う筋痛症は、1-3%の患者に生じます。

スタチン剤によるミトコンドリア毒への対策として、

コエンザイムQ10サプリメントの併用が推奨されています。


さて、

今回の研究では、

スタチン不耐症の既往を有する患者において、コエンザイムQ10サプリメントの有用性が検証されました。


具体的には、

スタチン不耐症の白人患者60名を対象に、

スタチン剤中止1ヶ月のwash out期間後に、

CPK値が許容範囲に低下した場合に、

スタチン剤を半分の用量で再開し、

100mgのコエンザイムQ10投与群
あるいは
偽薬投与群の2群について、3ヶ月間の介入が行われました。


解析の結果、

3カ月後の時点で、

筋痛の評価である臨床症状の指標スコアは、

コエンザイムQ10投与群では低下(改善)し、

偽薬群では変化は見られませんでした。



また、VASスコアは、

3カ月後の時点で、

コエンザイムQ10投与群では低下し、

偽薬群では変化は見られませんでした。


その他、

コエンザイムQ10投与群では、

血中のコエンザイムQ10値と、

CPK値、筋痛の臨床スコアおよびVASとの間に有意な負の相関が見出されました。



以上のデータから、

スタチン剤による筋痛といった副作用を有して、スタチン不耐症とされた患者において、

コエンザイムQ10の併用による副作用リスク低減効果が示唆されます。


スタチンによる心筋障害はコエンザイムQ10で改善する




脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、紅麹です。


DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。

(DHC紅麹濃縮エキス末180mgには、モナコリンKが2.7mg含まれています。)



紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。

紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析





医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。

最近では、下記の研究が報告されています。



コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果




スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。

(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、コエンザイムQ10との併用が有用です。)




コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。




還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。


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