生薬学の専門ジャーナル(電子版)に,ピクノジェノールによる急性痔疾患に対する治療効果を示した臨床研究が,イタリアのグループ(G D'Annunzio University)から報告されていました。
(
Phytother Res. 2009 Dec 29.)
ピクノジェノールは,フランス海岸松に由来するフラボノイドを主成分とする機能性食品成分です。
抗炎症作用や抗酸化作用を介して,病気の予防や症状の改善に働きます。
今回の研究では,急性痔疾患に対する,経口および外用のピクノジェノールの働きがランダム化比較試験により検証されています。
具体的には,急性痔疾患のエピソード(48時間以内)を有する84名を対象に,7日間の介入(投与)期間,その後の7日間の観察期間において,ピクノジェノールの作用が評価されました。
その結果,偽薬群に比べて,ピクノジェノール投与群では,急性外痔核における症状関連スコアが有意に減少したということです(p < 0.05)。
0.5%のピクノジェノール外用剤を経口摂取と併用した群では,症状の改善(スコアの減少)がより速やかでした。
さらに,ピクノジェノール投与群では,7日間の投与によって,出血を示す患者がいなくなった(7日間の観察期間も含めて14日間)のに対して,偽薬群では2週間後にも出血を示す患者が認められています。
以上のデータから,ピクノジェノールは,経口摂取および外用にて急性痔疾患の症状改善に有用であることが示唆されます。
作用メカニズムとして,ピクノジェノールの抗炎症作用などが考えられます。
痔疾患に対してピクノジェノールを単独利用することはないと思いますが,補完療法として興味深い報告です。
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