今月のスポーツ栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、抗酸化ビタミンによる運動時の酸化障害抑制作用を示した臨床研究が、スペインのグループ(University of Balearic Islands)から報告されていました。
(
Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2012 Aug 14.)
適度な運動習慣は、健康維持や疾病予防に有用とされる一方、過度な運動負荷は酸化ストレス障害を生じることが知られています。
今回の研究では、抗酸化ビタミンによる運動後の酸化障害への影響が検証されています。
具体的には、男性アマチュア走者14名を対象に、
抗酸化ビタミン(1日あたり152mgのビタミンC+50mgのビタミンE)含有飲料投与群
あるいは
対照群の2群について1ヶ月間の投与が行われました。
(二重盲検法)
1ヶ月の投与終了後、被験者はハーフマラソンレースに参加し、
ハーフマラソンの前後、終了後3時間の時点で採血が行われています。
解析の結果、
偽薬群に比べて、
抗酸化ビタミン投与群では
運動負荷前の好中球のビタミンC値が有意に増加していました(p<0.05)。
運動負荷により、
抗酸化ビタミン投与群では、
好中球ビタミンE値の有意な増加が認められ、
回復期(3時間後)の時点では、
両群ともビタミンC値の有意な低下が見出されています(p<0.05)。
また、運動負荷後、
好中球のカタラーゼおよびグルタチオンペルオキシダーゼの遺伝子発現増加が認められました(p<0.05)。
タンパク質の酸化指標は、
偽薬群のみで、運動負荷後および回復期において有意に増加しています(p<0.05)。
以上のデータから、
運動負荷前の抗酸化ビタミンサプリメントの投与は、
抗酸化酵素関連遺伝子発現に影響を与えることなく、
好中球におけるタンパク質の酸化障害を有意に抑制することが示唆されます。
運動習慣を有する場合には、酸化障害対策として、マルチビタミンやマルチミネラルに加えて、ビタミンC(1,000mg)、コエンザイムQ10(90mg〜)といった抗酸化成分を摂取することが好ましいと考えます。
(今回の研究での投与量はやや少ないような気がします。)
なお、DHCでは、大学との共同研究にて、
DHCのコエンザイムQ10投与によって、
運動負荷時の活性酸素による酸化障害の抑制作用を報告しています。
具体的には、
トレッドミルを用いた60分間の持久走の負荷に際して、運動前の1週間、DHCのコエンザイムQ10 およびビタミンC、ビタミンEを摂取した群では、摂取しなかった群に比べて、尿中8-OHdG値の上昇が抑制(=運動による酸化障害の発生が抑制)されたというデータです。
(欠乏症予防のために最低限必要な摂取量は、マルチビタミンサプリメントに含まれます。)
(一方、今回のような、運動負荷の前に、活性酸素ストレス障害を抑制する目的でとる場合には、マルチビタミンに加えて、ビタミンCやビタミンEは別に摂取することになります。)
------------------------------------------------------------------
医療機関専用サプリメント【DHC FOR MEDIC】(DHCフォーメディック)
医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
【健康食品FAQ】
【DHCの研究開発】
------------------------------------------------------------------