毒性学の専門ジャーナル(電子版)に、糖尿病モデル動物において、マカとヤーコンによる性腺機能および糖代謝改善作用を示した基礎研究が報告されていました。
(
Toxicol Mech Methods. 2013 Mar 14)
マカMaca (学名
Lepidium meyenii)は、南米ペルー原産の生薬の1種で、標高4000メートルの高地に自生しています。
現地の伝統医療において、滋養強壮のために用いられてきました。
基礎研究や予備的なヒト臨床研究では、勃起障害に対する効果が示唆されており、男性向けの機能性食品素材・サプリメントの成分としても知られています。
ヤーコン(yacon, 学名
Smallanthus Sonchifolius)は、南米アンデス地方原産のキク科の植物で、塊根や塊茎が食用に利用されてきました。
塊根には、フラクトオリゴ糖が豊富に含まれます。
また、ヤーコンの葉には、カフェ酸、クロロゲン酸、フェルラ酸といったフェノール類、没食子酸やゲンチジン酸、カフェ酸誘導体であるジカフェオイルキナ酸、セスキテルペン類が見出されており、
基礎研究では、抗酸化作用、抗菌作用、糖尿病や脂質異常症の改善作用が示されています。
さて、今回の研究では、
糖尿病モデル動物において、
マカとヤーコンの併用投与による性腺機能及び糖代謝への影響が調べられました。
具体的には、
正常マウスあるいはSTZ誘導性糖尿病マウスを用いて、
・対照群、
・マカ(黒マカ)投与群、
・ヤーコン投与群、
・マカとヤーコンの混合投与群(90/10, 50/50, 10/90の3種類)
による7日間の介入が行われました。
評価指標として、
血糖値、精子産生能、抗酸化能などが測定されました。
黒マカ投与群、ヤーコン投与群、および両者の混合投与群では、糖尿病マウスにおける高血糖の改善が見出されました。
また、非糖尿病マウスでは、
対照群に比べて、
マカとヤーコンの投与群では、精子産性能の有意な亢進が認められたということです(P<0.05)。
糖尿病マウスでは、
非糖尿病マウスおよび糖尿病マウスの対照群に比べて、
精子産性能の亢進および精子数の増加が見出されました(P<0.05)。
ヤーコンは、マカに比べて、3.05倍のポリフェノール含量であり、高い抗酸化作用が見出されました。
糖尿病マウスでは、
マカとヤーコンの混合投与群において、
血糖値の低下(改善)と性腺機能の改善が示されました。
STZ投与によって、肝臓重量は1.43倍に増加した一方、
マカとヤーコンの投与によって増加が抑制されています。
以上のデータから、
STZ誘導性糖尿病モデルでは、精子産性能の低下や肝障害が生じること、
また、これらの変化は、マカ、ヤーコン、あるいは両者の混合投与によって抑制されることが考えられます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
精液の質や精子機能と機能性食品については、次のような研究が知られています。
コエンザイムQ10による抗酸化作用@男性不妊症
コエンザイムQ10 による男性不妊症の改善作用
特発性精子無力症に対するサプリメントの効果
還元型コエンザイムQ10による精子機能改善作用
コエンザイムQ10 による男性不妊症の改善作用
αリポ酸による精子機能改善作用
ビタミンDによる精子運動機能の改善作用
トンカットアリによる男性のQOLとリビドー改善作用
DHCでは、
マカや
トンカットアリを製品化しています。
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