今月の生殖医学の専門ジャーナルに、ビタミンDと精子運動機能との関連を調べた研究が、デンマークのグループから報告されていました。
(
Hum Reprod. 2011 Jun;26(6):1307-17)
ビタミンD受容体はヒト精子にも発現しており、ビタミンD受容体欠損マウスやビタミンD欠乏動物では不妊症を呈し、精子数の減少や運動能の低下が知られています。
そこで、今回の研究では、ヒト精子における活性型ビタミンD(1,25(OH)(2)D(3))の役割、血中ビタミンD値と精子運動能との関連が調べられました。
具体的には、一般男性300名を対象に、精子の質と血中ビタミンD値について測定し、
(横断的研究)
次に、
男性40名を対象に、細胞内カルシウム、精子運動能、先体反応が調べられています(
in vitro)。
解析の結果、まず横断研究では、
44%がビタミンD欠乏(<50 nM)であり、ビタミンD値は副甲状腺ホルモン値と有意な負の相関を示しました(P < 0.0005)。
血中ビタミンD値は、精子運動能と有意な正の相関を示しており(P < 0.05)、
ビタミンD欠乏(<25 nM)では、運動性が低いという関連が見出されました(P = 0.027)。
また、ビタミンD値が正常の男性に比べて、欠乏している被験者では、正常な形態を示す精子の割合が有意に低くなっています(P = 0.044)。
さらに、
in vitro研究では、細胞内カルシウム、精子運動能、先体反応に関して、活性型ビタミンDとの相関が示されました。
以上のデータから、精子機能の維持におけるビタミンDの重要性が示唆されます。
------------------------------------------------------------------
医療機関専用サプリメント【DHC FOR MEDIC】(DHCフォーメディック)
医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
【健康食品FAQ】
【DHCの研究開発】
------------------------------------------------------------------