今月の補完代替医療の専門ジャーナル(電子版)に、出産時におけるCAM利用状況を調べた研究が、ドイツのグループ(Justus-Liebig-University Giessen)から報告されていました。
(
J Altern Complement Med. 2011 May 9)
欧米では、鍼治療が補完療法のひとつとして広く利用されています。
(一方、日本では、病院やクリニックなどの医療機関で針治療が施術されることは少なく、鍼治療院が街中に別に存在している形態です。)
特に、ドイツでは、ペインコントロール目的での利用が認知されています。
さて、今回の研究では、出産時のCAM利用が調査されました。
具体的には、2001年から2008年にかけて、ドイツでの409,413例の出産が対象となっています。
(Hessian Perinatal Registry [HEPE]という調査です。)
解析の結果、
鍼は3.7%(15,345/409,295) 、
その他のCAMは4.8%(19,507/409,295)
という利用率でした。
CAM利用と関連する因子は、医療機関の種類であり、
また、
高い就業資格を有する女性で、出産時のCAM利用が高い傾向にあったということです。
その他、出産時の鎮痛剤の利用と、CAM利用との間に相関が見出されています。
(CAM利用者では、鎮痛剤の利用が少ないか、あるいは両者に関連はないように思えますが、結果は相関ありということです。)
一方、妊娠や出産に関連したリスクは、CAM利用において重要な因子ではありませんでした。
以上のデータから、論文著者らは、(ドイツ人女性の出産時における)CAM利用の決定因子は、腫瘍学の分野と類似している、と考察しています。
ドイツでの出産ということで鍼治療が調査対象となっていますが、
米国では、妊娠とジンジャー(生姜)の利用、という組み合わせが考えられるかもしれません。
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