サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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サケvs.サプリメント [2011年05月31日(火)]
臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、オメガ3系脂肪酸とセレンの摂取に関して、サケとサケ由来魚油サプリメントを比較した臨床研究が、ニュージーランドのグループ(Massey University)から報告されていました。
(BJN FirstView DOI: 10.1017/S000711451100153X)



サケ(鮭)は、EPADHAなどのオメガ3系必須脂肪酸や、ミネラルのセレンの供給源であり、健康保持に有用な食材と考えられています。



一方、食事で十分にとれない場合に、オメガ3系必須脂肪酸サプリメントも広く利用されるようになりました。


今回の研究では、サケの摂取と、サケ由来魚油サプリメントの摂取時におけるオメガ3系脂肪酸とセレンの状態が調べられています。


具体的には、健康なボランティア44名を対象に、

1.1週間あたり120グラムのサケを2回摂取、

2.1日あたり魚油サプリメントを2カプセル、

3.同4カプセル、

4.同6カプセル

の4群に関して8週間の介入が行われました。


各群のオメガ3系脂肪酸/日は、それぞれ0.82、0.24、0.47、0.69グラムに相当します。
また、セレンは、サケ摂取群は1日あたり7マイクログラム、カプセル群は0.02マイクログラム未満です。


線形回帰分析モデルにて、摂取魚油と、血中オメガ3系脂肪酸およびセレンの値が予測されています。


解析の結果、
赤血球中のオメガ3系脂肪酸は、摂取したオメガ3系脂肪酸量に比例し、予測されたとおりでした。


セレンは、(カプセル群にはほとんど含まれていないため)サケ摂取群にて有意に増加しています(12.2 v. 1.57)。



以上のデータから、オメガ3系必須脂肪酸の摂取には、魚油サプリメント(EPADHA)が補完的に利用でき、サケ摂取の代用になりうることが示唆されます。


なお、サケにはアスタキサンチンが含まれています。


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PCOSに対するビタミンDの効果 [2011年05月30日(月)]
今月の内分泌学の専門ジャーナル(電子版)に、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に対するビタミンDの作用を調べた臨床研究が、オーストリアのグループ(Medical University of Graz)から報告されていました。
(J Endocrinol Invest. 2011 May 24.)


PCOSは、肥満、生理不順、不妊症などを認め、インスリン抵抗性を示す病態です。


ビタミンDに関して、インスリン感受性を改善するというデータが示唆されていることから、今回の研究では、ビタミンDサプリメントの投与によって、PCOSのインスリン抵抗性や糖代謝への影響が調べられています。


具体的には、PCOS患者57名を対象に、1週間あたり20,000 IUのビタミンD3(コレカルシフェロール)を24週間投与し、体組成や糖代謝等に関連した指標が、投与前、12週、24週の時点で測定されました。


46名が試験を完了しています。


血中ビタミンDの指標(25[OH)]D)は、有意に増加しました(p<0.001)。

投与前;28.0±11.0 ng/ml、

12週間後;51.3±17.3、

24週間後;52.4±21.5。



糖代謝指標では、

24週後に、空腹時血糖値と負荷血糖値が有意に低下(p<0.05)、

12週と24週の時点で、Cペプチドが有意に低下(p<0.001)

しています。



さらに、中性脂肪値とエストラジオール値も有意な低下を示しました。
(24週;p=0.001、12週;p=0.022)



このとき、総コレステロール(12週;p=0.008)とLDLコレステロール(12週;p=0.005、24週;p=0.026)は増加しています。


なお、アンドロゲン値には有意な変化は認められていません。


臨床病態の解析では、
被験者46名中14名が、月経不順の改善(月経頻度の改善)を示しています。


また、46名中23名では、(投与前の)無月経の改善が認められました。




以上のデータから、PCOSに対するビタミンDの効果が期待されます。





PCOSには遺伝素因も関与しますので、ビタミンDだけで劇的な効果があるというわけではありませんが、補完療法としてビタミンDの投与には意義があると推察されます。




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がん患者におけるCAM利用状況@アイルランド [2011年05月29日(日)]
今月の腫瘍学の専門ジャーナルに、がん患者におけるCAM(補完代替医療)の利用状況を調べた研究が、アイルランドのグループから報告されていました。
BMC Cancer. 2011 May 24;11(1):196)



これまでに、がん患者の間ではCAM(補完代替医療)が広く利用されていることが知られています。

近年では、西洋医学とCAMを合わせた統合腫瘍学によるアプローチが米国で構築されつつあります。

(従来の西洋医学のみの組み合わせでは、集学的治療と呼ばれます。)



さて、今回の研究では、入院および外来にて、がん患者と対照者、および医療従事者を対象に、質問票を用いた調査が行われました。


具体的には、がん患者291名、がんではない対照ボランティア301名、医療従事者156名の合計676名を対象に解析が行われています。


その結果、

まず、CAM利用率は、

がん患者:29.1%、

対照者:30.9%、

医療従事者:39.7%、

全体:32.5%

というデータが得られています。



また、CAM利用と相関する因子として、

・女性(p<0.001),

・若年世代(p=0.004),

・高い教育水準 (p<0.001),

・高い世帯収入(p=0.001),

・民間医療保険加入(p=0.001)、

・非キリスト教徒 (p<0.001)

が見出されています。



多変量解析では、

女性(p<0.001)、非キリスト教徒 (p=0.001) 、民間医療保険加入(p=0.015)

との相関が示されました。



さらに、
医療従事者の多くが、

自分たちが(がんのCAMに関して)十分な知識を有していない(58.8%)、

(がんのCAMについて)最良のエビデンスについての知識を有していない(79.2%)

と感じていることも見出されています。



その他、自らがCAM利用者である医療従事者は、がん患者にCAM利用を勧めるという関連(p<0.001)も示されました。




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大腸ポリープのリスクを減らす食事 [2011年05月28日(土)]
今月の栄養とがんの専門ジャーナルに、大腸ポリープのリスクと食事についての相関を調べた研究が、米国ロマリンダ大学のグループから報告されていました。
(Nutr Cancer. 2011 May;63(4):565-72.)



大腸ポリープは、大腸腺腫・がんの前段階であり、悪性化のリスクがあります。


(日本では、まず健康診断のスクリーニングとして「便潜血反応」が実施され、陽性であった場合に、大腸内視鏡検査による精密検査が行われます。
大腸ポリープがある場合には、この時点で発見されます。)



大腸がんは、食事の欧米化とともに日本でも増加しており、早期発見も重要ですが、食事の見直しによる予防も大切です。



さて、今回の研究では、大腸ポリープと食事との関連が検証されました。


具体的には、大腸内視鏡を行った被験者2,818名を対象に、大腸ポリープと診断された441例と対照群との間で多変量解析が行われています。

(1976年のAHS-1と、2002年から2005年の AHS-2という2つのコホート研究からのデータです)



交絡因子で補正後、

・調理された緑野菜:1日1回 摂取群は 1週間に5回に満たない群に比べて、24%リスク低下(OR; 95%CI:= 0.59-0.97)、

・豆類:1週間に少なくとも3回摂取する群は、肉類の補正後で33%リスク低下、

・玄米:1週間に1回以上摂取する群は、40%リスク低下、

という関連が見いだされました。


これらの相関は、用量依存的であったということです。




以上のデータから、
調理された緑野菜、豆類、ドライフルーツ、玄米といった食品の摂取によって、大腸ポリープのリスク低下が期待されます。




これまでの多くの研究によって、

獣肉類の摂取による大腸がんリスクの増加が示されており、

赤身の肉や加工肉類の摂取を減らすことが推奨されています。





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一般演題@第11回日本抗加齢医学会総会 [2011年05月27日(金)]
本日、第11回日本抗加齢医学会総会にて、

「セルフケアとしての肥満関連遺伝子検査キットの有用性に関する研究」

として発表いたしました。


DHCの遺伝子検査キットのうち、肥満関連遺伝子検査キットについての報告です。




これまで、遺伝子変異の検出は、医療機関での検査の一環として行われることが多く、自己負担額がかなり高価でした。
これに対して、DHCの遺伝子検査キットは、十分なフォローアップ体制も構築しており、費用対効果の高い方法にしあがっています。


今回の解析から、セルフケアとしての遺伝子検査サービスの活用は、利便性や費用対効果の点から、医療機関における健康支援にとっても有用であると考えられました。


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カルシウムの抗炎症作用 [2011年05月26日(木)]
今月の骨代謝学の専門ジャーナル(電子版)に、カルシウムによる炎症マーカー改善作用を示した予備的な臨床研究が報告されていました。
(Biol Trace Elem Res. 2011 May 24.)



今回の研究では、骨関節症・変形性関節炎における炎症状態に対するカルシウム投与の影響が検証されました。


具体的には、患者72名を対象に、カルシウム(Calcium Fructoborate)あるいは偽薬が2週間投与されています。
(二重盲検ランダム化偽薬対照試験)


60名が試験を完了しました。


変形性膝関節症と診断された患者において、
偽薬投与群と比べて、カルシウム投与群では、
炎症関連マーカー(CRP、フィブリノーゲン、ESR)において好ましい影響が認められたということです。


また、脂質関連マーカー(TG,LDL,HDL等)でも軽度な変化が見出されています。



以上のデータから、変形性膝関節症における炎症の改善にカルシウム(Calcium Fructoborate)投与の有用性が示唆されます。


今後、質の高い臨床試験による検証が期待されます。


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ブドウ種子と前立腺がん予防 [2011年05月25日(水)]
今月の腫瘍学の専門ジャーナルに、サプリメントの摂取と前立腺がんリスクとの関連を調べた研究が、米国のグループから報告されていました。
(Nutr Cancer. 2011 May;63(4):573-82.)



今回の研究では、前立腺がんリスクと、サプリメント摂取との関連が検証されています。



具体的には、50-76歳の男性35,239名を対象に、2000-2002年の開始時点におけるサプリメント利用が調べられました。

(ワシントン州西部におけるVITamins and Lifestyle (VITAL)というコホート研究です。)


進行性前立腺がんが1602例に見出され、サプリメントとの相関が検証された結果、
ブドウ種子サプリメントの摂取と、前立腺がんリスク41%低下との有意な相関が見出されたということです。
(HR 0.59, 95% CI: 0.40-0.86)


この他、コンドロイチン、コエンザイムQ10、魚油、ニンニク、イチョウ葉エキス、高麗人参、グルコサミン、ノコギリヤシとの相関は示されていません。



以上のデータから、論文著者らは、ブドウ種子サプリメントとの相関は見出されるが、前立腺がん予防のために推奨するにはエビデンスが不十分と考察しています。



今回のデータは、相関関係であり、因果関係は不明です。


前立腺がん予防に対しては、カロテノイド系ファイトケミカルの1種であるリコピンが、最もエビデンスが豊富です。




なお、ノコギリヤシは、良性疾患である前立腺肥大症に対して用いられるハーブです。






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CAM利用者における治療と予防に対する対応 [2011年05月24日(火)]
今月の医療サービス研究の専門ジャーナル(電子版)に、米国でのCAM(補完代替医療)の利用者における病気の予防と治療に対する対応を調べた研究が報告されていました。
(Health Serv Res. 2011 May 10.)



研究の目的は、米国のCAM利用者のうち、CAMを疾病の治療に用いたグループと、健康増進に用いたグループに関して、それぞれの特徴や医療サービスの利用状況が調べられています。


具体的には、2007年の全国健康調査(NHIS)において、18歳以上の成人の回答者から

前年にCAMを疾病治療のために利用した973名と、

CAMを健康増進のために利用した3,281名、

さらに、
両方の目的で利用した3,031名を対象にデータ解析が行われました。



その結果、
健康増進目的のCAM利用者は、健康状態や健康的な行動様式(身体的活動性や低い肥満率)といった指標全般において、疾病治療目的のCAM利用者よりも有意に優れていることが見出されています。


また、CAMの非利用者に比べて、CAM利用者は、通常医療サービスの利用率が一般に高いことも示されました。


治療目的でのCAM利用者は、健康増進目的でのCAM利用者よりも、通常医療サービスの利用が顕著に多いことも示されています。



以上のデータから、
CAM利用者は、大きく2グループに分けることができ、医療保健サービスに対する利用状況や対応が異なることが示唆されます。





健康志向の高いグループがCAMも利用し、結果として健康状態が優れていることは推定されやすいと思います。


一方で、治療のためにCAMを利用するグループも存在することは、CAMに関する認知や受容が進んでいることが推察されます。



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ビタミンBとオメガ3系脂肪酸による認知機能維持作用 [2011年05月23日(月)]
今月の臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、ビタミンB群とオメガ3系脂肪酸による認知機能への影響を調べた臨床研究が、フランスのグループ(University of Paris XIII)から報告されていました。
(Am J Clin Nutr. 2011 May 18.)



認知症の予防や改善に対して、ビタミンB群とオメガ3系脂肪酸(EPAやDHA)サプリメントが利用されています。


ビタミンB群については、
脳萎縮進行抑制効果
を示した臨床研究が話題になりました。


オメガ3系脂肪酸では、認知機能の維持や動脈硬化の予防、脳卒中後うつ病の抑制といった作用が知られています。


さて、今回の研究では、ビタミンB群とオメガ3系脂肪酸投与によって、高リスク群の認知機能への影響が検証されています。


具体的には、心筋梗塞や不安定狭心症、虚血性脳卒中などの既往を有する45-80歳の男女1,748名を対象に、

(1)ビタミンB群投与群
(葉酸;560マイクログラム + ビタミンB6;3ミリグラム、 + B12;20マイクログラム)

(2)EPA+DHA:600mg(内訳2:1)

(3)ビタミンB群+オメガ3系脂肪酸の併用投与群

(4)偽薬投与群

の4群での比較が行われました。



(2003年から2009年に行われた「SU.FOL.OM3」(SUpplementation with FOLate, vitamins B-6 and B-12 and/or OMega-3 fatty acidsという研究の一環です。)



4年間の介入後に、認知機能の状態が評価されています。


解析の結果、各群間における有意差は見出されていません。


一方、層別解析では、特定の既往歴や年齢層では、認知機能に対する維持・改善作用が認められています。


例えば、脳卒中既往を有する患者群では、偽薬群に比べて、ビタミンB群+オメガ3系脂肪酸の併用投与群において、
認知機能スコア(側頭葉タスク)低下の有意な抑制が示されています。
(オッズ比0.43; 95% CI: 0.21, 0.86)



以上のデータから、疾患既往を有するハイリスク群において、ビタミンB群やオメガ3系脂肪酸による認知機能の維持作用は、特定の患者群で有意であることが示唆されます。




今後、テイラーメイド栄養学の提供のために、さらにエビデンスの構築が期待されます。




高用量のビタミンB群をDHCのサプリメントで摂るとすれば、
ベーシックサプリメントであるマルチビタミンに、
ビタミンBミックス葉酸を加えることができます。



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肥満者におけるセレンサプリメントの意義 [2011年05月22日(日)]
今月の肥満研究の専門ジャーナル(電子版)に、セレンサプリメントによる肥満者の運動負荷後の抗酸化作用を示した臨床研究が、英国のグループ(University
of Bedfordshire)から報告されていました。
(Obesity (Silver Spring). 2011 May 19.)



肥満および運動負荷は、酸化障害を生じる状態です。


そのため、肥満であることは生活習慣病のリスクになりますし、急激な過度の運動は酸化障害を生じることで好ましくありません。

(定期的な適度な運動は推奨されますが、週末のみの過度の運動は逆効果とされます。)



さて、今回の研究では、セレンサプリメントによって、肥満に関連した酸化ストレスおよび運動に関連した酸化ストレスが抑制されるかどうか、検証されました。



(セレンは、抗酸化作用を有する必須ミネラルの1種です。

抗酸化作用や免疫調節作用を介した抗がん作用が示されており、がん予防の臨床研究にも用いられています。)



具体的には、

正常体重者(BMI 22.80±0.41)と、肥満者(28.00±0.81)を対象に、

ランダム化二重盲検法にて、

セレン(一日あたり200マイクログラムを3週間)

あるいは偽薬

が投与されています。



酸化関連指標として、血中過酸化脂質、SOD、GSH、TAS(総酸化能)が、

安静時、運動前後(70%VO(2)maxを30分)について、

介入の前の0週と12週、介入後の2週と15週において測定されています。


まず、安静時では、偽薬群とセレン投与群では、有意差は示されていません。


次に、肥満者の運動負荷直後では、偽薬群に比べて、セレン投与群で、過酸化脂質の有意な低下が認められています。

(-0.25 ± 0.12 μmol/l, P = 0.05)


ただし、TASやSOD、GSHについては、正常体重者および肥満者群において、偽薬群あるいはセレン投与群での有意差は見出されていません。




以上のデータから、論文著者らは、セレン投与による肥満者の運動負荷時の意義を考察しています。


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高麗人参による筋肉障害抑制作用 [2011年05月21日(土)]
中国医学の専門ジャーナルに、高麗人参による筋肉障害抑制作用を示した臨床研究が、韓国のグループ(Kyungpook NationalUniversity)から報告されていました。
(Am J Chin Med. 2011;39(3):441-50)



高麗人参 (朝鮮人参,学名Panax ginseng)は、東アジアの伝統医療で用いられてきた生薬です。




今回の研究では、高麗人参抽出物投与による運動負荷時の筋肉障害と炎症反応に対する効果が検証されています。


具体的には、男子学生18名を対象に、

高麗人参投与群(n=9)、

偽薬(Agastachis Herba)投与群(n=9)

に分けて、

運動負荷(10km/h、15度のトレッドミル45分間×2回、5分間休憩)が行われました。



高麗人参投与群では、
一日あたり20グラムの朝鮮人参抽出物が一日3回、運動負荷の前7日間と、負荷後4日間投与されています。

(偽薬群も同じスケジュールです。)



指標として、運動前、運動負荷24、48、72、96時間後に、
血中CKとIL-6値が測定されています。
IL-6値は、運動後1時間値と2時間値など回復期も測定されました。


解析の結果、

血中CK値は、偽薬投与群に比べて、高麗人参投与群では、運動負荷72時間後に有意に低値を示し (p < 0.05)、

血中IL-6値は、回復期間の2時間と3時間後に有意な低下を示しました (p < 0.05)。



また、偽薬群に比べて、高麗人参投与群では、血糖値およびインスリン値の反応も有意に低下していたということです。



以上のデータから、高麗人参による運動負荷時の筋肉障害および炎症反応の抑制作用、インスリン感受性の改善作用が示唆されます。




高麗人参は、エゾウコギなどとともにアダプトゲンとしても知られており、幅広い応用が可能です。



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オメガ3系脂肪酸の心機能改善作用 [2011年05月20日(金)]
今月の循環器病学の専門ジャーナルに、オメガ3系脂肪酸による心機能改善作用を示した臨床研究が、オーストリアのグループ(Medical University of Vienna)から報告されていました。
(Am Heart J. 2011 May;161(5):915.e1-9.)



EPADHAなどのオメガ3系必須脂肪酸では、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。




これまでの研究では、一日あたり1グラムのオメガ3系脂肪酸投与によって、慢性心不全患者の生存率改善が示されています。
(GISSI-HF試験)


今回の研究では、オメガ3系脂肪酸による心臓の機能への影響について、用量依存的な検討が行われました


具体的には、重症の非虚血性心不全患者43名を対象に、

一日あたり1グラムのオメガ3系脂肪酸摂取群(n = 14)、

一日あたり4グラムのオメガ3系脂肪酸摂取群(n = 13)、

偽薬対照群(n = 16)

の3群について、3ヶ月間の介入試験が行われています。

(ランダム化二重盲検偽薬対照試験)



心機能関連指標の評価の結果、

まず、左室駆出率は、下記のように、用量依存的な改善を示しました。
(投与前と3ヵ月後の比較)

4グラム投与群;24% ± 7% vs 29% ± 8%, P = .005

1グラム投与群;24% ± 8% vs 27% ± 8%, P = .02



また、血流依存性血管拡張反応(FMD)は、
4グラム投与群では、有意に増加(改善) (8.4% ± 4.8% vs 11.6% ± 7.0%, P = .01)しましたが、
1グラム投与群では、増加傾向でした(8.3% ± 5.3% vs 10.2% ± 4.3%, P = .07)。



炎症惹起サイトカインであるIL-6は、

4グラム投与群で有意に低下(改善);(3.0 ± 2.9 pg/mL vs 0.7 ± 0.8 pg/mL, P = .03)

1グラム投与群で低下傾向;(4.5 ± 6.6 pg/mL to 1.6 ± 2.1 pg/mL, P = .1)

が認められています。



その他、hsCRPやTNF-αは、4グラム投与群では低下(改善)傾向が認められ、1グラム投与群では変化していません。


なお、偽薬群では、これらの指標のいずれにおいても変化は見出されませんでした。



以上のデータから、3ヶ月間のオメガ3系脂肪酸投与は、慢性心不全患者における心機能を改善し、抗炎症作用を示すと考えられます。





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プロポリスの抗酸化作用 [2011年05月19日(木)]
今月の農芸化学の専門ジャーナル(電子版)に、プロポリスの抗酸化作用を示した基礎研究が報告されていました。
(J Agric Food Chem. 2011 May 13)




プロポリスとは、蜜蜂が樹木から集めた植物成分に、蜜蜂の分泌物が合わさって作られた物質です。



主な成分はフラボノイド系ファイトケミカルであり、抗菌作用や抗酸化作用が知られています。

(プロポリスの含有成分は、地域の植生によって異なります。)


さて、今回の研究では、ウルグアイ産プロポリスについて、in vitro系での抗酸化作用が測定されています。


具体的には、ORACを指標として解析された結果、
高いフリーラジカルスカベンジャー作用が見出されたということです(8000 &micro;mol trolox equivalents/g propolis)。


また、ORAC値は、総ポリフェノール含有量に相関しています。


総ポリフェノール量(150 mg gallic acid equivalents/g propolis)やフラボノイド量(45 mg quercetin equivalents/g propolis)は、ブラジル南部産やアルゼンチン産のプロポリスと類似していたということです。


高ポリフェノール含有プロポリスでは、LDLコレステロール酸化阻害作用も示されています。


その他、ウルグアイ産プロポリスによる血管内皮由来NOS発現誘導やNADPHオキシダーゼ阻害作用なども見出されています。



今後、臨床的意義の検証が期待されます。



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サツマイモ葉による脂質代謝改善作用 [2011年05月18日(水)]
今月の臨床栄養学の専門ジャーナルに、サツマイモ葉による脂質代謝改善作用を示した臨床研究が、日本のグループ(Ochanomizu University)から報告されていました。
(J Clin Biochem Nutr. 2011 May;48(3):203-8.)



これまでの基礎研究では、ムラサキサツマイモ(アヤムラサキ、学名Ipomoea batatas L)のアントシアニン類によるLDLコレステロール低下作用などが知られています。


今回の研究では、サツマイモ葉によるLDL酸化への作用が、in vitroおよびヒト臨床研究にて調べられました。


まず、8種類のサツマイモ葉を検証し、それらがポリフェノールを豊富に含み、スカベンジャー活性を有し、LDL酸化抑制作用を示すことが見出されています。


次に、健康な被験者13名を対象に測定したところ、サツマイモ生葉の18グラム摂取にて、LDL酸化抑制が見出されたということです。


以上のデータから、サツマイモ葉による脂質代謝改善作用が示唆されます。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。



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セレンサプリメントによる脂質代謝改善作用 [2011年05月17日(火)]
今日付けの内科学の専門ジャーナル(電子版)に、セレンサプリメントによる脂質改善作用を示した臨床研究が報告されていました。
(17 May 2011; Vol. 154, No. 10 Annals of Internal Medicine)



セレンは、抗酸化作用を有する必須ミネラルの1種です。


抗酸化作用や免疫調節作用を介した抗がん作用が示されており、がん予防の臨床研究にも用いられています。


さて、今回の研究では、セレンサプリメントによる脂質代謝への影響が検証されました。


具体的には、ランダム化偽薬対照試験として、イギリスの4施設において、

60-74歳のボランティア501名を対象に、

1日あたり100マイクログラムのセレン(n = 127)

200マイクログラムのセレン(n = 127)

300マイクログラムのセレン(n = 126)



セレン高含有酵母として、

あるいは、

酵母ベース偽薬(n = 121)

として、

各群6ヶ月間の投与が行われています。




アウトカムは、コレステロール値など脂質代謝関連指標です。


解析の結果、

まず、血中セレンの平均値は、投与前には88.8 ng/g (SD, 19.2)であったものが、セレン投与によって有意に増加しています。

(当たり前ですが、サプリメントから吸収されて、ということになります。)
(日本の都市伝説では、健康食品は吸収されない云々といったことを耳にします。)


次に、偽薬群に対してセレン投与各群での総コレステロール値の変化は、

セレン100マイクログラム;-0.22 mmol/L (-8.5 mg/dL) (95% CI, -0.42 to -0.03 mmol/L [-16.2 to -1.2 mg/dL]; P = 0.02)、


セレン200マイクログラム;-0.25 mmol/L (-9.7 mg/dL) (CI, -0.44 to -0.07 mmol/L [-17.0 to -2.7 mg/dL]; P = 0.008)、


セレン300マイクログラム;-0.07 mmol/L (-2.7 mg/dL) (CI, -0.26 to 0.12 mmol/L [-10.1 to 4.6 mg/dL]; P = 0.46)

であり、

セレン投与によって有意な低下(改善)が見出されました。


また、非HDLコレステロール値も、同様に、低下(改善)が示されています。


一方、HDLコレステロール値は、

100マイクログラムと200マイクログラム投与群では、有意差は認められませんでしたが、

300マイクログラム投与群では、有意な増加(改善)が示されました(0.06 mmol/L (2.3 mg/dL) (CI, 0.00 to 0.11 mmol/L [0.0 to 4.3 mg/dL]; P = 0.045))。



その他、総コレステロール/HDL比は、セレンの用量依存的な低下(改善)を示しています。
(overall P = 0.01)




以上のデータから、セレンサプリメントは、血中コレステロール代謝に関して、有意な改善作用を示すと考えられます。



なお、このジャーナルは、メインストリームの専門誌(つまり、栄養成分を含むサプリメントの投与で、病気を予防するよりは、病人が増えて薬が売れるほうが儲かるビジネスモデルのジャーナル)です。

そのため、論文の考察として、「セレンサプリメントを脂質異常症に用いることを正当化するものではなく、臨床的意義は不明」と記載しています。

(ネガティブデータのみを喧伝することが多い中で、とりあえずポジティブデータを掲載しただけでも進歩かもしれません。)





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ココアによる脂質代謝改善作用 [2011年05月16日(月)]
今月の臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、ココアによる脂質代謝改善作用を示した臨床研究が、スペインのグループ(University of Barcelona)から報告されていました。
(Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2011 May 5)



カカオにはポリフェノール類が含まれており、チョコレート(ダークチョコレート)やココアなどポリフェノール含有量の多いカカオ製品による機能性が知られています。


これまでの疫学研究や臨床試験では、高血圧症の改善、心血管疾患(動脈硬化性疾患)リスクの低減、抗がん作用などが報告されています。



今回の研究では、ココアの摂取による脂質代謝への影響が調べられています。


具体的には、脂質異常症リスクを示す被験者42名(男性19名、女性23名、平均年齢69.7)を対象に、

40グラムのココア末+500mLのスキムミルク/日

あるいは

500mLのスキムミルクのみ/日

の2種類の介入が4週間実施されました。
(ランダム化クロスオーバー法)


介入前後に比較では、

スキムミルク単独群に比べて、ココア末併用群では、

HDLコレステロールの有意な増加[2.67 mg/dL (95%CI, 0.58-4.73; P = 0.008)]、

酸化LDLコレステロールの有意な低下[-12.3 U/L (CI,-19.3 to -5.2;P = 0.001)]、

が見出されました。



このとき、尿中ココアポリフェノール代謝物の増加が大きい被験者ほど、HDL上昇および酸化LDL低下が顕著であったということです(P < 0.05; all)。



なお、ビタミンB1,B6,B12,C,Eや葉酸の値については両群間に有意差は認められていません。



以上のデータから、ココアポリフェノールによる脂質代謝改善作用が示唆されます。


また、この作用は、ミルクとの併用でも認められると考えられます。





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りんごポリフェノールによる胃粘膜保護作用 [2011年05月15日(日)]
今月の農芸化学の専門ジャーナル(電子版)に、りんごポリフェノールによる消化管粘膜保護作用を示した基礎研究が報告されていました。
(J Agric Food Chem. 2011 May 6.)



りんご果皮には、抗酸化作用や抗炎症作用を有するポリフェノールが存在し、機能性食品素材としてサプリメント成分に利用されています。



これまでの基礎研究では、実験的胃液中でもりんご果皮ポリフェノールの抗酸化活性が維持されることが示されています。



今回の研究では、医薬品によって生じる消化管粘膜障害に対して、りんご果皮ポリフェノールの作用が検証されました。


具体的には、ラットを用いて、インドメタシン(40 mg/kg i.g.)投与を行い、りんご果皮ポリフェノール前投与による影響が測定されています。


解析の結果、りんご果皮ポリフェノール前投与によって、胃・小腸・大腸の酸化障害が抑制され、MDA増加やGSH/GSSG比の低下抑制が認められたということです。


また、粘膜への好中球浸潤の抑制、消化管粘膜でのバリア機能の維持といった働きも見出されています。



以上のデータから、りんご果皮ポリフェノールによる医薬品服用に伴う消化管粘膜障害抑制作用が示唆されます。


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輸入野菜の残留農薬 [2011年05月14日(土)]
公衆衛生学の専門ジャーナルに、輸入冷凍野菜と果実の残留農薬の実態に関する調査が、東京都のグループ(Tokyo Metropolitan Institute of Public Health)から報告されていました。
(Shokuhin Eiseigaku Zasshi. 2011;52(2):121-9.)



現在、急速冷凍による食品の鮮度や品質を保つことができるようになり、多くの輸入冷凍食品として野菜や果物が利用されています。


一方、2002年の中国産冷凍ほうれん草でのクロルピリホスの残留基準違反など、
輸入冷凍野菜からの残留農薬検出事例が散見されるようになっています。

2008年には、中国産冷凍餃子のメタミドホス混入事件や冷凍いんげんでのジクロルボス混入事件があり、輸入冷凍食品の安全性への関心が高まってきました。



今回の研究では、市販輸入冷凍食品中の残留農薬実態調査が行われています。


具体的には、1989年4月から2008年3月にかけて東京都内での595検体を対象に、残留農薬169種類が調べられました。



解析の結果、 162検体から、organophosphorus, organochlorine, carbamate, pyrethroidなど43種類の農薬について、
0.01ppm未満のトレースレベルから、4.6ppmの間で確認されたということです。



小松菜やほうれん草など葉野菜では、Chlorpyrifos, cypermethrin and omethoate がよく見出されており、
えだまめや未成熟いんげんなど豆・種実ではcypermethrin and methamidophos
馬鈴薯ではchlorpropham、
ブルーベリーやラズベリー、いちごなどベリー類ではcaptan and carbaryl
が見出されています。



これらの残留農薬は、
ADI(一日摂取許容量)の0.5%から30%の間でした。



以上のデータから、
通常の摂取量であれば、輸入野菜・果物の摂取に際して、残留農薬による問題は生じないと考察されています。


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出産時の鍼治療@ドイツ [2011年05月13日(金)]
今月の補完代替医療の専門ジャーナル(電子版)に、出産時におけるCAM利用状況を調べた研究が、ドイツのグループ(Justus-Liebig-University Giessen)から報告されていました。
(J Altern Complement Med. 2011 May 9)



欧米では、鍼治療が補完療法のひとつとして広く利用されています。


(一方、日本では、病院やクリニックなどの医療機関で針治療が施術されることは少なく、鍼治療院が街中に別に存在している形態です。)


特に、ドイツでは、ペインコントロール目的での利用が認知されています。


さて、今回の研究では、出産時のCAM利用が調査されました。


具体的には、2001年から2008年にかけて、ドイツでの409,413例の出産が対象となっています。

(Hessian Perinatal Registry [HEPE]という調査です。)



解析の結果、

鍼は3.7%(15,345/409,295) 、

その他のCAMは4.8%(19,507/409,295)

という利用率でした。



CAM利用と関連する因子は、医療機関の種類であり、
また、
高い就業資格を有する女性で、出産時のCAM利用が高い傾向にあったということです。


その他、出産時の鎮痛剤の利用と、CAM利用との間に相関が見出されています。

(CAM利用者では、鎮痛剤の利用が少ないか、あるいは両者に関連はないように思えますが、結果は相関ありということです。)


一方、妊娠や出産に関連したリスクは、CAM利用において重要な因子ではありませんでした。



以上のデータから、論文著者らは、(ドイツ人女性の出産時における)CAM利用の決定因子は、腫瘍学の分野と類似している、と考察しています。





ドイツでの出産ということで鍼治療が調査対象となっていますが、
米国では、妊娠とジンジャー(生姜)の利用、という組み合わせが考えられるかもしれません。



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インスリン抵抗性を示す肥満ではローカーボ食が効果的 [2011年05月12日(木)]
肥満に対する食事療法として、低脂肪食が推奨されてきましたが、臨床的には十分な効果が示されていません。


一方、この10年ほどの間に、低炭水化物食・ローカーボのほうが、低脂肪食よりも効果的とするランダム化比較試験(RCT)が報告されるようになりました。


ただし、すべてのRCTにて同様というわけではなく、一般には、ローカーボや低脂肪のいずれの場合でも、長期のコンプライアンスが問題になります。


多くのRCTにおいて、標準的な治療食であり、医療機関で肥満者に推奨される低脂肪食が、ローカーボより優れてはいないことが示されてきましたが、なかなか受け入れられていません。


また、2年間の長期にわたる試験では、ローカーボの優位性が低下するのも事実です。


最近のサブ解析データによると、低脂肪食がいいのか、低炭水化物食(ローカーボ)がいいのかは、遺伝素因の関与とインスリン感受性の程度が関係することが示されています。


予備的なデータですが、
インスリン感受性の高い肥満者群では、低脂肪食が減量に効果的であり、

インスリン抵抗性を示す肥満者群では、低脂肪食よりも低炭水化物食(ローカーボ)のほうが、優れた減量効果を示す、
という結果が示されています。




医療機関での肥満治療では、インスリン抵抗性を示す患者を対象にすることが多いために、低脂肪食では効果が十分に得られていないという推察が可能です。




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