腎臓病学の専門ジャーナル(電子版)に、慢性腎臓病におけるビタミンDの血中濃度と死亡率との関係を検証したメタ解析が、
(
Am J Kidney Dis. 2011 May 31.)
近年の研究によって、ビタミンDによる免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用などが見出されてきました。
ビタミンD欠乏は、慢性腎臓病患者において高率に認められます。
そこで、今回の研究では、慢性腎臓病におけるビタミンDの臨床的意義が検証されました。
(血中ビタミンD値として、25-ヒドロキシビタミンD値が用いられています。)
具体的には、糸球体濾過率の低下を特徴とする慢性腎臓病患者を対象にした前向き研究に関するメタ解析が行われています。
主アウトカムは、全死亡率です。
10報から合計6853名の慢性腎臓病患者が対象となりました。
解析の結果、血中ビタミンD値が10ng/mL(25-nmol/L)低下するごとに、
全死亡率は14%増加するという相関が見出されました。
(RR:0.86 (95% CI, 0.82-0.91))
なお、研究の異質性に有意差はなく(I(2) =15%; P = 0.3)、透析施行の有無についても相関は示されていません(P = 0.9)。
以上のデータから、血中ビタミンD値が高いと、慢性腎臓病患者の生存率が有意に高いという相関が示唆されます。
今後、ビタミンDサプリメントの投与によって、慢性腎臓病の予後が改善するかどうかのRCT等が期待されます。
ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、
という報告もあります。
マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。
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