栄養学の専門ジャーナルに、ブルーベリー(ビルベリー)による糖代謝改善作用を示した臨床研究が、スウェーデンのグループ(Lund University)から報告されていました。
(
Nutr J. 2011 May 21;10(1):57.)
ブリーベリー(ビルベリー、学名
Vaccinium myrtillus)には、アントシアニン系のファイトケミカルが豊富に含まれており、
抗酸化作用を介した機能性が知られています。
また、民間療法・伝統医療では、ブルーベリーが2型糖尿病の血糖コントロール対策に用いられてきたということです。
そこで、今回の研究では、ビルベリー含有オートミール食による糖代謝への影響が検証されました。
具体的には、
まず試験1として、
健康な被験者9名(男性2名、女性7名、平均年齢26.2歳、平均BMI23.5)を対象に、
(1)ビルベリー含有飲料(10%果汁、Lactobacillus plantarum 299v 発酵オートミール5%)、
(2)ローズヒップ含有飲料(10%、オートミール5%同上)
による糖代謝への影響が測定されました。
次に、試験2として、ビルベリー47%とした試験食による作用も調べられています。
解析の結果、
試験1では、対照食(パン投与)に比べて、ビルベリー飲料もローズヒップ飲料も、血糖上昇は同程度でしたが、ビルベリー投与群では、インスリンインデックスが有意に低値でした(P < 0.05)。
試験2では、
インスリン反応性について、ビルベリー含有飲料の優位性が再確認されています。
試験2でのビルベリー高含有飲料では、インスリン反応の低下と、過血糖の抑制傾向(P=0.0684)が見出されました。
以上のデータから、
論文著者らは、ブルーベリー含有発酵オートミール飲料による糖代謝改善作用を考察しています。
なお、この試験は、健常者を対象にしていますので、臨床的意義は不明です。
ブルーベリーの抗酸化作用は、AGEs産生抑制を介した合併症予防効果は考えられると思いますが、糖質を含む果汁飲料を糖尿病対策に、というのは第一選択には困難かもしれません。
(なお、果汁や果糖の摂取量に問題ない病態であれば、機能性が期待できます。
また、
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