今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、カルシウムとビタミンDサプリメントによる糖代謝への影響を調べた臨床研究が報告されていました。
(
Clin Nutr. 2014 Oct 3.)
今回の研究では、
PCOSを有する肥満女性において、
カルシウムとビタミンD投与による糖代謝への影響が調べられました。
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、卵巣内に卵子は十分に存在しますが、毎周期の排卵が認められず、不妊症の原因となります。
同時に、肥満、糖代謝異常や脂質異常なども生じます。
具体的には、
ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、
PCOSと診断された肥満あるいは過体重の女性で、
ビタミンD欠乏とされた被験者104名を対象に、
1) 1日あたり1000mgのカルシウム+偽薬(ビタミンDに対する偽薬)投与群(n = 26)、
2) 1週間あたり50,000 IUのビタミンD+偽薬(カルシウムに対する偽薬)投与群(n = 26)、
3) 1日あたり1000mgのカルシウム+1週間あたり50,000 IUのビタミンD(n = 26)、
4) 偽薬(カルシウムに対する偽薬)+偽薬(ビタミンDに対する偽薬)投与群(n = 26)
の4群について、8週間の介入が行われました。
投与前後で
脂質代謝や糖代謝に関連する指標が測定されています。
解析の結果、
他の群に比べて、
カルシウム-ビタミンD併用投与群では、
血中カルシウム値(P = 0.002) とビタミンD値 (P < 0.001)がそれぞれ有意に増加していました。
このとき、
併用群では、
他の群に比べて、
血中インスリン値は有意に低値でした。
(P = 0.03)
また、
インスリン抵抗性(HOMA-IR)(P = 0.04) の有意な改善、
インスリン感受性(QUICKI) (P = 0.001)の有意な改善
も見出されました。
さらに、
カルシウム+ビタミンDサプリメント投与群では、
血中中性脂肪(TG)値の有意な低下(P = 0.02)、
VLDLコレステロール値の有意な低下(P = 0.02)
も認められました。
なお、
カルシウム+ビタミンD投与では、空腹時血糖値やLDL、HDL、総コレステロール値には影響は認められていません。
以上のデータから、
PCOSであり、ビタミンD欠乏を呈する女性では、
カルシウム+ビタミンDサプリメントの投与によるインスリン抵抗性の改善及び脂質代謝の改善作用が示唆されます。
今後、補完療法としての臨床的意義の検証が期待できる分野です。
標準治療だけでも、医薬品の組み合わせで血糖値のコントロールは可能ですが、ベースとなる栄養状態の改善が重要となる事例と思います。
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