臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、心房細動患者の血栓症リスクに対する地中海食の効果を示した臨床研究が、イタリアのグループから報告されていました。
(
Clin Nutr. 2014 Sep 28.)
血小板凝集は、心血管イベントの一因となります。
地中海食は、心臓病や脳卒中といった動脈硬化性疾患のリスクを減らすことが知られています。
今回の研究では、
心房細動患者において、
地中海食による血小板機能への影響が検証されました。
血小板機能の指標として、
尿中のThromboxane B2(11-dehydro TXB2)が測定されています。
11-dehydro TXB2は、非可逆的な血小板凝集に関与するTXA2(Thromboxane A2)の代謝産物です。
血中や尿中の 11-dehydro TXB2 濃度は、生体内の TXA2 量を推定する指標です。
2008年2月〜2013年12月までの間に、
前向きコホート研究として、
ワルファリン治療を受けている、非弁膜疾患の心房細動患者801名を対象に、
9項目の食事評価から、地中海食の遵守率が調べられ、
尿中の11-dehydro TXB2値が測定されました。
平均33.9±19.8ヶ月のフォローアップ期間、
2,223患者年のデータが対象となりました。
患者の平均年齢は、73.3 ±8.9歳、
43.7%が女性でした。
尿中TxB2の中央値は、
105.5 [60.0-190.0] ng/mgクレアチニン
でした。
解析の結果、
総地中海食スコアと、
11-dehydro-TxB2値との間には有意な負の相関が見出されました。
(Rs: -0.356, p < 0.001)
多変量解析の結果、
脳卒中/TIAの既往(β = 0.146, p = 0.003)、
オリーブオイル(β = -0.130, p = 0.007)、
ワイン(β = -0.102, p = 0.036)、
抗血小板薬服用 (β = -0.098, p = 0.045)
の各要素が、独立して、
11-dehydro-TxB2値と相関していました。
なお、地中海食スコアの3分位の各群において、
虚血あるいは出血性のイベントとの関連は見出されていません。
以上のデータから、
心房細動患者において、
地中海食の遵守により、血小板凝集抑制作用を介した、心血管イベントリスク低下作用が示唆されます。
地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。
野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。
地中海食は、健康増進や疾病予防に有用であることが知られており、多くの研究によってエビデンスが示されています。
地中海食やオリーブオイルの効能については、多くのエビデンスが報告されています。
地中海食で死亡率が半減する
低炭水化物(糖質制限)食と地中海食は低脂肪食よりも有効
オリーブオイルの摂取10gで全死亡率が7%低下
地中海食がメタボを抑制
バージンオリーブオイルとナッツ類を含む地中海食の抗炎症作用
バージンオリーブオイルの心臓病予防作用
オリーブオイルによる皮膚の老化抑制作用
地中海食による認知症予防効果
地中海食+CoQ10サプリによる抗酸化作用
超低炭水化物・地中海食による減量効果
地中海食による高尿酸血症リスクの低下
オリーブオイルによる動脈硬化抑制作用
バージンオリーブオイルによる骨代謝改善作用
オリーブオイルとナッツによる心血管リスク低下作用
伝統的地中海食による脂質代謝改善作用
オリーブオイルによる膀胱がんリスク低下
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