サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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コエンザイムQ10による内耳有毛細胞の保護作用 [2014年10月02日(木)]
アミノグリコシド系抗生物質によって生じる聴力障害に対するコエンザイムQ10の作用を示した基礎研究が、山口大学のグループから報告されていました。
(PLoS One. 2014 Sep 29;9(9):e108280.)


アミノグリコシド系抗生物質とは、アミノ糖を構成成分とする抗生剤の総称です。

ストレプトマイシンやカナマイシン、ゲンタマイシン、ネオマイシン(フラジオマイシン)などがあります。

副作用として聴力障害と腎毒性が知られており、
前者では、第VIII脳神経障害による聴力低下が生じます

原因として、アミノグリコシド系によりフリーラジカル(活性酸素など)が増加し、感覚細胞が障害されるためと考えられています。

先行研究では、各種の抗酸化物質による内耳の細胞の保護作用が示唆されてきました。



今回の研究では、

アミノグリコシドによって生じる前庭有毛細胞の障害に対するコエンザイムQ10の作用が調べられました。



具体的には、
CBA/CaNマウス由来の細胞を用いて、

・対照群、

・ネオマイシン投与(1 mM)群、

・ネオマイシン+コエンザイムQ10投与(30-0.3 µM)群、

の3群について比較が行われています。

ネオマイシン暴露24時間後、前庭有毛細胞の状態が測定されました。


解析の結果、


ネオマイシン投与群に比べて、

ネオマイシン+コエンザイムQ10投与群では、

有毛細胞の生存率が有意に高かったということです。


以上のデータから、

コエンザイムQ10によるアミノグリコシド系抗生剤による内耳の細胞障害に対する保護作用が示唆されます。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。





コエンザイムQ10は、抗酸化作用やATP産生作用を有する機能性成分で、体内でも産生されます。
しかし、加齢とともに内在性コエンザイムQ10は減少し、生活習慣病や慢性疾患でも低下がみられることから、アンチエイジング分野で広く摂取が推奨されているベーシックサプリメントです。




コエンザイムQ10には、

酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と

還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



従来、コエンザイムQ10サプリメントは、酸化型CoQ10(=ユビキノン)であり、
経口摂取した後、体内で還元型CoQ10に転換され、効果を示してきました。

近年、還元型CoQ10サプリメント(=ユビキノール)が供給できるようになり、
還元型CoQ10の有用性を示した研究が報告されるようになっています。


若年者では、従来型のCoQ10サプリメント(酸化型CoQ10のユビキノン)で十分と思われますが、

中高年以上の年代では、
還元型CoQ10サプリメント(=ユビキノール)をベーシックサプリメントとして推奨できるエビデンスが整いつつあります。






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