栄養学研究の専門ジャーナルに、ビタミンEによる高血圧改善効果を示したメタ解析が報告されていました。
(
J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 2014;60(4):239-45.)
ビタミンEは、代表的な抗酸化ビタミンの1種です。
トコフェロールとトコトリエノールに大別され、それぞれα、β、γ、δに分けられるために合計8種類があります。
ビタミンEは、
抗酸化作用を介した生活習慣病予防効果が期待され、
ベーシックサプリメントとして広く利用されています。
さて今回の研究では、
2007年の全国健康栄養調査データから、
ビタミンEの摂取と、高血圧症との関連が検証されました。
具体的には、
40歳以上の男性1,405名(平均63.5歳)、女性2,102名(62.4歳)を対象に、
栄養素の摂取量を推計し、
ビタミンEの三分位について
高血圧リスクとの関連が調べられました。
解析の結果、
ビタミンE摂取量の多い群では、少ない群に比べて、
高血圧患者の割合が有意に低いことが見出されました。
(p for trend=0.01)
エネルギー量で補正後、
ビタミンEの摂取量が多い被験者は、
高血圧リスクと関連する他の栄養素、つまり、カリウムやマグネシウム、ビタミンCの摂取量も多いことが見出されました。
ビタミンEの摂取量の三分位で最低群に比べて、
中程度の群では、
高血圧リスクが27%低下していました。
(OR 0.73, 95% CI; 0.62-0.87))
また、
最高群では、19%のリスク低下が見出されています。
(OR 0.81, 95% CI; 0.69-0.96)
なお、
ビタミンEの摂取量が多いと高血圧リスクが低いという相関は、サプリメント由来でも栄養素由来でも同じ(サプリメントの影響を除いても同じ)となっています。
以上のデータから、
ビタミンEによる高血圧リスク低下作用が示唆されます。
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