今月の米国科学アカデミー紀要に、スルフォラファン(スルフォラフェン)による自閉症の症状改善作用を示した臨床研究が、米国のグループ(Harvard Medical School)から報告されていました。
(
Proc Natl Acad Sci U S A. 2014 Oct 13)
スルフォラファン (スルフォラフェンsulforaphane) は、ブロッコリーなどのアブラナ科の植物に含まれるファイトケミカルの1種です。
抗酸化作用や抗炎症作用を介した抗がん作用、生活習慣病予防作用が示唆されています。
今回の研究では、自閉症に対するスルフォラフェンの効果が検証されました。
具体的には、
ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、
中等度から重症の自閉症(Autism spectrum disorder、ASD、自閉症スペクトラム障害)と診断された
青少年男性(13歳〜27歳)を対象に、
ブロッコリースプラウト抽出物由来のスルフォラフェン(50-150 µmol)投与群(n = 29)
あるいは
偽薬投与群(n = 15)
の2群について、
18週間の投与および続く4週間の非投与の間に、
両親/介助者、医師による評価が行われています。
評価手法として、
Aberrant Behavior Checklist (ABC),
Social Responsiveness Scale (SRS),
Clinical Global Impression Improvement Scale (CGI-I)
の各指標が用いられました。
18週間の介入後、
偽薬群では最小限の変化(<3.3%)しか認められませんでした。
一方、
スルフォラフェン投与群では、
行動の顕著な改善が認められたということです。
(34% for ABC (P < 0.001, comparing treatments), 17% for SRS scores (P = 0.017))
また、
CGI-Iスコアでは、
スルフォラフェン投与群の被験者のほうでより多くの患者が、
社会的な行動や言語コミュニケーションなどにおいて有意な改善を示しました。
(P = 0.015-0.007)
さらに、
スルフォラフェン投与を中止後、
各指標のスコアは、投与前に戻ったということです。
ASDでは酸化ストレス障害の亢進、抗酸化能の低下、グルタチオン合成の低下、ミトコンドリア機能の低下、神経系の炎症の亢進や脂質過酸化の増加といった病態が知られており、
スルフォラフェンは、これらの病態に対して、抗酸化作用や抗炎症作用を介して、作用すると考えられます。
今後、ASDに対する補完療法としての臨床的意義の検証が期待される分野です。
青少年にみられる神経系の病態で、機能性食品成分の効果が示されているものとしては、ADHDに対する研究報告があります。
オメガ3系脂肪酸によるADHD改善作用:メタ解析
バレリアンによる小児の多動性の改善作用
ADHDの小児に対するオメガ3系脂肪酸の効果
------------------------------------------------------------------
医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
業界最大手の責任として――ここまでやるのが、DHC品質
【DHC健康食品相談室】
【DHCの研究開発】
【健康食品FAQ】
DHCが第1位@利用している(利用したい)メーカー(経産省の調査)
------------------------------------------------------------------