サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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レスベラトロールによる脳血流量の増加作用 [2015年09月09日(水)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、レスベラトロールによる脳血流量および認知機能への作用を調べた臨床研究が、英国のグループから報告されていました。
(Br J Nutr. 2015 Sep 7:1-11.)



レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。



先行研究では、

健常成人において、
レスベラトロールの単回投与による脳血流量の増大が示されていますが、

認知機能や気分・感情への影響は明確ではありませんでした。


そこで、今回の研究では、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

18歳から30歳の健常者60名を対象に、

レスベラトロール投与群
あるいは
偽薬群の2群について、
28日間の投与が行われ、

初日と28日の時点で、
認知機能などの指標が測定されています。


認知機能検査は、
(serial subtractions, rapid visual information processing, 3-Back)
41名分のデータが取得され、

血圧のデータは26名、

NIRS(near-IR spectroscopy; 近赤外線分光法)のデータが46名で取得されました。


自覚的な気分・感情、睡眠、健康状態に対する調査が、毎週行われました(n 53/54)。



解析の結果、

28日の投与後に、

認知機能検査の一部(3-Back task)で、

投与前に比べて、好影響が見出されたということです。

(初日の時点でも、一部の指標で変化が認められました。)


また、

自覚的な指標では、

レスベラトロール投与群で28日の時点で、疲労の有意な低下(改善)が認められました。


さらに、

NIRSによる脳血流量の評価では初日にレスベラトロールの作用が認められ、
28日の時点では、拡張期血圧の有意な増加も見出されています。


以上のデータから、

レスベラトロールによる脳血流の増加作用が示唆されます。

ただし、今回は、健常成人を対象にしており、認知機能に対する臨床的意義は明確ではありません。

今後、MCI(軽度認知障害)など未病領域の被験者を対象にした介入試験によって、
レスベラトロール投与による認知機能への臨床的意義の検証が期待される分野です。




レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。

レスベラトロールは、長寿関連遺伝子の1つであるサーチュイン遺伝子の活性化を介して、アンチエイジング効果があるのでは、と期待されています。

長寿になるかどうかを確認するためのヒト臨床試験は容易ではありませんが、
最近の臨床研究では、内分泌代謝疾患や生活習慣病の改善効果が示唆されています。




現在、レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、代謝に好影響を及ぼすことから、健康維持や生活習慣病予防からアンチエイジングの分野で注目されています。




例えば、基礎研究では、

レスベラトロールによるインスリン抵抗性改善作用


レスベラトロールによる糖尿病予防


レスベラトロールによる糖代謝改善作用


レスベラトロールの心不全リスク低減作用


レスベラトロールによる肥満予防のメカニズム



レスベラトロールによる抗がん作用


レスベラトロールによる大腸がん抑制作用


レスベラトロールの抗炎症作用


動脈硬化抑制作用


という報告があり、


ヒト臨床研究では、

レスベラトロールによる肥満者での代謝改善


レスベラトロールによる糖尿病改善作用



レスベラトロールによる脳循環改善


子宮内膜症関連痛に対するレスベラトロールの効果


レスベラトロールによる運動効果@2型糖尿病患者


レスベラトロールによる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)改善作用


という報告が知られています。






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