サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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イソフラボンアグリコンによる更年期障害の症状改善効果 [2015年09月05日(土)]
産婦人科学の専門ジャーナル(電子版)に、日本人において、イソフラボンアグリコンによる更年期障害の症状改善作用を示した臨床研究が、東京医科歯科大学のグループから報告されていました。
(Arch Gynecol Obstet. 2015 Aug 21.)



大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。


一般に、食品に存在するグリコシド型(配糖体型)イソフラボンであれば、安全性の問題はありません。


しかし、エストロゲン様作用を有するイソフラボンを大量に長期に摂取することに懸念を示す意見もあります。


そこで、

今回の研究では、

低用量のイソフラボンアグリコンによる更年期に伴う症状への影響が検証されました。


具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

少なくとも1種類以上の更年期関連症状を有する、
40歳から60歳の健康な女性90名を対象に、

・イソフラボンアグリコン12.5 mg投与群 (12.5 mg/day; n = 30)

・イソフラボンアグリコン25 mg投与群 (25 mg/day; n = 30)

・偽薬対照群(n = 30)

の3群について、8週間の介入試験が行われました。


投与前、4週間、8週間の時点で、
更年期関連症状が
MSS,
Hospital Anxiety and Depression Scale (HADS),
Athens Insomnia Scale (AIS) の指標にて評価されています。

87名(97%)が8週間の試験を完了しました。


解析の結果、

イソフラボンアグリコン25 mg投与群において、

投与前に比べて、

4週間および8週間の時点で、

HADS-うつ病スコア, AIS score, MSS-身体症状スコアの有意な改善、

8週間の時点で
MSS-血管神経運動症状スコアの有意な改善が認められたということです。


また、
偽薬群に比べて、

イソフラボンアグリコン25 mg投与群では、

HADS-うつスコア、AISについて、
投与前から8週間後までの変化が有意に大きいことも見出されました。


以上のデータから、

更年期関連症状としてうつや不眠を有している、
日本人の中高年女性において、
低用量(25mg/日)のイソフラボンアグリコン投与による改善作用が示唆されます。






日本では、
「大豆イソフラボンアグリコンの安全な一日摂取目安量の上限値」

という表現が一人歩きし、

過度に神経質になっていることがあります。



この上限値というのは、10年ほど前の内閣府食品安全委員会の報告に基づいた情報です。


当時、食品安全委員会では、

-- 大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値:70〜75mg/日

-- 特定保健用食品としての大豆イソフラボンの安全な一日上乗せ摂取量の上限値:30mg/日
(いずれも大豆イソフラボンアグリコン換算値)

と発表しています。


そこで、一部の医療関係者では、
上限値の背景となった個別の研究の情報をよく検証せずに、

極端な場合、
「イソフラボンの摂取により子宮内膜肥厚が生じ、子宮がんのリスクが高まる」
といった誤解も聞きます。



実際の食品中では、アグリコン換算で、

納豆一パックあたり30〜35mg程度は含まれています。
(納豆100gあたり73.5mg)


豆腐には100グラムあたり20.3mgです。


つまり、食品からの摂取量は、簡単に上限値を超えてしまう状態です。




一般に、長期間、アグリコンの形で大量に摂取することに対しては、その安全性と有効性のバランスについて、個別に判断が必要です。


一方、更年期障害に伴う、うつ状態や不眠といった特定の症状を改善する目的で、アグリコンとして、比較的短期間、利用するという選択肢も考えられます。



一般に、
サプリメントの形状では、食品からの摂取量を大きく上回るような量の摂取が可能となります。


しかし、食品安全委員会の数値が独り歩きして、それを疑うことなく信じているような医療従事者は少し情報不足かもしれません。


例えば、短期的には、イソフラボンの高用量投与が不妊治療に有用とする臨床データも知られています。



内閣府食品安全員会が上限値を設定する根拠となった論文の一つは、イタリアからの報告であり、

1日あたり150mgの摂取による子宮内膜肥厚という臨床データでした。


これを受けて、日本では、その半分の75mgが上限値を設定する際の目安になっています。


一方、前述の臨床データを報告したイタリアのグループは、逆転の発想をしています。


150mgで子宮内膜肥厚の作用がみられるなら、

その10倍量を短期間投与することが不妊治療に応用できるのでは、

と考えたようです。


そして、
不妊治療中の女性を対象に、1日あたり1,500mgの大豆イソフラボンあるいは偽薬を投与したところ、妊娠率が有意に改善したと報告しています。
(Fertil Steril. 2004 Dec;82(6):1509-13.)

大豆イソフラボン投与によって、
対照群に比べて、
妊娠率が16.2%から30.0%に有意的に改善したということです。

不妊治療を行う比較的短期間、黄体期における補完療法として、
大豆イソフラボンの高用量投与が選択肢の一つとして示唆されます。




大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。




DHCでは、大豆イソフラボンプエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの複合サプリメントなどを製品化しています。




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