今月の科学誌に、肥満妊婦において、オメガ3系必須脂肪酸による抗炎症作用を示し臨床研究が、米国のグループから報告されていました。
(PLoS One. 2015 Sep 4;10(9):e0137309.)
肥満、特に内臓脂肪型肥満による生活習慣病のリスクには、
慢性炎症が関与しています。
脂肪の過剰蓄積により、細胞の肥大化や血管新生、マクロファージを中心とする炎症惹起細胞の浸潤といった変化が見られます。
そこで、肥満に対する機能性食品を用いた対策として、減量ではなくて、抗炎症作用による健康リスクの低減というアプローチが考えられています。
例えば、
オメガ3系必須脂肪酸(EPAやDHA)、ウコン(クルクミン)、レスベラトロールなどが考えられます。
さて、今回の研究では、
オメガ3系必須脂肪酸による肥満妊婦の炎症状態への作用が検証されました。
具体的には、
ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、
過体重/肥満の妊婦を太守尾に、
DHA+EPA 投与群(2g/day)
あるいは
偽薬投与群
の2群について、
10週から16週の介入が行われています。
炎症経路については、
脂肪組織と胎盤での介入群と対照群、
培養の脂肪細胞と栄養芽細胞の介入群と対照群が比較されました。
解析の結果、
まず、
DHA/EPA摂取群では、
対照群に比べて、
血中濃度が5.8倍となり、
オメガ3/オメガ6比が1.5倍になりました。
(p< 0.005)
このとき、炎症マーカーである血中CRP値は有意に低下しました。
(p<0.001)
また、
脂肪組織および胎盤の解析では、
TLR4発現の有意な抑制、
(脂肪細胞由来の飽和脂肪酸は、TLR4の内因性リガンドとして作用し、マクロファージを活性化し、マクロファージでの炎症性変化やTNFα産生を誘導するとされています。)
IL6, IL8, TNFαの有意な抑制が見出されました。
さらに、
脂肪細胞と栄養芽細胞のin vitro系での解析では、
EPA/DHA投与により、TLR4, IL6, IL8 の誘導抑制が示されました。
以上のデータから、
肥満妊婦において、
オメガ3系必須脂肪酸の投与による抗炎症作用が示唆されます。
EPAや
DHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。
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