今月の泌尿器・腎臓病学の専門ジャーナルに、日本人男性において、イソフラボンの摂取と前立腺リスクとの関連を示した研究が、札幌医科大学のグループから報告されていました。
(
Int Urol Nephrol. 2016 Jun 4)
イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンの受容体に対する親和性があり、ホルモンに関係するがんリスク低減作用が示唆されています。
イソフラボンの1つのダイゼインは、特定の腸内細菌によりエクオールに代謝されます。
(これには個人差があります。)
(この代謝に関与する細菌として、Slackia sp. strain NATTSが単離されています。)
今回の研究では、
イソフラボンの血中濃度および摂取量、エクオール産生菌、前立腺がんリスクとの関連が検証されました。
具体的には、
症例対照研究として、
前立腺がんと新規に診断された56名、
対照群56名
の2群を対象に、
血中イソフラボン類の測定、
食事調査、
便中のSlackia sp. strain NATTS菌が調べられました。
解析の結果、
前立腺がんリスクに関して、
血中ゲニステインの最高群は、最低群に比べて、
94%リスク低下
(OR; 0.06 (95 % CI 0.02-0.24))
血中ダイゼインの最高群は、最低群に比べて、
82%のリスク低下
(OR; 0.18 (95 % CI 0.06-0.52))
血中グリシテインの最高群は、最低群に比べて、
84%のリスク低下
(0.16 (95 % CI 0.06-0.46))
エクオールでは、48%のリスク低下
(0.52 (95 % CI 0.22-1.22)
食事からのゲニステイン摂取では
14%のリスク低下
(OR; 0.86 (95 % CI 0.30-2.48))
食事からのダイゼイン摂取では、
20%のリスク低下
(OR;0.80 (95 % CI 0.28-2.28)
という相関が見出されたということです。
また、
NATTS菌に関して、中央値の前後での比較では、
前立腺がんリスクの5%の低下傾向が見られています(有意差ナシ)。
(0.95 (95 % CI 0.42-2.16)
以上のデータから、
日本人男性において、
血中イソフラボン類(ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン)の高値と、
前立腺がんリスク低減との相関が明らかであり、
大豆などに由来するイソフラボン類の摂取による前立腺がんリスク低下作用が示唆されます。
大豆など植物性食品の一部には、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカルの1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。
DHCでは、
大豆イソフラボン、
プエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの
複合サプリメントなどを製品化しています。
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