今日の午後、元厚労大臣のオフィスを訪問し、1時間ほど、地方自治体の健康づくり事業に関して、話をしました。
地方自治体では、首長により、健康づくり施策に大きな差があることを実感しています。
健康づくり事業に取り組んでいる自治体では、住民の健康指標が明らかに優れており、
そうではない自治体では、健康寿命と平均寿命の差が大きいことに驚かされます。
さて、本日の私的なお勉強日記です。
今月の生殖医学の専門ジャーナル(電子版)に、コエンザイムQ10の抗酸化作用による卵巣予備能力への働きを検証した基礎研究が報告されていました。
(
J Assist Reprod Genet. 2016 Jun 3)
女性の加齢に伴って、卵子の老化も起こり、生殖能に影響が生じます。
妊娠のためには、卵子の老化を防ぐことが大切です。
これまでの研究では、レスベラトロールの有用性が示唆されています。
不妊治療では、卵巣予備能力ovarian reserveが調べられます。
今回の研究では、
コエンザイムQ10の抗酸化作用による卵巣予備能力への作用が検証されました。
具体的には、
モデルラット(Sprague-Dawley, n=24)を用いて、
・対照群(生理食塩水, ipとos)
・シスプラチン投与群(4.5 mg/kg ip, 7日間の間隔で2回)
・シスプラチン+コエンザイムQ10投与群
(シスプラチン4.5 mg/kg ip, 7日間の間隔で2回、シスプラチン投与24時間前に150 mg/kg/day投与)
血中の抗ミュラー管ホルモン(AMH, ミュラー管抑制因子;MIS)、
AMH-positive follicle数、
卵巣中の8OHdGなどが測定されています。
(AMHは卵巣予備能力の指標です。)
解析の結果、
血中AMH値は、
グループ1;対照群:1.3 ± 0.19 ng/mL
グループ2:シスプラチン投与群:0.16 ± 0.03 ng/mL
グループ3:シスプラチン+CoQ10投与群:0.27 ± 0.20 ng/mL
でした。
(p < 0.01)
AMHは、グループ1がグループ2および3よりも有意に高値でした。
(p < 0.01 and p = 0.01, respectively)
次に、
AMH-positive follicle数は、各群で有意差が認められました。
(p < 0.01)
グループ1は、グループ2に比べて、
AMH-positive granulosa細胞数が有意に高値でした。
(p = 0.01)
原始卵胞primordial、閉鎖卵胞atretic、胞状卵胞antralにおいても、各群で有意差が認められました。
(p < 0.01, p < 0.01, and p < 0.01, respectively)
閉鎖卵胞の数は、
シスプラチン投与群に比べて、
シスプラチン+CoQ10投与群において、有意に低値でした。
(p < 0.01)
胞状卵胞の数は、
シスプラチン+CoQ10群のほうが、シスプラチン群よりも有意に高値でした。
(p < 0.01)
また、酸化ストレス障害の指標である8-OHdGに関しても、
各群間で有意差が認められています。
以上のデータから、
コエンザイムQ10による卵巣予備能力維持作用が示唆されます。
今回の研究はモデル動物を用いた基礎研究ですので、今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
妊娠を考える女性向けのサプリメントとして、
葉酸
厚生労働省も推奨! 赤ちゃんを考えたら、毎日とりたい栄養素
ビタミンD3
などがあげられます。
また、卵子の老化を抑制する機能性成分として、
レスベラトロールも注目されています。
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マルチビタミン、
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マルチカロチンの他、
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ルテインなども製品化しています。
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