今月の加齢医学の専門ジャーナルに、イソフラボンの摂取と前立腺がんリスクとの関連を検証した疫学研究が、イタリアのグループから報告されていました。
(Aging Male. 2017 Aug 17:1-7.)
大豆など植物性食品の一部には、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカルの1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気の他、さまざまな生活習慣病に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。
最近の研究として、次の報告が知られています。
大豆イソフラボンによる大腸がんリスク低下:メタ解析
大豆イソフラボンによる認知機能改善効果@メタ解析
イソフラボンによる前立腺がんリスク低下作用@日本人男性
大豆の摂取が多いと乳がんリスクが低下@日本人女性
今回の研究では、
イタリア南部での疫学研究として、
植物エストロゲンの摂取と、前立腺がんリスクとの関連が検証されました。
具体的には、
症例対照研究として、
2015年1月から16年12月まで、
イタリア南部(Catania)において、
前立腺がん(組織学的に確定診断)患者118名と
対照群222名の2群について、食事調査が行われています。
解析の結果、
イソフラボンの摂取と、前立腺がんリスク低下との間に有意な相関が見出されたということです。
(Q3 vs. Q1, OR = 0.28; p < .05)
特に、
ゲニステインの摂取による前立腺がんリスク低下作用が顕著でした。
(Q4 vs. Q1, OR = 0.40; p < .05)
一方、リグナン類の摂取では、リスク上昇という相関が示唆されています。
以上のデータから、
イソフラボン、特にゲニステインの摂取による前立腺がんリスク低下作用が示唆されます。
なお、今回の研究は、イタリア南部での症例対照研究ですので、
地中海食をベースにした研究です。
最近の研究として、次の報告が知られています。
大豆イソフラボンによる大腸がんリスク低下:メタ解析
大豆イソフラボンによる認知機能改善効果@メタ解析
イソフラボンによる前立腺がんリスク低下作用@日本人男性
大豆の摂取が多いと乳がんリスクが低下@日本人女性
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