サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

2008年07月  >
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
炭水化物の代謝と発がんリスクの関係 [2008年07月01日(火)]
栄養学の専門ジャーナルに、糖代謝と発がんリスクの関係を検討したメタ分析が、イタリアのグループから報告されていました。
(Am J Clin Nutr. 2008;87:1793-801.)



がん(癌)の発症には糖代謝の関与が示されており、これまでにグリセミック指数(GI)やグリセミックロード(GL)と発がんとの関係が調査されてきました。



今回の研究は、GIおよびGLと発がんリスクについての既報のメタ分析です。


2007年10月までに発表された、症例対照研究とコホート研究の39報が解析された結果、GIとGLのいずれも、大腸がんおよび子宮内膜がんとの相関が認められました。

つまり、GIやGLが高いと、これらの発がんリスクが高くなるという関係です。

(大腸がんではGL;RR= 1.26、GI;RR=1.18。子宮内膜がんではGL;RR=1.36、GI;RR= 1.22)


一方、乳がんでは、研究間のバイアスを補正すると、GIやGLとの相関関係が消失したということです。

また、膵臓がんとの関係は認められていません。


以上のデータから、GIやGLの高い食事は発がんリスクと相関することが示唆されます。



肥満になると発がんリスクが増加することが知られています。

そのため、がんの予防には、食事と運動に加えて、肥満の改善が重要です。


今回の研究は、肥満ではなく、GIおよびGLといった指標について検討し、糖代謝(炭水化物の代謝)と発がんとの相関を示したことに意義があると考えられます。

食後過血糖を生じやすい単純炭水化物については、摂取を控えるほうがよさそうです。

posted at 23:57 | この記事のURL
コメント(0) | トラックバック(0)
プロフィール


医学博士 蒲原聖可
自己紹介
ブログ
リンク集

http://www.dhcblog.com/kamohara/index1_0.rdf
ログイン
Mypagetopに戻る