今月の栄養学の専門ジャーナルに、ブルーベリーによる脂質代謝調節作用を示した基礎研究が、カナダのグループから報告されていました。
(Br J Nutr. 2008 Jul;100(1):70-78.)
今回の研究では、モデル動物として実験用豚を対象に、ブルーベリーサプリメントによる脂質代謝への影響が検討されています。
最初の実験では、植物性食品を中心とした餌(70%が大豆や麦類)に、1%,2%,4%のブルーベリー抽出物を併用投与した結果、総コレステロール、LDL、HDLのいずれも低下が認められました。
この作用は、2%の投与群で最も有意であり、総コレステロールは11.7%、LDLは15.1%、HDLは8.3%低下したということです。
このとき、血小板機能や酸化感受性に変化は示されていません。
次に、植物性食品の割合が低い餌(20%が大豆や麦類)に、ブルーベリーを併用したところ、脂質代謝への作用は減弱しました。
以上のデータから、ブルーベリー抽出物が脂質代謝に影響を及ぼすことが示唆されます。
今後、臨床的意義の検討が期待される分野です。
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