生薬学の専門ジャーナルに、ポリフェノールと抗生剤の相乗作用を示した基礎研究が、台湾のグループから報告されていました。
(Planta Med 2008; 74: 840-846)
今回の研究では、MRSA(methicillin-resistant Staphylococcus aureus)20種類に対して、15種類の植物由来ポリフェノールと、10種類の抗生物質の併用投与が行われ、最小阻止濃度(MIC)が測定されました。
実験で用いられたMRSAは、すべてバンコマイシン感受性、リファンピシン抵抗性です。
一方、ciprofloxacinに対する感受性は一定ではありません。
実験の結果、15種類のポリフェノールのうち、ケンフェロールとケルセチンが最も低いMICを示しました。
また、リファンピシンと、ケンフェロールあるいはケルセチンの併用投与では、シナジーが認められたということです。
さらに、これらの組み合わせでは、βラクタマーゼ阻害作用が認められています。
以上のデータから、ポリフェノール類と抗生剤と併用投与による相乗効果が示唆されます。
食経験の豊富なポリフェノール類では、一定の安全性が担保されることから、臨床的な有意性の検討が望まれる分野と考えられます。
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