今月の栄養学の専門ジャーナルに,医師・看護師の間でのサプリメント利用に関する調査研究が報告されていました。
(Nutr J. 2009 Jul 1;8(1):29. PMID: 19570197)
これまでに多くの研究によって,一般消費者におけるサプリメント利用の増加が報告されてきました。
一方,医療従事者を対象にした研究は限られています。
そこで,今回は,医師と看護師を対象に,サプリメント/健康食品の利用状況が調べられました。
具体的には,2007年10月に,医師900名,看護師277名を対象に,自らのサプリメント利用および患者への推奨の有無について,インターネット調査として実施されています。
その結果,医師の72%,看護師の89%がサプリメント/健康食品を利用しているという結果になっています。
(頻度は,regularly, occasionally, or seasonally)
また,サプリメントを定期的に利用していると回答したのは,医師では51%,看護師では59%でした。
サプリメント摂取の理由として最も多かったのは,全般的な健康維持とウエルネスであり,医師の40%,看護師の48%があげていました。
(なお,3分の2の利用者は,複数の理由を挙げていたということです。)
この調査では,「患者にサプリメントを勧めたことがありますか?」という興味深い設問も設置されています。
そして,医師の79%,看護師の82%が,患者にサプリメントを勧めたことがあると回答しました。
以上のデータから,米国の全国調査によって示された消費者におけるサプリメント利用状況と同様に,医療従事者の間でもサプリメントが広く利用されていることが示唆されます。
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