今日は,統合医療に関係するワークショップでした。
米国からの講師の発言で興味深いものがありました。
RCTによってEBMが提供された治療法のみを導入するという医師は,ビッグファーマ・医学会・許認可官庁のクローズドサークルになっている,という発言です。
生物学的介入方法,特に医薬品に関するEBM構築では,RCTがゴールドスタンダードであることに異議ありません。
ただし,機能性食品成分に関する評価には必ずしも適切ではありませんし,手技療法やマインドボディメディシンでは別の方法が必要です。
大規模RCTのみをEBMに組み込むと言う場合,食品成分は実質的に対象外になります
(パテントで守られるケミカルな合成成分--これらは介入の効果が大きく,作用が示しやすい成分--からの医薬品開発を目指すビッグファーマの資金力や政治力がないと,このようなRCTの実施は困難だからです。)
医学界と製薬業界,それに許認可を行う官庁の3者からなるクローズドサークルによって医療システムが決められている限り,健康増進や疾病予防を主な目的とする自然療法や栄養サプリメント療法がメインストリームになるのは容易ではなさそうです。
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