臨床医学ジャーナルに,大豆イソフラボンによる皮膚の老化に対する作用を調べた予備的な臨床研究が報告されていました。
(
Clinics (Sao Paulo). 2009;64(6):505-10.)
イソフラボンは,ファイトケミカルの1種で,
大豆などの食品の他,
プエラリア・ミリフィカなどのハーブに含まれています。
女性ホルモン用作用(エストロゲン用作用)を有することから,
更年期障害など女性ホルモンに関係する病態の予防や改善に効果が示唆されています。
今回の研究では,閉経後の女性を対象に,大豆イソフラボンによる皮膚への作用(アンチエイジング作用)が検討されています。
具体的には,閉経後の女性30名を対象に,イソフラボンを含む大豆抽出物(イソフラボン100mg/日)が6ヶ月間投与され,皮膚生検により投与前後の性状が比較されました。
その結果,イソフラボン投与によって,23名の患者において表皮の肥厚増加,21名の患者においてpapillary index(しわの指標)の減少(しわの減少/改善)が認められたということです。
また,25名(86.2%)の女性では,皮膚のコラーゲン量の増加が認められました。
さらに,22名(75.8%)の女性では,皮膚の弾性繊維が増加しています。
以上のデータから,イソフラボンの豊富な大豆抽出物は,閉経後の女性において皮膚に対する抗老化作用を有することが示唆されます。
今後,さらに質の高い臨床研究による検証が期待されます。