近年,コラーゲンが美容美肌に働く機能性成分として注目されています。
コラーゲンを含むサプリメントや飲料は比較的以前から製品化されていました。
ただ,最近の傾向では,一日あたりの摂取目安量が多くなっています。
かつては,1日あたり数百ミリグラム程度が主流でしたが,最近では1日あたり数千ミリグラム(数グラム)の製品も増えてきています。
たとえば,DHCの新製品のコラーゲン含有飲料(
DHCコラーゲンビューティ7000プラス)には,1本あたりコラーゲンペプチドが7,000mg含まれています。
さて,コラーゲンは,タンパク質の1種で皮膚などの結合組織に存在します。
特に,皮膚の真皮層では90%がコラーゲンであり,皮膚の機能性に重要な役割を果たしています。
ところが,加齢によってコラーゲンの産生量が低下することが知られています。
そこで,アンチエイジング/美肌目的で,コラーゲン含有サプリメント/飲料を補給するという考え方になります。
これに対して,古典的な生化学に基づいて,タンパク質であるコラーゲンは,いったん分解されてしまうので,そのまま使われるわけではない,あるいは,通常の食事のタンパク質から合成するので,コラーゲンとしての摂取はあまり意味がない,といった意見を聞くことがあります。
(ただし,前述のように,加齢によってコラーゲン産生量は低下します。また,前述の
DHCコラーゲンビューティ7000プラスは低分子量のペプチドが有効成分です。)
では,実際の臨床研究データはどのようになっているのでしょうか。
たとえば,先月刊行されたCAMの専門誌には,コラーゲン含有飲料を1ヶ月間摂取し,顔面皮膚の変化を調べた予備的な研究が報告されています。
(
JJCAM 2009;6:111-118)
この研究では,健康な女性61名(平均年齢34歳)を対象に,コラーゲン5グラムあるいは10グラムを含む飲料を1ヶ月間投与し,投与1週間後と1ヶ月後に顔面皮膚水分と下眼瞼の皺数が測定されています。
コラーゲン投与の結果,反応例における水分量や皺数の改善が示唆されています。
グラム単位のコラーゲンを含む飲料は,一定期間摂取することで,乾燥肌や皺数の多い人などにより効果が期待できると考えられます。
今後,二重盲検試験など質の高い臨床研究による検証が期待される分野です。