今月の産婦人科学の専門ジャーナルに、乳がん後の患者における紅麹含有サプリメントによる脂質代謝改善作用を示した臨床研究が、イタリアのグループから報告されていました。
(
Minerva Ginecol. 2012 Oct;64(5):431-5.)
紅麹は、LDLコレステロールを低下させ、脂質代謝を改善します。
乳がん患者では、ホルモン療法の後、脂質異常症がしばしば認められます。
そこで、今回の研究では、乳がん後の患者において、紅麹含有機能性食品による脂質代謝への影響が検証されました。
具体的には、
乳がんに対してホルモン療法後の患者21名(平均年齢59.9歳、BMI 28.9)を対象に、
脂質異常症に対して、生活習慣の改善指導を行い、
その上で
紅麹とベルベリン含有機能性食品の投与試験が行われています。
投与前の脂質指標は、
総コレステロール値 269.0 mg/dL, HDL 54.9 mg/dL, LDL 184.0 mg/dL, TG 263.3 mg/dL
でした。
まず、被験者に対して、3か月間の生活習慣/食事療法が行われ、
続いて、紅麹含有複合サプリメント(1日あたり紅麹200mg=モナコリン類3mg含有、ベルべリン500mg 、ポリコサノール10mg、葉酸0.2mg、コエンザイムQ10 2mg、アスタキサンチン0.5mg)が投与されています。
解析の結果、
脂質指標は、
生活習慣/食事療法の介入に比べて、
紅麹含有複合サプリメント投与によって有意な改善が認められたということです。
食事療法介入時と、
紅麹含有複合サプリメント投与時では、
それぞれ、
総コレステロール値の有意な低下;1.8% vs. 15.3%(P<0.001)、
LDLコレステロール値の有意な低下;3.1% vs. 18.9% (P<0.01),
中性脂肪値の有意な低下;2.3% vs. 36.5%(P<0.05)
でした。
乳がんに対するホルモン療法後に認められる脂質異常症に対して、
適切な生活習慣/食事療法の単独介入は、一定の効果が認められましたが、脂質指標の正常化は示されませんでした。
これに対して、紅麹を主成分とするサプリメントの投与は、脂質異常症に対する治療効果が見出され、かつ、安全性も高いことが示されました。
以上のデータから、
紅麹含有サプリメントによる脂質異常症改善作用が示唆されます。
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、
紅麹です。
最近では、スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も示されました。
紅麹に関するエビデンスでは、
・スタチン不耐症に対する紅麹投与による脂質異常症の改善効果
・心血管イベント発生の抑制効果
が知られています。
(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、
コエンザイムQ10との併用が必要と考えます。)
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