機能性食品学の専門ジャーナルに、ナットウキナーゼによるアンジオテンシン変換酵素阻害作用を示した基礎研究が、愛知医大のグループから報告されていました。
(
Food Funct. 2012;3:674-8.)
ナットウキナーゼは、納豆に存在する酵素です。
血栓溶解活性を有することから、脳梗塞などの血栓症の予防に効果が期待されています。
さて、今回の研究によると、
納豆を造る枯草菌(
Bacillus subtilis)培養液を用いた
in vitro実験系において、
ACE(アンギオテンシンI転換酵素)の活性が阻害され、
ナットウキナーゼ(ズブチリシンSubtilisin NAT)によっても、ACE阻害作用が見出されました。
ナットウキナーゼは、
ズブチリシン(subtilisin、サティライシン)とも呼ばれるプロテアーゼの1種です。
納豆を造る枯草菌(
Bacillus subtilis)が、subtilisin NATという名称の由来です。
ただし、ACT阻害作用は、プロテアーゼとして(酵素として)の作用ではなく、
ナットウキナーゼに由来するLYやFYといったアミノ酸配列を有するペプチドの活性であることが見出されました。
(酵素自体は、3次元構造を有するタンパク質ですので、経口摂取しても分解されるため、そのままの形/活性が保たれているわけではありません。
ナットウキナーゼの場合は、タンパク質が分解され、特異的なペプチドになった状態で、体内に吸収され、作用を発揮することになります。)
以上のデータから、
ナットウキナーゼの摂取(納豆の経口摂取)は、ACE阻害作用を介して、高血圧改善作用を有することが示唆されます。
ナットウキナーゼ/納豆の機能性として、今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
脳梗塞の予防に納豆/ナットウキナーゼを、
という点からは、
朝食時ではなくて、夕食時に納豆をとるほうが合理的です。
一方、今回のように、
ACE阻害活性を介した高血圧改善という機序を想定する場合には、
朝食時の納豆で問題ないと考えられます。
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