今月の機能性食品研究の専門ジャーナル(電子版)に、茶(紅茶)ポリフェノールによる高血圧改善作用を示した臨床研究が、オーストラリアのグループ(University of Western Australia)から報告されていました。
(
Food Funct. 2012 Oct 5.)
緑茶や紅茶にはポリフェノールが存在し、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性(病気の予防やリスク低減効果)が期待されています。
(緑茶ポリフェノールのEGCGによる抗がん作用がよく知られています。)
今回の研究では、紅茶ポリフェノールによる心血管リスクファクターへの影響が検証されました。
具体的には、男女111名を対象に、
・1日あたり紅茶3カップを4週間の導入期間に全員が摂取し、
次に、
・1日あたり3カップの紅茶(429mgポリフェノール含有)
あるいは
・対照飲料(フレーバーやカフェインは同じで、ポリフェノールは含まない飲料)
のいずれかが投与されました。
(ランダム化二重盲検偽薬対照試験)
24時間血圧と心拍数が4週間の導入期間と、
介入機関の24時間の間に測定されています。
(今回の研究では、短期投与による急性の作用を調べているため、介入期間は24時間です。)
解析の結果、
24時間血圧(24時間自由行動下血圧)は、日中も夜間も両群間に有意差は認められませんでした。
次に介入前のベース値を補正した解析では、
24時間血圧において、
収縮期血圧;−0.2 mm Hg (95% CI, −1.5 to 1.0), P = 0.72、
拡張期血圧;0.0 mm Hg (95% CI, −1.0 to 0.9), P = 0.95、
とそれぞれ影響が見出されています。
心拍数は、
対照群に比べて、
茶ポリフェノール投与群において、夜間および早朝の時間帯で有意に低値でした。
(それぞれ、−2.0 (95% CI, −3.2, −0.8) bpm、 −1.9 (95% CI, −3.7, −0.2) bpm, respectively; P < 0.05 for both)
なお、日中の心拍数には両群間に有意差はありませんでした。
以上のデータから、
紅茶含有ポリフェノールの短期間での投与による血圧および心拍数への影響が示唆されます。
今回のグループの先行研究では、ポリフェノール高含有紅茶の6か月間投与による収縮期血圧と拡張期血圧の低下作用が示されています。
一般に、介入の効果が大きくない機能性食品素材(緩徐に作用する食品成分)の場合には、
一定期間以上の長期摂取による効果が期待されると考えられます。
機能性食品素材では、緑茶やココアに含まれるポリフェノールの健康保持・疾病予防効果が示唆されます。
DHCでは
緑茶製品も扱っています。
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