本日、調べ物をしていて、アロマセラピーによる認知症の症状関連作用を示した臨床研究を読んでいました。
アロマセラピー(アロマテラピー、芳香療法)は、
リラクセーションだけではなく、
医療分野において、補完療法としての応用研究が行われています。
特に注目されるのは、認知症の関連症状の改善作用です。
ある研究では、
ラベンダー精油による認知症の改善効果が示されていました。
(
Int J Geriatr Psychiatry. 2002 Apr;17(4):305-8.)
具体的には、
老年精神科病棟に長期入居している重症認知症患者15名を対象に、
2%ラベンダーオイル(ディフューザーによる投与)群
水スプレー群
の2群について、
1回2時間の介入が、一日おきに10回施行され、
老年期精神障害評価スケール(Pittsburgh Agitation Scale、PAS)による興奮状態の評価が行われています。
(偽薬対照法にて、盲検化された評価者による試験。)
各被験者において、
PASスコアが10回分、(5回の実薬群、5階の対照群)取得され、解析が行われました。
解析の結果、
偽薬に比べて、
ラベンダーオイル介入によって、
9名の患者(60%)で改善、
5名の患者(33%)で変化なし、
1名(7%)で興奮状態の悪化が認められました。
PASスコアの中央値は、
偽薬群に比べて、
アロマセラピー群において興奮状態の有意な改善効果が見出されました。
(median PAS scores 3 c.f. 4; p = 0.016)
以上のデータから、
ラベンダーオイルを用いたアロマセラピーによる重症認知症に伴う興奮症状の改善作用が示唆されます。
アロマセラピーによる認知症の症状改善作用は、複数の研究によって支持されています。
例えば、日本での研究では、
アロマ精油のディフューザーを用いて、
午前中の2時間、ローズマリー+レモン
午後の2時間、ラベンダー+オレンジ
のアロマセラピーによる効果が知られています。
DHCでは、
アロマセラピーの関連製品を扱っています。
認知症に対するアロマセラピーのプロトコールは、
朝9:00−11:00の2時間
レモン2滴 & ローズマリー4滴
(1滴は0.02cc)
をアロマディフューザーで。
夕方19:30−21:30の2時間
オレンジ2滴 & ラベンダー4滴
(1滴は0.02cc)
です。
DHC製品では、
朝
レモン(オーガニック)840円 5ml
ローズマリー(オーガニック) 892円 5ml
夕方
オレンジスウィート(オーガニック)840円 5ml
ラベンダー(オーガニック) 1575円 5ml
となります。
1瓶あたり精油が5ml入っていますので、
1回4滴0.08ml 62回分
1回2滴 0.04ml 125回分
として、
1瓶で
2か月から4か月間、利用できます。
認知症に対して、アロマセラピーは、費用対効果の高い、安全な補完療法と考えられます。
今後、さらにエビデンスの構築と提供が期待される分野です。
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