今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、クロム含有サプリメントの摂取と、2型糖尿病リスクとの関連を示した研究が、米国のグループ(Harvard Medical School)から報告されていました。
(
J Nutr. 2015 Oct 7.)
クロムは、ミネラルの1つで必須栄養素です。
生体内では、炭水化物・糖質の代謝、脂質代謝に関与しています。
これまでの研究では、
クロム投与による肥満や糖尿病における代謝改善作用が示唆されています。
例えば、
クロムによる糖代謝改善作用@メタ解析
という報告があります。
米国では、サプリメントは広く利用されています。
そこで、今回の研究では、クロムサプリメントの利用と、2型糖尿病リスクとの関連が検証されました。
具体的には、
米国の全国健康栄養調査NHANES(1999-2010年)から62,160名のデータが対象となり、
HbA1c値6.5%以上、あるいは糖尿病の診断が示された被験者、
および
クロム含有サプリメントの利用状況が調べられました。
性別、人種、BMI、糖尿病既往歴、サプリメント利用、HbA1cデータ、サプリメント利用状況のデータがそろう成人28,539名が解析された結果、
過去30日の間に、
58.3%の被験者がサプリメントを利用していました。
28.8%が、クロム含有サプリメントを利用しており、
0.7%がクロム(クロミウム)と表記されたサプリメントを利用していました。
サプリメントの非利用者に比べて、
クロム含有サプリメントの利用者では、
2型糖尿病リスク(HbA1c ≥6.5%)が、
27%低いことが見出されたということです。
(OR: 0.73; 95% CI: 0.62, 0.86; P = 0.001)
一方、クロムを含んでいないサプリメント利用という場合では、
2型糖尿病リスクとの有意な関連は示されていません。
(OR: 0.89; 95% CI: 0.77, 1.03; P = 0.11)
以上のデータから、
(米国の成人では半数以上が栄養サプリメントを利用しており)
その4分の1以上が、クロムを成分として含むサプリメントを利用していること、
クロム含有サプリメントの利用者では、2型糖尿病リスクが低いことが示唆されます。
クロムは必須ミネラルですが、必要量はごくわずかです。
一方、現代人の食生活では不足しやすいとされています。
クロムサプリメントは、米国では比較的知られており、JAMAなどにもRCTとして糖代謝改善作用が報告されています。
日本では、クロム単独のサプリメントではなくて、一般に、
マルチミネラルサプリメントに含まれています。
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