小児科学の専門ジャーナル(電子版)に、母親にビタミンD3サプリメントを摂取した場合に母乳を介した乳児への有用性について検証した臨床研究が、米国のグループから報告されていました。
(
Pediatrics. 2015 Sep 28.)
近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用、抗炎症作用など、多彩な効果が示されています。
今回の研究では、
授乳中の母親に、
1日あたり6400 IUのビタミンD3サプリメントを投与した時と、
乳児に、
1日あたり400IUのビタミンD3サプリメントを投与した群
の有用性の比較が行われました。
具体的には、
米国在住(南カロライナとニューヨーク州)で、
産後4-6週の女性を対象に、
1日あたり
ビタミンD3サプリメントを
400 IU, 2400 IU, 6400 IUの3群について6ヶ月間の介入が行われています。
母乳を授乳中の400 IU群では、乳児にビタミンD3サプリメントが400 IU/日で投与されています。
また、
2400 IUと 6400 IU群の乳児では、0 IU/日(偽薬)が投与されています。
ビタミンD欠乏は、
血中濃度(25(OH)D値) が50 nmol/L未満と定義しています。
母体の血中ビタミンD値、カルシウム値、リン酸値、
尿中のカルシウムクレアチニン比が
開始時と毎月測定され、
乳児では、
開始時と4ヶ月後と7か月後に測定されました。
334名の母子が、400 IUと6,400 IU群に開始しました。
試験の結果、
介入後の初回の受診において、
216名(64.7%)が母乳の授乳をしていました。
4ヶ月後の受診において、
148名(44.3%) が母乳の授乳を継続、
7か月後の時点では、
95名(28.4%)が母乳授乳を継続していました。
解析の結果、
まず、
母乳授乳の乳児におけるビタミンD欠乏の割合は、
人種差が顕著でした。
400 IU投与群に比べて、
6,400 IU投与群では、
母体の血中ビタミンD値が、投与前に比べて有意な増加が認められ、
(P < .0001)
高い安全性も確認されました。
400IU投与の乳児と、
母体への6400 IU群のサプリメント単独群では差は認められていません。
以上のデータから、
授乳中の母親に対して、1日あたり6400 IUのサプリメント投与は、
安全性が高く、
母乳を介して、乳児のビタミンD充足が可能であることが示唆されます。
近年、ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用なども見出されてきました。
日本からの報告では、
ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果
が知られています。
また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。
(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)
今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。
日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。
たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足、
血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い
というデータがあります。
DHCでは、
ビタミンD3サプリメントを製品化しています。
ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、
という報告もあります。
マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。
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