サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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オメガ3系脂肪酸+有酸素運動による軽度認知機能障害への働き [2015年10月06日(火)]
神経学の専門ジャーナル(電子版)に、軽度認知機能障害(MCI)に対するオメガ3系必須脂肪酸+有酸素運動による作用を調べた臨床研究が、ドイツのグループ(Charité - University Medicine)から報告されていました。
(Neuroimage. 2015 Sep 30)


現在、認知症対策が急務とされており、

特に、MCI(軽度認知機能障害)の段階での早期介入による症状進行抑制が重視されています。


機能性食品・サプリメントの中には、多くのランダム化比較試験によって、認知症に対する一定の有効性が示されている成分があります。



先行研究では、

高齢者において、

オメガ3系必須脂肪酸の投与、有酸素運動、認知機能への刺激による脳の構造への影響などが示されてきました。

そこで、
今回の研究では、
これらの介入を組み合わせた場合のMCIに対する働きが検証されました。

具体的には、
ランダム化比較試験として、

・組み合わせ介入群(魚油サプリメント、有酸素運動、認知機能刺激)
・対照群(魚油サプリメント投与、有酸素運動はナシ)

の2群において、認知機能および灰白質容積への影響が調べられています。

有酸素運動は、自転車です。


MCI患者22名(うち女性8名、60−80歳)が、6ヶ月間の試験を完了しました。


組み合わせ介入群は13名、
対照群は9名です。


介入の前後により、

認知機能の評価、

3テスラのMRIの評価(n = 20)

頸動脈内膜中膜肥厚(IMT)、

糖代謝、脂質代謝、ビタミンB代謝、炎症関連マーカーが測定されています。



灰白質容積の測定では、

アルツハイマー病に関連した領域(frontal, parietal, temporal and cingulate cortex)が
T1強調画像で評価されました。



介入後、

両群間で脳の構造に有意な変化が見出されました。

灰白質の容積は、介入群で減少しました。
(frontal, parietal and cingulate cortexにて減少)

一方、
介入群では、
灰白質の容積は介入前と同程度以上に保たれていたということです。


また、
介入群では、血中ホモシステイン値が減少し、

このとき、中前頭回の灰白質の増加と有意な相関が見出されています。
(p = 0.010)

(ホモシステインからメチオニンへの転移に葉酸が必須であり、葉酸が不足すると、血中ホモシステインが高くなります。
ホモシステインは、血管内皮細胞や血液凝固因子に影響し、LDLの血管壁への沈着、動脈硬化の進展を生じます。)、


なお、
認知機能や内分泌代謝、炎症マーカーについて、両群間に有意差は見出されていません。



以上のデータから、

魚油(EPA、DHA)サプリメントに、有酸素運動(自転車)と認知機能刺激を組み合わせた介入によって、
軽度認知機能障害における好影響が示唆されます。





機能性食品・サプリメントの中で、ヒト臨床研究によって、認知症改善作用が示されているのは、次の成分です。



イチョウ葉エキスによる認知症への効果:メタ解析


イチョウ葉エキス


イチョウ葉エキス製剤による認知症の症状改善作用


イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ


イチョウ葉エキスの有効性と安全性


イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用


イチョウ葉エキスと認知症治療薬のシナジー


PS(ホスファチジルセリン)サプリメント


PS(ホスファチジルセリン)による認知機能改善作用


エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイル


エクストラバージンオリーブオイルによる認知症予防効果


大豆イソフラボンによる認知機能改善効果@メタ解析



・ビタミンB群

ビタミンB群投与による脳萎縮(灰白質萎縮)抑制効果と認知機能低下抑制効果


脳萎縮進行抑制効果を示した臨床研究


オメガ3系必須脂肪酸とαリポ酸によるアルツハイマー病の進行抑制効果



一般に、認知機能への効果を期待する場合には、ビタミンB群、オメガ3系脂肪酸(EPADHA)、イチョウ葉エキスといったサプリメントを比較的長期間(数ヵ月以上)に利用することが必要と考えられます。

また、ウコン・クルクミンによる認知症改善作用も報告されています。

DHCでは、複合サプリメントも製品化しています。




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