臨床栄養学の専門ジャーナルに,レスベラトロールによる脳血液循環改善作用を示した臨床研究が,イギリスのグループ(Northumbria University)から報告されていました。
(
Am J Clin Nutr. 2010;91:1590-7.)
レスベラトロールは,ブドウ由来のポリフェノールで,健康長寿やアンチエイジング作用に関して注目されている機能性食品成分です。
抗酸化作用,NO産生調節作用,血管拡張作用など血液循環改善を示唆する働きも示されており,脳循環改善を介した認知機能への作用が想定されます。
そこで,今回の研究では,ヒトを対象に,レスベラトロールを経口投与した際の脳血液循環および認知機能への影響が調べられました。
具体的には,健常者22名を対象に,トランス-レスベラトロール(250mgもしくは500mgの用量),あるいは偽薬が投与され,45分間の安静吸収期間を経た後に,認知機能検査および脳血流測定が行われています。
(ランダム化二重盲検偽薬対照クロスオーバー法)
(なお,血漿中におけるレスベラトロールの存在は,HPLCにて確認されています。)
レスベラトロール投与の結果,認知機能検査中の脳血流増加が用量依存的に認められました(全ヘモグロビン量を指標)。
また,レスベラトロール投与後に,デオキシヘモグロビンが増加したことから,酸素摂取率の亢進が示唆されます。
ただし,認知機能検査では有意差は示されていません。
以上のデータから,レスベラトロールの単回経口投与によって,脳血流改善効果が示唆されます。
さすがに今回の単回投与では,認知機能の変化は検出されていませんが,認知機能負荷テスト時において血流の変化が見出されたことは興味深いと思います。
今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。
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