サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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グルコサミン由来成分の抗炎症作用 [2010年10月12日(火)]
関節疾患研究の専門ジャーナルに,軟骨細胞におけるグルコサミンの抗炎症作用を示した基礎研究が,イタリアのグループ(Sapienza University of Roma)から報告されていました。
(Arthritis Res Ther. 2010;12(1):R18.)


グルコサミンは,変形性膝関節症などの関節疾患に広く利用されているサプリメントです。


作用メカニズムとして,アミノ糖であるグルコサミンが関節軟骨の成分であることから,構成成分を経口摂取することによる直接的な修復機構が想定されていました。



一方,最近の研究では,グルコサミンやコンドロイチンは,情報伝達機構における調節因子であることが示されており,変形性膝関節症に対する改善効果のメカニズムとして,構成成分自体を直接摂取する作用というよりは,シグナル伝達物質を摂取することによる作用が考えられています。



(統合医療において,変形性膝関節症に対するグルコサミンの投与は,最低でも4−6ヶ月が必要とされ,期待される効果が得られない場合は摂取量の増やすことが一般的です。

これらのプロトコールを満たしていない臨床研究ではネガティブなデータが報告されることがあり,それがサプリメントに関するネガティブデータとして,メディアで一人歩きしているケースがあります。)



調節因子としてのグルコサミンのターゲットとして,炎症反応に関与するNF-κBが考えられます。


今回の研究では,グルコサミンによるIKKキナーゼ活性への作用が検証されました。

(NF-κBの活性化をみている実験系です。)


具体的には,ヒト軟骨細胞系(HTB-94 )およびヒト軟骨初代培養細胞を用いて,グルコサミンあるいはNAPA(2-(N-Acetyl)-L-phenylalanylamido-2-deoxy-beta-D-glucose)処理後にTNF-αによる刺激を行い,IkappaBαたんぱく質のリン酸化やp65の核再局在などが測定されています。


解析の結果,IL-6やIL-8といったNF-κB下にある遺伝子発現は,TNFαによって増加が認められました。


一方,NAPAはIKKキナーゼ活性を抑制し,グルコサミンは抑制していません。


このとき,グルコサミンおよびNAPAによって,IKKαの核再局在化は抑制されました。



以上のデータから,グルコサミンおよびその由来ペプチドによるNFκBシグナルの阻害作用・抗炎症作用が示唆されます。



(なお,分子レベルではいくつかの経路が推定され,NAPAは,IKKαキナーゼ活性の抑制とIKKα核再局在化抑制の両方を示す一方,グルコサミンは核再局在化に対する働きのみ見出されています。)


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