今月の腫瘍学の専門ジャーナルに、がん患者におけるCAM(補完代替医療)の利用状況を調べた研究が、アイルランドのグループから報告されていました。
(
BMC Cancer. 2011 May 24;11(1):196)
これまでに、がん患者の間ではCAM(補完代替医療)が広く利用されていることが知られています。
近年では、西洋医学とCAMを合わせた統合腫瘍学によるアプローチが米国で構築されつつあります。
(従来の西洋医学のみの組み合わせでは、集学的治療と呼ばれます。)
さて、今回の研究では、入院および外来にて、がん患者と対照者、および医療従事者を対象に、質問票を用いた調査が行われました。
具体的には、がん患者291名、がんではない対照ボランティア301名、医療従事者156名の合計676名を対象に解析が行われています。
その結果、
まず、CAM利用率は、
がん患者:29.1%、
対照者:30.9%、
医療従事者:39.7%、
全体:32.5%
というデータが得られています。
また、CAM利用と相関する因子として、
・女性(p<0.001),
・若年世代(p=0.004),
・高い教育水準 (p<0.001),
・高い世帯収入(p=0.001),
・民間医療保険加入(p=0.001)、
・非キリスト教徒 (p<0.001)
が見出されています。
多変量解析では、
女性(p<0.001)、非キリスト教徒 (p=0.001) 、民間医療保険加入(p=0.015)
との相関が示されました。
さらに、
医療従事者の多くが、
自分たちが(がんのCAMに関して)十分な知識を有していない(58.8%)、
(がんのCAMについて)最良のエビデンスについての知識を有していない(79.2%)
と感じていることも見出されています。
その他、自らがCAM利用者である医療従事者は、がん患者にCAM利用を勧めるという関連(p<0.001)も示されました。
------------------------------------------------------------------
医療機関専用サプリメント【DHC FOR MEDIC】(DHCフォーメディック)
医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
【健康食品FAQ】
【DHCの研究開発】
------------------------------------------------------------------