サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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イチョウ葉エキスのADHD改善効果 [2015年05月12日(火)]
今月の補完医療の専門ジャーナルに、イチョウ葉エキスによる青少年でのADHD((注意欠陥・多動性障害)への効果を示した臨床研究が、イランのグループ(Isfahan University of Medical Sciences)から報告されていました。
(Complement Ther Clin Pract. 2015 May;21(2):61-7)



ADHD (注意欠陥・多動性障害Attention Deficit / Hyperactivity Disorder)とは、多動性や衝動性、注意低下などを特徴とし、発達障害のひとつとされています。

(米国での罹患率は、若年者の6-9%、成人の3-5%ということです。
また、若年者の罹患率は、世界的に類似した数値です。)



ADHDでは、主たる症状として、感情コントロールに乏しいことが知られています。

また、これまでの研究では、
小児や青少年のADHD患者におけるオメガ3系脂肪酸低値やオメガ3系必須脂肪酸サプリメントの働きが示唆されてきました。

ADHDの小児に対するオメガ3系脂肪酸の効果



イチョウ葉エキスは、抗酸化作用や血小板凝集抑制作用、循環改善作用を有し、認知症の予防や閉塞性硬化症の改善に用いられるハーブサプリメントです。


イチョウ葉エキスには、特有のフラボノイド系ファイトケミカルが存在し、抗酸化作用や抗炎症作用、血小板凝集作用などを介して、効果を発揮します。


これまでに多くの臨床研究が行われており、認知症などに対して有効性と安全性が示されています。


(イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ)

(イチョウ葉エキスの有効性と安全性)

(イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用)

(イチョウ葉エキスと認知症治療薬のシナジー)




さて、今回の研究では、

イチョウ葉エキスによるADHD (注意欠陥・多動性障害Attention Deficit / Hyperactivity Disorder)に対する作用が検証されました。


具体的には、

メチルフェニデートmethylphenidate (20-30 mg/day)を服用している、

ADHDの小児・青少年を対象に、

・イチョウ葉エキス(80-120 mg/day)併用投与群

・偽薬併用投与群

の2群について、

6週間の介入試験が行われ、

開始時、2週間後、6週間後の時点で、

ADHDに対する評価が行われています。
(ADHD-RS-IVによるレーティングです。)




ADHD-RS-IVの評価において、

開始時から27%の改善を

治療に対する反応として判断しています。


解析の結果、

偽薬群に比べて、

イチョウ葉エキス併用投与群では、

ADHD関連評価において有意な改善が見出されたということです。

ADHD-RS-IV:
parent rating inattention score (-7.74 ± 1.94 vs. -5.34 ± 1.85, P < 0.001)
total score (-13.1 ± 3.36 vs. -10.2 ± 3.01, P = 0.001)
teacher rating inattention score (-7.29 ± 1.90 vs. -5.96 ± 1.52, P = 0.004)



また、

両親のレーティングによる反応率は、

イチョウ葉エキス併用投与群のほうが、

偽薬群よりも有意に高率でした。

(93.5% vs. 58.6%, P = 0.002).



以上のデータから、

ADHDの標準治療薬との併用において、

イチョウ葉エキスの効果が示唆されます。


今後、補完療法としての意義の検証が期待されます。




青少年にみられる神経系の病態で、機能性食品成分の効果が示されているものとしては、ADHDに対する研究報告があります。


オメガ3系脂肪酸によるADHD改善作用:メタ解析



バレリアンによる小児の多動性の改善作用



ADHDの小児に対するオメガ3系脂肪酸の効果





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