今月の補完医療の専門ジャーナルに、イチョウ葉エキスによる青少年でのADHD((注意欠陥・多動性障害)への効果を示した臨床研究が、イランのグループ(Isfahan University of Medical Sciences)から報告されていました。
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Complement Ther Clin Pract. 2015 May;21(2):61-7)
ADHD (注意欠陥・多動性障害Attention Deficit / Hyperactivity Disorder)とは、多動性や衝動性、注意低下などを特徴とし、発達障害のひとつとされています。
(米国での罹患率は、若年者の6-9%、成人の3-5%ということです。
また、若年者の罹患率は、世界的に類似した数値です。)
ADHDでは、主たる症状として、感情コントロールに乏しいことが知られています。
また、これまでの研究では、
小児や青少年のADHD患者におけるオメガ3系脂肪酸低値やオメガ3系必須脂肪酸サプリメントの働きが示唆されてきました。
ADHDの小児に対するオメガ3系脂肪酸の効果
イチョウ葉エキスは、抗酸化作用や血小板凝集抑制作用、循環改善作用を有し、認知症の予防や閉塞性硬化症の改善に用いられるハーブサプリメントです。
イチョウ葉エキスには、特有のフラボノイド系ファイトケミカルが存在し、抗酸化作用や抗炎症作用、血小板凝集作用などを介して、効果を発揮します。
これまでに多くの臨床研究が行われており、認知症などに対して有効性と安全性が示されています。
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イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ)
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イチョウ葉エキスの有効性と安全性)
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イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用)
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イチョウ葉エキスと認知症治療薬のシナジー)
さて、今回の研究では、
イチョウ葉エキスによるADHD (注意欠陥・多動性障害Attention Deficit / Hyperactivity Disorder)に対する作用が検証されました。
具体的には、
メチルフェニデートmethylphenidate (20-30 mg/day)を服用している、
ADHDの小児・青少年を対象に、
・イチョウ葉エキス(80-120 mg/day)併用投与群
・偽薬併用投与群
の2群について、
6週間の介入試験が行われ、
開始時、2週間後、6週間後の時点で、
ADHDに対する評価が行われています。
(ADHD-RS-IVによるレーティングです。)
ADHD-RS-IVの評価において、
開始時から27%の改善を
治療に対する反応として判断しています。
解析の結果、
偽薬群に比べて、
イチョウ葉エキス併用投与群では、
ADHD関連評価において有意な改善が見出されたということです。
ADHD-RS-IV:
parent rating inattention score (-7.74 ± 1.94 vs. -5.34 ± 1.85, P < 0.001)
total score (-13.1 ± 3.36 vs. -10.2 ± 3.01, P = 0.001)
teacher rating inattention score (-7.29 ± 1.90 vs. -5.96 ± 1.52, P = 0.004)
また、
両親のレーティングによる反応率は、
イチョウ葉エキス併用投与群のほうが、
偽薬群よりも有意に高率でした。
(93.5% vs. 58.6%, P = 0.002).
以上のデータから、
ADHDの標準治療薬との併用において、
イチョウ葉エキスの効果が示唆されます。
今後、補完療法としての意義の検証が期待されます。
青少年にみられる神経系の病態で、機能性食品成分の効果が示されているものとしては、ADHDに対する研究報告があります。
オメガ3系脂肪酸によるADHD改善作用:メタ解析
バレリアンによる小児の多動性の改善作用
ADHDの小児に対するオメガ3系脂肪酸の効果
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