今月の科学誌プロスワンに、イチョウ葉エキスの長期(20年間)利用と、認知機能との関連を調べた臨床研究が、フランスのグループ(University of Bordeaux)から報告されていました。
(
PLoS One. 2013;8(1):e52755.)
イチョウ葉エキスは、抗酸化作用や血小板凝集抑制作用、循環改善作用を有し、認知症の予防や閉塞性硬化症の改善に用いられるハーブサプリメントです。
イチョウ葉エキスには、特有のフラボノイド系ファイトケミカルが存在し、抗酸化作用や抗炎症作用、血小板凝集作用などを介して、効果を発揮します。
これまでに多くの臨床研究が行われており、認知症などに対して有効性と安全性が示されています。
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イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ)
(
イチョウ葉エキスの有効性と安全性)
さて、今回の研究では、
加齢に伴う認知機能低下に対して、20年間にわたるイチョウ葉エキス摂取群の働きが調べられています。
具体的には、
65歳以上の(試験開始時には認知症ではない)被験者3612名を対象に、
・イチョウ葉エキス(EGb761)摂取群(n=589)
・ピラセタム(商品名Nootropyl;脳機能調整薬)服用群(n=149)
・非摂取群(n=2874)
の3群について、認知機能指標(MMSE)が測定されました。
20年間にわたる追跡調査の結果、
MMSE低下に関して、
非投与群に比べて、
介入群(イチョウ葉エキス群とピラセタム群)では有意な変化が認められたということです。
まず、イチョウ葉エキス投与群では、
非投与群に比べて、
認知機能低下が抑制されていました。
これに対して、
ピラセタム群では、
非投与群に比べて、
認知機能低下がより速く進んでいたということです。
さらに、語流暢性(verbal fluency)と視覚認知について、
非投与群とイチョウ葉群に有意差は示されていませんが、
ピラセタム投与群では、有意な低下(悪化)が見出されています。
その他、
イチョウ葉エキス投与群と、ピラセタム投与群の比較でも、有意な差が認められました。
以上のデータから、
健常高齢者においてみられる加齢による認知機能の低下に対して、
イチョウ葉エキスは、有意な抑制作用を示すことが考えられます。
サプリメント・機能性食品素材の成分には、高齢者における認知機能の低下を抑制する作用をもつものがあります。
例えば、認知症の予防や改善に対して、ビタミンB群とオメガ3系脂肪酸(EPAやDHA)サプリメントが利用されています。
ビタミンB群については、
脳萎縮進行抑制効果を示した臨床研究が話題になりました。
葉酸とB12による認知機能改善効果も報告されています。
EPAや
DHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。
(
DHAが脳の老化を抑制)
ハーブでは、ドイツでよく研究されているイチョウ葉エキスが知られています。
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イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ)
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イチョウ葉エキスの有効性と安全性)
一般に、認知機能への効果を期待する場合には、
ビタミンB群、オメガ3系脂肪酸(
EPAや
DHA)、
イチョウ葉エキスといったサプリメントを比較的長期間(数ヵ月以上)に利用することが必要と考えられます。
また、ウコン・クルクミンによる認知症改善作用も報告されています。
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