今月の薬理精神医学の専門ジャーナル(電子版)に、セントジョーンズワートによる抗うつ作用を示した臨床研究が、オーストラリアのグループ(University of Melbourne)から報告されていました。
(
Pharmacopsychiatry. 2012 May 16)
これまでの多くの臨床研究によって、セントジョーンズワート(和名セイヨウオトギリソウ,学名
Hypericum perforatum)が、軽症から中等度のうつ病の症状改善に効果的であり、安全性も高いことが示されています。
うつ病に対して、セントジョーンズワートは、SSRIなどの医薬品と同等の効果を有し、かつ、副作用は医薬品よりも少ないという特徴があります。
(近年、SSRIに対するメタ解析が話題になっています。仮にこれらのメタ解析を支持するとしても、SJWを副作用の少ない、アクティブプラセボとして、その効果を評価することができます。)
さて、今回の研究では、うつ病に対するセントジョーンズワートの効果について、アクティブ対照の医薬品(SSRI)と偽薬対照の設定で検証が行われました。
具体的には、
うつ病患者124名を対象に、
・セントジョーンズワート(900r〜1500r/日)
・抗うつ薬のSSRI(セルトラリン、sertraline;50-100r)
・偽薬
のいずれかを8週間投与し、
レスポンダーについては26週まで継続が行われました。
(26週間のランダム化二重盲検対照試験)
主アウトカムは26週時点でのHAM-D(うつ病評価指標)です。
解析の結果、
26週時点のHAM-Dは、
・セントジョーンズワート投与群:6.6±4.5
・SSRI(セルトラリン)投与群:7.1±5.4
・偽薬投与群:5.7±5.4
でした。
投与前後の比較では抗うつ作用の有意差が認められています(p=0.036)が、
群間比較では有意差はなく、改善傾向のみ(p=0.61)でした。
BDIやCGIといった指標でも同様です。
論文著者らは、
26週時点のデータでは、セントジョーンズワートもSSRIもどちらも臨床的な治療効果が認められる、
と考察しています。
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