今月の婦人科学の専門ジャーナルに、植物エストロゲンによる骨代謝改善作用を示した系統的レビューが報告されていました。
(Climacteric. 2016 Oct 6:1-11.)
閉経後には、骨吸収の増加や骨密度の低下が認められ、骨粗鬆症のリスクが高まります。
植物エストロゲンは、女性ホルモン様の作用を有することから、閉経後の骨代謝改善に有用であることが示唆されています。
今回の系統的レビューでは、
閉経後の女性において、
植物エストロゲンによる骨密度への作用が検証されました。
具体的には、
主要医学データベースを用いて、
(PubMed, Science Direct, Scopus, Cochrane Library, ISI Web of Knowledge, and ProQuest)
2005年から2016年の間の論文について、
植物エストロゲン、骨密度、閉経といった用語で検索が行われ、
23報が系統的レビューの解析対象となりました。
ほとんどの研究は、ランダム化二重盲検偽薬対照試験であり、
3494名のデータが解析されています。
介入の用いられた植物エストロゲンは、
さまざまな大豆イソフラボン抽出物、ゲニステイン(単独あるいはダイゼインとの併用)
レッドクローバー抽出物などの植物エストロゲンであり、
介入期間は、7週間から3年間でした。
試験での主アウトカムは、
全身あるいは局所の骨密度(BMD)あるいは骨塩量、T-スコア、骨代謝関連バイオマーカーです。
解析の結果、
閉経後の女性において、
イソフラボン類による全般的な好影響が見出されたということです。
BMDの変化に関する臨床的意義の議論はあるにせよ、
骨粗鬆症のリスクが高くなる閉経後の女性では、植物エストロゲン含有サプリメントによる有用性が考えられます。
最近の研究では、次の報告があります。
植物エストロゲンによる更年期症状改善作用:メタ解析
大豆イソフラボンによる更年期のほてり改善作用:レビュー
植物エストロゲンの摂取による卵巣がんリスク低下:メタ解析
大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下:高山スタディ
大豆イソフラボンによる消化器がんリスク低下作用
DHCでは、
大豆イソフラボン、
プエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの
複合サプリメントなどを製品化しています。
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