今月のがん研究の専門ジャーナル(電子版)に、イソフラボン類及びリグナン類の血中濃度と、前立腺がんリスクとの関連を調べたメタ解析が、ヨーロッパ各国と日本のグループから報告されていました。
(Int J Cancer. 2018 Jul 4.)
植物エストロゲンは、前立腺がんリスク低減との関連が示唆されています。
今回のメタ解析では、
イソフラボン類(ゲニステイン、ダイゼイン、エクオール)およびリグナン類(エンテロラクトン、エンテロジオール)の血中濃度と、
前立腺がんリスクとの関連が調べられました。
具体的には、
前向きコホート研究7報が対象となり、
(日本からの2報では、患者241名、対照群503名)
(欧州からの5報では、患者2,828名、対照群5,593名)
日本と欧州での血中イソフラボン類の濃度には大きな差があったため、それぞれ別に解析されました。
メタ解析では、
血中濃度の4分位で、最高群と最低群が比較された結果、
まず、
日本の男性では、
エクオールの血中濃度が、
最高群では、最低群に比べて、
前立腺がんリスクは39%有意に低値でした。
(OR; Q4 vs Q1=0.61, 95%CI=0.39-0.97)
(OR per 75 percentile increase=0.69, 95 CI=0.46-1.05, Ptrend =0.085)
なお、ゲニステインとダイゼインの血中濃度は、前立腺がんリスクとの間に有意な相関は見出されませんでした。
(それぞれ:ORs for Q4 vs Q1=0.70, 0.45-1.10, and 0.71, 0.45-1.12)
次に、
欧州の男性での解析では、
ゲニステイン、ダイゼイン、エクオールの濃度と、前立腺がんリスクとの相関は見出されませんでした。
その他、
リグナン類の血中濃度は、重症度や診断までの期間において、前立腺がんリスクとの相関は見出されませんでした
以上のメタ解析から、
診断前のイソフラボン類およびリグナン類の血中濃度と、前立腺がんとの間に強い相関は検出されませんでしたが、
日本人男性では、エクオールが高いと前立腺がんリスクが有意に低いという相関が示唆されます。
今後、介入試験などによる検証が期待される分野です。
エクオールとは、腸内細菌により、大豆イソフラボンの一種であるダイゼインから産生されます。
エクオールは、イソフラボンよりも高い生物活性を有しており、
更年期障害の改善、閉経後の骨粗鬆症予防、心血管疾患の予防作用が示唆されています。
先行研究では、次の報告があります。
エクオール(10mg)が日本人女性の骨の健康維持と心臓病予防に有用
膣のアンチエイジングにエクオールの働き
ただし、
エクオールの体内産生には、腸内細菌叢が関与するため、エクオールを産生できる人とそうではない人がいることがわかっています。
日本人でエクオールが産生できるのは、50-60%程度です。
また、食習慣の変化により、若年者では、エクオール産生者の割合が減少しており、
日本人の若年女性では、20-30%の人しか、エクオールを産生できていないと報告されています。
エクオール産生者は、非産生者に比べて、大豆イソフラボンの機能性/健康増進効果や未病対策効果を得られると考えられます。
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