栄養/代謝/循環器疾患の専門ジャーナル(電子版)に,複合サプリメント(ベルベリン,紅麹,ポリコサノール含有サプリ)投与による脂質代謝への影響を調べた臨床研究が,イタリアのグループから報告されていました。
(
Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2009 Aug 19. PMID: 19699071)
LDLコレステロールや中性脂肪が高いと動脈硬化性疾患のリスクとなり,脂質異常症と診断されます。
サプリメント成分/機能性食品成分には,脂質異常症を改善するものがあり,
紅麹(べにこうじ)がよく知られています。
さて,今回の研究では,ベルベリン500mg,紅麹200mg,ポリコサノール10mgの複合サプリメントによる脂質代謝への影響が検証されました。
具体的には,高コレステロール血症患者50名(男性26名,女性24名,平均年齢55歳,総コレステロール6.55±0.75mmol/L)を対象に,サプリメント投与群(n=25)あるいは偽薬投与群(n=25)として6週間の投与が行われています。
(ランダム化二重盲検偽薬対照試験)
さらに,続く4週間は被験者全員がサプリメントを投与されました(オープンラベル試験)。
試験の結果,偽薬群に比べて,サプリメント投与群では,総コレステロール値およびLDL値が有意に低下(p<0.001)し,血管機能の指標であるFMDの有意な改善が認められたということです。
さらに,オープンラベル試験後では,中性脂肪値が有意に低下(1.57±0.77 から 1.26±0.63mmol/lへ),インスリン感受性(HOMA)の改善も示されています。
このとき,特に問題となる有害事象は認められていません。
以上のデータから,ベルベリン/紅麹/ポリコサノールの複合サプリメントは,脂質代謝や糖代謝の改善に有用であることが示唆されます。