生薬学の専門ジャーナルに,性機能亢進作用を示した基礎研究が,イタリアのグループから報告されていました。
(
J Ethnopharmacol. 2009 Aug 22. PMID: 19703544)
トンカットアリ(学名
Eurycoma longifolia)は,東南アジア原産のハーブで,マレーシアの民間療法では強壮・催淫薬として用いられてきました。
今回の研究では,雄ラットを用いて,トンカットアリ根抽出物による性機能に対する作用が検討されています。
具体的には,性機能減退/勃起障害モデル雄ラットに対して,
(1)3種類の用量(250, 500, 1000mg/kg)での急性投与
(2)500mg/kg体重/日での亜急性投与試験:6日間
(3)500mg/kg体重/日での投与試験:12日間
の用法用量にて,トンカットアリが投与され,性機能に関連する指標(Mount, intromission , ejaculation latencies, post-ejaculatory interval)が調べられました。
また,血中テストステロン値が,亜急性投与試験において測定されています。
トンカットアリ投与の結果,(1)急性投与(500と1000mg/kg)および(2)と(3)投与試験の両群において,射精潜時や交尾行動といった指標について有意な改善が認められました。
血中テストステロン値は,亜急性投与群において,対照群と比べて有意な増加が示されています。
以上のデータから,トンカットアリ根抽出物による性機能改善作用が示唆されます。
トンカットアリに類似した作用を持つハーブとして,マカがあります。
マカは,滋養強壮作用・アダプトゲン作用を有し,男女ともに利用されます。
一方,
トンカットアリは,どちらかといえば,男性を対象にした強壮・催淫ハーブという印象です。
(少なくともマレーシアではそのような研究対象となっており,何年か前に科学誌natureにも記事が掲載されていました。)
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