栄養学の専門ジャーナルに,仏教のベジタリアン(Buddhist vegetarian)における体組成と栄養素の摂取を調べた研究が,ドイツのグループから報告されていました。
(
Asia Pac J Clin Nutr. 2009;18(2):265-71.)
今回の研究対象となったのは,韓国における仏教の尼僧54名で,仏教の教えに従った食生活/精進料理の摂取を行っています。
非ベジタリアンであるカトリックの尼僧31名を対照群として,体組成(体脂肪率や除脂肪体重など)や摂取栄養素の状況が比較検討されました。
なお,ベジタリアンの仏教徒の尼僧と,非ベジタリアンのカトリックの尼僧は,食生活以外のライフスタイルは類似しているということです。
体組成測定および3日間の食事調査の結果,ベジタリアン群では非ベジタリアン群に比べて,体重および除脂肪体重,体脂肪,BMIが大きいというデータでした。
BMIの平均値は,ベジタリアン群が22.6,非ベジタリアン群が20.7となっています。
ベジタリアン群では,体脂肪は,ベジタリアンである期間と逆相関の関係にあることが示されています。
(つまり,ベジタリアンである期間が長いと,体脂肪が少ない,という相関です。 ベジタリアンの期間が長い群の体脂肪は12.1kg,短い群では15.0kgという値でした。p=0.032)
また,各栄養素の摂取状況は,ベジタリアン群と非ベジタリアン群との間に大きな差は認められていませんが,一部の栄養素では,ベジタリアン群のほうが栄養学的に好ましいというデータが示されています。
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